1992年の大ヒット映画『プリティ・リーグ』をリブートした、Amazonプライム製作のドラマ。第2次世界大戦中の女子プロ野球チームを舞台に、さまざまな人間模様が描かれています。本作のキャストや見どころなどを、ネタバレなしでレビュー!
『プリティ・リーグ』概要
配信日:2022年8月12日
ジャンル:スポーツ、ヒューマン・ドラマ、LGBTQ
製作国:アメリカ
話数:全8話、1話約55分
日本語吹き替え:あり
『プリティ・リーグ』あらすじ
1943年、第2次世界大戦下のアメリカはプロ野球選手が多数出征したことで、女性だけの女子プロ野球チームを創設することになる。
カーソン・ショウはアイダホ州からシカゴへ入団テストを受けに行き、ロックフォード・ピーチズに捕手として入団が決まる。
マックスは有能な投手で入団テストを受けに行くが、黒人という理由で入団を断られてしまう。
入団テストを受けられなかったマックスは野球を続ける道を模索し、親友のクランスに励まされながら野球を続ける。
ピーチズのメンバーと共に過ごすうちカーソンはグレタと親しくなり、他のメンバーとの絆も深くなっていく。
ピーチズはチームメンバーが一丸となり、プレーオフ進出をめざし試合に挑む。
『プリティ・リーグ』感想&評価
IMDb:7.5(10点中)
おすすめ度:★★★☆☆
ストーリー:★★★☆☆
エンタメ性:★★★★☆
感動:★★★☆☆
映画版を既に視聴していたため、あまりの違いに正直面食らってしまいました。
映画版は純粋に野球をテーマにしていましたが、ドラマ版はかなりLGBTQを意識した内容で現代版にアップデートしたという印象です。
野球とLGBTQのどちらが本テーマなのか分からないくらいでしたが、これはこれでおもしろかったです。映画版が1992年の作品なので、30年経つとこんなにも変化するものなのかと時代の流れを感じました。
ピーチズに入団するカーソンとチームの人間模様、入団できなかった黒人のマックスの2つのストーリーが大軸で描かれ、野球とLGBTQが二人のストーリーをつなげるという構成です。
それぞれの人間模様がおもしろかったし、1940年代という女性が表立って活躍することがなかった時代に、自分たちの道を切り開いていく女性の強さを描いていて見応えがありました。
1940年代のファッションや車がおしゃれで、アメリカンレトロが好きな方は思わず画面に見入ってしまうはず。映画版を視聴した方もしていない方も、どちらにも観て欲しいおすすめドラマです。
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『プリティ・リーグ』キャスト
カーソン・ショウ(アビ・ジェイコブソン)
アイダホ州出身で夫のチャーリーは戦争に出征中。ピーチズの捕手として入団が決まり、チームメンバーのグレタと親しくなる。
グレタ・ギル(ダーシー・カーデン)
華やかで目立つタイプだが、いざというときにおじけづく性格。ピーチズに入団し、チームメイトのジョーとは長い付き合いの親友同士。
マックス・チャップマン(シャンテ・アダムス)
野球が大好きな投手で、女子チームの入団テストを受けに行くが黒人という理由で断られる。野球を諦めきれずにチャンスを掴むため、野球チームがある工場で働き始める。
クランス・モーガン(Gbemisola Ikumelo)
マックスの親友でコミックが大好き。マックスに野球を続けるようにと、いつも励ます明るい性格。
トニ(Saidah Arrika Ekulona)
マックスの母親で美容院を経営している。マックスが店を継ぐことを望み、野球をすることに反対している。
チャーリー(パトリック・J・アダムス)
カーソンの夫でヨーロッパに出征中。妻が女子プロ野球チームに入ったことを知らない。
『プリティ・リーグ』見どころ・解説・考察
ロックフォード・ピーチズは実在する?
映画版とドラマ版の両方に登場する女子プロ野球チーム「ロックフォード・ピーチズ」は、実在した女子野球チームです。
1943年〜1954年まで全米女子プロ野球リーグに属し、イリノイ州ロックフォードを代表するチームでした。
ユニフォームはロックフォードの市章を胸にあしらった桃色の服に赤い靴下と帽子の組み合わせで、映画とドラマも本物のユニフォームと同じものになっています。
『プリティ・リーグ』のオフィシャル・インスタグラムに登場しているのは、現在95歳のメイベル・ブレアさん。ブレアさんは1943年に創設された野球連盟に参加した600人以上の女性の一人で、シカゴのプロソフトボールリーグで活躍した人物です。
野球ではなくソフトボールチームに属していましたが、ブレアさんはリーグの物語や野球界の女性の普及に尽力し、イリノイ州ロックフォードにある国際女性野球センターの創設者でもあります。
2022年ブレアさんは『プリティ・リーグ』のプロモーション中に、レズビアンであることを公にカミングアウトしています。
女性の活躍
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本作はたくさん見どころがありますが、何よりもうれしいのが女性の活躍を描いてることろ。
1940年代という女性が表で活躍することが少なかった時代に、プロ野球で活躍し全米を沸かせた女性たちがいたことは同じ女性としてすごくうれしく感じます。
野球チームなのに、フルメイクやスカートのユニフォーム、しとやかさを求められるなど葛藤してしまう部分もたくさんありますが…。
邦題の『プリティ・リーグ』もここまで内容を変えるなら、映画版と同じタイトルにする必要はなかったのでは…?特にストーリーを大きくLGBTQに寄せるなら、タイトルにプリティをつけるのは適さない気もします。
それでも自分らしく野球をプレイする女性たちの強さと勇気が清々しく、試合中の野次が次第に応援に変わっていくところは感動してしてしまうはず!
多様性を意識した内容
映画版と大きく異なるのが、多様性を意識した内容になっていること。
映画版はほぼ白人のキャストでLGBTQの要素も全く登場しませんが、ドラマ版はかなりマイノリティのキャラクターとLGBTQに配慮した仕上がりになっています。
1940年代という設定からもここまでLGBTQに寄せる必要があったのかという印象も受けましたが、上記に登場するブレアさんがレズビアンをカミングアウトしていることからリアリティを感じました。
多様性が求められるアメリカのエンタメ界では、女子野球チームというベースはクイアを描くのには最適の素材だったとも言えます。
映画版を観た方はおそらく途中から面食らってしまうかもしれませんが、同性愛で逮捕される時代に生きる人々の葛藤を描き、見応えのある仕上がりになっています。
二人の女性のストーリー
The cast and creators of ‘A League of Their Own’ open up about swinging for the fences with their new TV series. https://t.co/hfHRdqmpJM
— Entertainment Weekly (@EW) August 11, 2022
本作のメインの物語として登場するのが二人の女性、カーソンとマックスです。
カーソンは夫が出征中に入団テストを受け野球チームに入ったことから、今までとは違う自分を発見していきます。
マックスは黒人という理由で入団テストを断られ、野球を続けるための道を模索し続けます。
二人の女性の野球を愛する心と夢を実現していく過程が描かれ、そこにLGBTQの要素が上手く絡んでいくのがおもしろい。
個人的にはマイノリティで差別されるマックスの葛藤と、マックスを応援する親友クランスの友情がとっても素敵で大好きです。
カーソンとマックスだけでなく、本作に登場する女性全てにエールを送りたくなること間違いなし♪
映画版を見ていなくても楽しめる?
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映画版を視聴しなくても全く問題なく楽しめます、というか映画版を観ずに真っ白な状態でドラマ版を観た方がいいような気もします。
映画版とかぶるキャラクターが何人か登場し、映画版からはロージー・オドネルがドラマ版に出演しています。
映画版はトム・ハンクス、マドンナ、ジーナ・デイビスといったオールスターキャストなのも見どころで、ぜひ観て欲しいおすすめ作品です。
映画版とドラマ版の違いの大きさを、チェックするのもおもしろいかもしれません。
『プリティ・リーグ』のネット上での評判は?
「プリティ・リーグ (A league of their own)」鑑賞。
最後の試合は泣いちゃったな🥲
選手は”女性らしさ”を売り出すためのプロパガンダに利用され、野球だけに集中できないシビアな活動を強いられていた。
当時のゲイカルチャーも語られ、中にはトランスジェンダーの方もいた事が分かる。 pic.twitter.com/QQNjMJxMz2— たっツん (@kuderenyat) August 13, 2022
プリティリーグあんまり話題に上がらないけどめちゃ面白いよ!! > RT
— ライトK (@light__k) August 10, 2022
『プリティ・リーグ』まとめ
正直思っていた内容と大きく異なり驚きましたが、現代版にアップデートされた『プリティ・リーグ』もおもしろかったです。
性差別、人種差別、同性愛者差別がまかり通っていた閉鎖的な時代に、野球を通して自分の本当の姿と生きる道を見つけていく女性たちの活躍は清々しい気持ちにさせてくれます。
Amazonプライムに加入されている方は、ぜひチェックしてみてください♪