『アンダー・ザ・ヘブン 信仰の真実』モルモン教区で実際に起きた殺人事件を基に描く、戦慄のサスペンス・ドラマ!

出典:https://www.hotstar.com/

実際の事件を基に描いたベストセラー小説をドラマ化した、アンドリュー・ガーフィールド主演の戦慄のサスペンス。モルモン教区内で起きた事件を調べるうちに、自らの信仰心が揺らいでいく刑事の葛藤を描く重厚なドラマです。本作のキャストや見どころなどを、ネタバレなしで早速チェック!



『アンダー・ザ・ヘブン 信仰の真実』あらすじ

ジェブ・パイアリーは、敬虔なモルモン教信徒の刑事。ある日一本の電話を受け殺人事件の現場へ向かうが、現場は直視できないほどの酷い状況で女性と1歳の女児が惨殺されていた。

被害者のブレンダの夫アレンが容疑者として事情聴取を受けるが、アレンはLDS(末日聖徒)の名家ラファティ家の出身で、話を聞くうちにモルモン教原理主義(FLDS)の関りが濃厚になっていく。

パイアリーと相棒のダバ刑事はアレンの証言からラファティ家を調査し、名家の知られざる秘密が明らかになっていく。

捜査が進むにつれモルモン教に対する疑問が起こり、パイアリーの自らの信仰が揺らいでいくことになる。

『アンダー・ザ・ヘブン 信仰の真実』を視聴した感想

宗教がテーマなだけにとっつきにくい印象があるかもしれませんが、ものすごく重厚で見応えのあるドラマでした。本作を観て信仰とは宗教とはどうあるべきものなのかについて、改めて考えさせられます。

ある一部の狂信的な信者がカルト的な思想に走る姿を描き、この人達は完全に頭がおかしい!と思うくらいの狂気的な恐ろしさを感じました。

敬虔なモルモン教徒の刑事が、事件を調査するうち自身の信仰心を試されていく過程も興味深い。

殺人事件の捜査、物語の中心となるラファティ家の物語、モルモン教を創立したジョセフ・スミスの物語をシンクロして描き、骨太で重厚なドラマに仕上がっています。

ジャンルは異なりますが、Netflixドラマの『アンオーソドックス』(ユダヤ教超正統派を描いたドラマ)を観たときと同じようなものを感じました。

『トゥルー・ディテクティブ』などの、見応えのあるサスペンス・ドラマが好きな方におすすめです!


『アンダー・ザ・ヘブン 信仰の真実』キャスト

ジェブ・パイアリー(アンドリュー・ガーフィールド)

敬虔なモルモン教徒の刑事。モルモン教徒の母子が殺害された事件を調べるうちに、自らの信仰が次第に揺らいでいく。

ビル・タバ(ギル・バーミンガム)

パイアリーの相棒で、ネイティブ・アメリカンの血を引く刑事。95%がモルモン教徒の町で疎外感を感じながらも、パイアリーと協力して捜査を進める。

アレン・ラファティ(ビリー・ハウル)

妻のブレンダと娘を殺され、容疑者として事情聴取を受ける。名家ラファティ家の出身だが、家族の信仰心についていけなくなる。

ブレンダ・ラファティ(デイジー・エドガー・ジョーンズ)

アレンの妻でオハイオ州出身。テレビのニュースキャスターを目指していたが、結婚したことでキャリアが中断する。ラファティ家の問題に対処しようとして、一家から反感を買う。

レベッカ・パイアリー(アデレイド・クレメンス)

パイアリーの妻で、敬虔なモルモン教徒。パイアリーの認知症の母親の面倒を見ている。殺人事件の捜査で、夫の信仰心に変化が起きていることを感じ取る。

ロン・ラファティ(サム・ワーシントン)

ラファティ家の長男で、建設業で成功を収めている。妻との関係が上手くいかず、それが後に大きな問題を引き起こす。

ダン・ラファティ(ワイアット・ラッセル)

ラファティ家の次男で、モルモン教原理主義(FLDS)に傾倒していき危険な思想を抱くようになる。父親の宣教活動の間、一家の長の役目を任される。

ロビン・ラファティ(セス・ナムリッチ)

ラファティ家の三男で、ダンの思想が危険だと思いながら従う。

 

『アンダー・ザ・ヘブン 信仰の真実』見どころ・解説・考察

モルモン教区で起こる殺人事件

本作はモルモン教区で実際に起きた事件を基に製作され、独特の習慣や規則を持つ閉鎖的な町での捜査は難航します。

自分がモルモン教徒だからこそこの捜査に相応しいと、パイアリーは自分の持つコネクションと知識を使って捜査に没頭していきます。

筆者はモルモン教についてほとんど知識がなかったため、モルモン教の歴史など知らない世界を知りとても興味深かったです。

モルモン教に限らず行き過ぎた思想や偏った考えは、恐ろしい悲劇をもたらすことが描かれています。

パイアリー&タバ

パイアリーは敬虔なモルモン教徒ですが、相棒のタバはネイティブ・アメリカンの血を引きモルモン教徒ではありません。

人口のほとんどがモルモン教徒の町において、タバは異色の存在で他の信徒から心無いことを言われることもあります。

タバにしてみればモルモン教の教えは普通の感覚では理解しがたく、時々頭を横に振りながらため息をつく姿が印象的です。

そんな状況でも殺人事件の経験が多いタバがパイアリーをリードし、モルモン教の規則や教えにも理解を示す器の大きさが素晴らしい。

タバがパイアリーに神や信仰にとらわれない考え方について説き、信仰の真実に目を向けろとアドバイスします。

人種や宗教が全く異なる二人ですが、事件を解決するためにお互いを信頼し協力していく二人の関係がよりドラマを引き立てます。

予言者ジョセフの物語


パイアリーが捜査する殺人事件と並行して、モルモン教を創設した予言者ジョセフの物語が語られます。

モルモン教創立の歴史やジョセフの物語が興味深く、モルモン教原理主義に傾倒していくラファティ家の物語とリンクしていきます。

ジョセフは神の啓示を受けたことから、モルモン教を創立しますが多妻婚を実践し40人の妻がいたという事実が残っています。正直この考えははおかしいのでは…?と、多くの人が疑問に思うはず。

モルモン教のそういった歴史に納得いかず、宗教から離れていく被害者ブレンダの夫アレンが言う、「個人が受ける啓示とは、結局男が自分の身勝手な欲望を神と呼んでいるだけ。それでどんなことも正当化しているだけだ。」というセリフが印象的です。

宗教が個人の受けた啓示が基になっているのであれば、その啓示の真偽を知るのは本人のみということになり、正直でっち上げや自分の欲を満たすため幾らでも作り話ができるということに…。

本作を観ると主人公のパイアリーと同じく、宗教の本質というものを疑ってしまいそうになります。

信仰とは?

本来信仰とは人々の心の救いになるものであって、人を傷つけたり脅かすものであってはならないものです。

それが本作に登場する一部の狂信的な信徒が持つ、カルト的な思想や偏った考えが恐ろしい事件を引き起こします。

ラファティ家の狂気的とも言える行動は、もはや信仰から逸脱し宗教とは呼べないものになっていくのが恐ろしい。

本作のサブタイトル「信仰の真実」が的を得ていて、まさしく内容にぴったりです。信仰とは何か?宗教とはどうあるべきものなのかについて、改めて考えさせられます。

パイアリーが核心に近づくほど知りたくなかった事実や人間関係が見えてきて、信仰心が揺らいでいく過程も見どころです。


アンドリュー・ガーフィールドがエミー賞にノミネート!

7月12日に第74回プライムタイム・エミー賞のノミネートが発表され、リミテッドシリーズ部門の主演男優賞にアンドリュー・ガーフィールドがノミネートされました。

アンドリューの演技はもちろん、ブレンダ役のデイジー・エドガー・ジョーンズ、アレン役のビリー・ハウルの演技も素晴らしかったです。キャスト達の迫真の演技も、本作の見どころになっています。

 

『アンダー・ザ・ヘブン 信仰の真実』のネット上での評判は?

『アンダー・ザ・ヘブン 信仰の真実』まとめ

ものすごく見応えがあり、興味を持って鑑賞しました。モルモン教という知らない世界を見るのは興味深かったし、重厚なストーリーとキャストの演技が本当に素晴らしかったです。

『トゥルー・ディテクティブ』などの骨太な刑事ドラマが好きな方は、絶対楽しめるはず。Disneyプラスに加入されている方は、ぜひチェックしてみてください!

 

 

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