Netflixドラマ『ボクらを見る目』憤りを感じずにいられない…、実際の事件に基づいた衝撃のドラマ!

出典:https://isitworthwatching.home.blog/

『ボクらを見る目』はNetflixのリミテッド・シリーズとして制作され、世界中で高い評価を受けた傑作ドラマ。実際の事件に基づき、人種差別問題について考えさせられる衝撃作です。本作のキャスト・あらすじ・見どころなどを紹介します!



『ボクらを見る目』あらすじ

セントラル・パークで白人女性が性的暴行を受ける事件が起き、偶然現場近くに居合わせた有色人種の青年達が容疑者として警察に連行される。

青年達は全員未成年で警察での尋問には本来なら親の同伴が必要ですが、親の同伴なしで尋問が行われてしまう。

警察に自白を強要された青年達は追い詰められ、彼らの自白が決定打になり5人は有罪判決を受け服役することに…。

刑務所で酷い仕打ちを受け出所後も行き場を失った少年達は、無実を訴え続け汚名を晴らすため5人の長い闘いが始まることになる。

『ボクらを見る目』を視聴した感想

筆者の中で観た後にしばらく動けなくなるくらいの衝撃と憤りを感じるドラマというものが、いくつか存在します。

『ボクらを見る目』はそのひとつで観た後はショックと共に、やるせなさと憤りを感じこの感情をどう持って行ったらいいのか分らないほどでした。

筆者も海外生活が20年近くなり海外で暮らすうえで、人種差別を受けたことがあるしその悔しさと存在を否定されたような怒りを多少は理解できると思います。

ただ本作に登場する未成年の少年たちが冤罪で投獄され、何年も人生を無駄にしたこととは比べ物になりません。少年たちのことを考えると涙が止まりませんでした。

冤罪が晴れたらそれでいいのだろうか?充分な捜査がなされないまま未成年の少年達を逮捕し、人種差別をよしとする法の裁きとはいったい何なのか?観た後にさまざまな思いが駆け巡ります。

四半世紀前に起きた実話がベースになっていますが、ついこの間『ブラック・ライブ・マター』のデモが世界中で広がったことを考えると、人種差別問題は何も解決されておらず世界は何も変わっていないのでは?といろいろと考えさせられました。

シリアスで重い内容のドラマですが映画4本分見るくらいの見応えを感じる傑作ドラマで、ぜひ多くの人達に観てほしいと思います。


『ボクらを見る目』キャスト

ケヴィン・リチャードソン(アサンティ・ブラック)
アントロン・マックレイ (カリール・ハリス)
ユセフ・サラーム(イーサン・エリセ)
コーリー・ワイズ(ジャレル・ジェローム)
レイモンド・サンタナ・Jr( マークィス・ロドリゲス)

主役の5人以外にも検事役のフェリシティ・ハフマン、ファムケ・ヤンセン、ヴェラ・ファーミガ、レイモンドの父親役のジョン・レグイザモ、アントロンの弁護士役のジョシュア・ジャクソンといった演技派が脇を固め、俳優達の素晴らしい演技にうならずにはいられません。

『ボクらを見る目』見どころ

実話をベースにドラマ化

1989年4月19日に起きた「セントラルパーク・ジョガー事件」をベースにドラマ化。計4話と短いシリーズですが、1話は約60分あり最終話は90分と長く、まるで映画4本分を見るくらいの重厚感があります。

人間の偏見がいかに醜く恐ろしいかを目の当たりにするようで、偏見が冤罪を生み無実の人の人生を狂わせてしまう怖さを描いています。

自白以外に有力な証拠は何一つないまま、ずさんな警察の捜査がまかり通る現実が信じられません。司法は人を守り警察は犯人を見つけ事件を解決するべき場所なのに、それが何も行われていない現実の怖さを突き付けられます。

警察のずさんな捜査

ドラマ内で描かれる警察のずさんな捜査に、目を疑ってしまうはず。有色人種だからという理由でまだ未成年の少年たちを親の同伴なしで拘束して尋問し、自白を強要するなど言語道断です。

そんな行為がまかり通ることに怒りを覚え、一人の人間だけでなく周りの家族も巻き込んで破滅させた警察と裁判所は余りにも酷い…。

本作は彼らの裁判の行方と刑務所での生活、出所後の様子が語られていきます。少年達は無罪を訴え、やっていない罪は認めないと最後まで無罪を主張します。

刑務所での酷い扱いや、出所後の行き場のなさなど理不尽過ぎて憤りを感じずにはいられません。

セントラルパーク・ファイブ

「セントラルパーク・ジョガー事件」の犯人として全米にその名を知られることになった5人の少年達は、「セントラルパーク・ファイブ」と呼ばれます。

HBO制作のドラマ『ビッグ・リトル・ライズ』では殺人事件の中心になるセレブ妻5人を「モントレー・ファイズ」と呼んでいましたが、「セントラルパーク・ファイブ」に引っかけたニックネームなのかもしれません。

ブラック・ライヴ・マター

「セントラルパーク・ジョガー事件」に反応したのが不動産王のドナルド・トランプで、彼は新聞の一面を買い上げ5人の少年が逮捕された暴行事件に対して、”死刑を復活させよ”と広告を出します。

劇中でもトランプのインタビュー映像が流れており、彼がこの事件に大きな感心を寄せていたことが伺えます。当時少年達の不法逮捕を訴えて、ニューヨークでは反対デモが起こっていました。

このドラマが配信されたのが2019年で、その時ドナルド・トランプはアメリカ合衆国の大統領というのが何とも皮肉…。

警察に不当な扱いを受けて死亡した黒人男性を巡って、全米ならず世界中で’’ブラック・ライブ・マター”のデモが起こったのは記憶に新しいところ。まるでドラマが現実になった、デジャヴを見ているような感覚に陥ってしまいました。

2020年代になっても1980年代の「セントラルパーク・ジョガー事件」から、世の中は何も変わっていないのでは?と感じずにはいられません。


エミー賞を受賞!本作をきっかけに主演俳優達が躍進

本作は世界中で高い評価を受け、第71回エミー賞のリミテッドシリーズ部門の作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞など計16部門でノミネート。

16歳だったため成人刑務所に服役したコーリー・ワイズを演じた、ジャレル・ジェロームが主演男優賞を受賞しました。その後ジャレル・ジェロームは、Netflix映画『コンクリート・カウボーイ: 本当の僕は』に出演。

レイモンド役の マークィス・ロドリゲスは『モダン・ラブ』のシーズン2、ケヴィン役のアサンティ・ブラックは『THIS IS US』のシーズン4に出演するなど、本作への出演をきっかけに俳優として大きく飛躍しています。

『ボクらを見る目』まとめ

すごく重いシリアスなドラマですが、冤罪という重荷を背負って生きることになった少年達の痛みを描き心をえぐられるようなドラマです。

ブラック・ライブ・マターのデモが起こるなど、現代になっても人種問題は根強く残っているだけにぜひ多くの方に観てほしい傑作ドラマです。