『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』超おすすめ!製薬会社の闇を暴く、スリリングな実録ドラマ

出典:https://www.hotstar.com/

『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』は、Disneyプラスで配信中のノンフィクション小説を基に製作された実録ドラマ。オピオイド鎮痛薬で人生が大きく変わってしまった人々と、製薬会社の闇を暴く見応えたっぷりのドラマです。本作のキャストや見どころなど、ネタバレなしでレビュー!



『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』あらすじ

アメリカのパーデュー製薬は依存性の高いオピオイド鎮痛薬「オキシコンチン」を発売し、営業員達に町医者に売り込むようにと指導する。

パーデュー製薬は「オキシコンチン」が依存性が高いと知りながら、FDA(食品医薬品局)の職員を取り込みラベルに「依存する人は1%未満」と記載する。

営業員の一人ビリー・カトラーはサミュエル・フィニックス医師の診療所を訪れ、オキシコンチンを勧める。診療所のあるアパラチアは炭鉱の町で事故や怪我人が多く、効果のある鎮痛薬が求められていた。

フィニックス医師は患者にオキシコンチンの処方箋を与えるが、オキシコンチンを使用した患者達は次々と依存していき町は治安が悪化し犯罪が蔓延するようになる。

DEA麻薬取締局の捜査官ブリジット・マイヤーはオキシコンチンの依存性に注目し、司法省に勤めるリック・マウントキャッスルとランディ・ラムゼイヤーもオキシコンチンについて調べ始める。

その依存性の高さは尋常ではなく、オキシコンチンがアメリカ全土を次第に蝕んでいく…。

『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』を視聴した感想

想像以上におもしろくて見応えがありました!最近海外ドラマでオピオイド問題がエピソードで登場することが多く、何となく分かっていたようで全然分かっていなかったな、と本当に視聴してよかったと思える素晴らしいドラマでした。

淡々とした展開の実録ドラマもあるなか、本作は『グッドモーニング、ベトナム』『レインマン 』を手掛けたバリー・レヴィンソンが監督しているだけあり、エンターテイメント性を備えているのもよかったです。

製薬会社の闇を暴いていくスリリングな展開と、オピオイドに依存していく人達の物語を絶妙に絡めてイッキに最後まで見てしまうおもしろさでした。

オキシコンチンに蝕まれていく人たちの物語があまりにも痛々しくて、オキシコンチンの恐ろしさが画面からしっかりと伝わってくるリアルな描写も見どころです。

金儲けしか頭にない製薬会社の幹部達を見ていると、憤りを感じて闇討ちしたくなってくるレベル…。

イケル・キートン演じるフィニックス医師があまりにも理不尽過ぎて途中で見るのが辛くなりましたが、彼の圧倒的な演技に感嘆してしまいました。

全編を通して危険な薬物と知らずに処方されるという、絶対にあってはならない事実の重さが伝わって来ます。

痛みが消えるはずの薬がアメリカに痛みをもたらすという皮肉な結果となり、二度と同じことが起きないようにと願うばかり。実話を基にしたおもしろいドラマが観たい、という方にぜひおすすめです!


『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』キャスト

サミュエル・フィニックス(マイケル・キートン)

炭鉱の町で診療所を営む医師で、妻を癌で亡くした男やもめ。パーデュー製薬の営業員ビリーと親しくなり、オキシコンチンを勧められ患者に処方箋を出す。

リチャード・サックラー(マイケル・スタールバーグ)

パーデュー製薬の幹部で、サックラー家では厄介者扱いされている。オキシコンチンの発売を推し進め、オキシコンチンの爆発的な売り上げと共に社内での地位を築いていく。

ブリジット・マイヤー(ロザリオ・ドーソン)

DEA麻薬取締局の捜査官。処方薬の鎮痛剤が地域を汚染している事実にいち早く気付き、オキシコンチンについての調査を進める。

リック・マウントキャッスル(ペーター・サースガード)

司法省の検事補。オキシコンチンの浸透による地域の治安悪化に注目して調査し、パーデュー製薬を起訴すべく奔走する。

ランディ・ラムゼイヤー(ジョン・フージナッカー)

マウントキャッスルの同僚で、司法省の検事補。前立腺がんを患いながらも、パーデュー製薬を起訴すべくマウントキャッスルと共に調査に没頭する。

ビリー・カトラー(ウィル・ポールター)

パーデュー製薬の営業員で、フィニックス医師と親しくなる。オキシコンチンについて最初は疑いを持っていなかったが、次第に製薬会社の隠蔽を疑うようになる。

ベッツ・マラム(ケイトリン・デヴァー)

鉱山で働く若い女性で、仕事中に背中を痛めフィリックス医師にオキシコンチンを処方される。オキシコンチンに依存するようになり、家族を心配させる。

 

『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』見どころ

オピオイドの恐ろしさが分かる実録ドラマ

本作は全編を通じて。オピオイド系鎮痛薬「オキシコンチン」の恐ろしさを描いています。オピオイドは鎮痛や陶酔作用があり、本来は手術や癌などの強い痛みに使用される鎮痛剤です。

本作ではその強いオピオイドが頭痛や歯痛といったものに処方され、多くの依存者を出しオキシコンチンの中毒者が薬局を襲うなど治安の悪化に繋がっていきます。

依存性の高い鎮痛剤とは知らずに処方され、知らぬうちに依存して抜け出せなくなっていく過程が本当に恐ろしい。

学生や主婦など普段麻薬と関わりのないような人達が中毒になり蝕まれていき、依存した本人だけでなくその家族や周りの人達まで破滅させていく事実に憤りを感じてしまいます。

製薬会社の闇

オキシコンチンがここまで全米を蝕む発端となったのが、製薬会社の金儲け主義。会社として売り上げが大事なのは理解できるけれど、人命を脅かすような危険な薬物を隠蔽して世に送り出すとは言語道断です。

FDA(食品医薬品局)との癒着や政府と製薬会社のズブズブの関係など、製薬会社の闇を暴いていく展開が何ともスリリング。

一家から厄介者扱いされているリチャードがオキシコンチンの販売を推し進める裏には、家族の確執があるなどそのあたりの物語も興味深い。どこか気味の悪さを感じさせるリチャードを演じた、マイケル・スタールの演技が怪演でインパクトがありました。

製薬会社の闇の深さを思い知らされ、その全貌に鋭く切り込むスリリングな展開から目が離せません。

人生を狂わされる人々の物語

製薬会社の闇を暴いていく展開と共に描かれるのが、オキシコンチンに人生を狂わされる普通の人々の物語。

フィリックス医師、パーデュー製薬の営業員カトラー、オキシコンチンに依存するベッツ、DEA捜査官のマヤ、マウントキャッスルとラムゼイヤー、とそれぞれの物語が絶妙に絡んでいくのがおもしろい。

製薬会社の闇、人々の物語、DEAと検事局の調査を軸に、視聴者を飽きさせることなく最後までぐいぐいと引き込んでいく素晴らしい脚本に脱帽です。

マイケル・キートンの演技

本作でフィリックス医師を演じる、マイケル・キートンの演技がとにかく圧巻!

フィリックス医師は町の人々の健康のために尽力する素晴らしい先生ですが、危険な鎮痛剤と知らずに町の人々に処方してしまったことから悲劇が起こってしまいます。

その後悔の念と償おうと努力する姿が痛々しく、理不尽過ぎて思わず涙してしまいます。

マイケル・キートンはこの演技でゴールデングローブ賞リミテッドシリーズ男優賞を受賞し、受賞も納得の素晴らしい演技は一見の価値ありです。



『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』のネット上での評判は?

『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』まとめ

オピオイドの恐ろしさをリアルに描いた実録ドラマの秀作として、ぜひ多くの人に観てほしい海外ドラマです。

エンターテイメント性も十分で、スリリングな展開とぐいぐいと引き込んでいくストーリーであっという間に全8話を見終えてしまいました。

見応えのあるシリアスなドラマが好きな方や、おもしろい実録ドラマがを観たいという方におすすめです。

 

 

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