『ベター・コール・ソウル』シーズン6第13話:ついに最終話、ソウルの物語の結末は⁉

出典:https://gamerant.com/

ついにファイナルシーズンに突入した『ベター・コール・ソウル』。大ヒット作『ブレイキング・バッド』の前日譚ドラマは、シーズンを重ねるごとに本家へと近づいていくのも見どころです。シーズン6はNetflixにて毎週火曜日に配信されます。第13話のあらすじや見どころを早速チェック!(エピソードの解説などネタバレを含むため、シーズン6を視聴されてから読むことをおすすめします。)



『ベター・コール・ソウル』概要

製作・配給:製作AMC 配信Netflix
配信日:2015年2月8日
ジャンル:犯罪、サスペンス、ヒューマン・ドラマ
製作国:アメリカ
話数:全63話、1話約45~50分(全6シーズン)
日本語吹き替え:あり

『ベター・コール・ソウル』シーズン6第13話あらすじ

マリオンに通報されソウルは慌てて自宅へ戻り、必要な品を持って逃亡するがあえなく警察に捕まってしまう。

拘置所からビル・オークリーに電話し、共同弁護人になってほしいと依頼する。ソウルはマイクやウォルターと、タイムマシンについて会話したことを思い返していた。

キムは法律事務所の無料相談のボランティアをすることになり、ソウルは刑務所へ移送される。

裁判官が司法取引の内容と求刑内容を判断する場で、キムが見守るなかソウルは司法取引の供述内容と異なることを話し始める。

『ベター・コール・ソウル』シーズン6第12のレビューはこちらをチェック↓

『ベター・コール・ソウル』評価

ROTTEN TOMATOES:批評家スコア98% 視聴者スコア96%
IMDb:8.9(10点中)
おすすめ度:★★★★★
ストーリー:★★★★★
エンタメ性:★★★★☆
感動:★★★★☆

『ベター・コール・ソウル』シーズン6第13話 見どころ・解説・考察

※第13話とシーズン6の完全ネタバレを含むため要注意

タイトルの意味

最終話の邦題は「さらばソウル」、原題は「Saul Gone」と、何だか不吉なタイトルで嫌な予感…と最初は思ってしまいました。観終わった後はなるほど、そういう意味だったのかと納得。

ソウルは最終話で何度も自分の名前は、ソウル・グッドマンではなくジミー・マッギルだと訂正しています。法廷では周りの予想に反して司法取引の供述とは全く逆のことを話し、自分の罪をすべて認めました。

法廷に現れるときはソウルが好むド派手なスーツを着て登場しますが、あえてソウルのスーツを着て罪の告白をするのは、自らソウルを抹消してジミーに戻るためと言えるのではないでしょうか。

ここで裁判官にグッドマンさんと呼ばれますが、「私はマッギルです、ジェームズ・マッギル」とさらに訂正しています。

法廷の場はソウルの懺悔の告白のようになりましたが、法廷にいたマリーやスティーブ・ゴメスの妻もソウルが罪を認めたことで少しでも救われたのでは思います。

タイムマシンと後悔


ソウルがマイクとウォルターと、タイムマシンについて語ったことを思い返すシーンが登場します。

ソウルはマイクにタイムマシンがあったらどこへ行くかと尋ね、マイクは「賄賂を受け取ったとき」と答え自分の後悔の気持ちを表します。

一方ウォルターは大学時代に友人と設立した会社グレイマターを去ったときに戻りたいと答え、自ら成功を手放したことへの煮え切らない思いを語る自己中心的な回答でした。ウォルターに結局聞きたいのは、後悔についてだろ?とキレられてしまいます。

最終話では兄チャックとのフラッシュバック・シーンが登場し、そこで映されるのがチャックが持っていたHG・ウェルズの「タイムマシン」の本。

ソウルが一番後悔しタイムマシンで戻り修正したいのは、チャックから大切なものを奪い自殺へと追い込んでしまったことです。

法廷のシーンでもソウルはウォルターのビジネスを手伝ったことに加え、チャックを追い込んでしまったことを懺悔するように告白しています。

ソウルの人生で一番の後悔が、チャックの持っていた「タイムマシン」の本と結び付けられています。

エンディングの意味

出典:https://meaww.com/

最終話のエンディングは、観る人によってさまざまな解釈ができる終わり方でした。

刑務所でソウルとキムが再会し一緒にタバコを吸うシーンでは、モノクロームの映像のなか唯一タバコの火だけ色がついていて、二人の関係を表しているようでした。

タバコに火をつけるキムの手をソウルが包み込むように握っていたのも印象的で、どこかぎこちなくも温かみのあるシーンだったように思います。

ソウルが刑務所で86年という刑期を務めるのは、ハッピーエンドではないかもしれません。それでもソウルが一番望んでいたキムとの和解が実現したことは、ある意味ハッピーエンドと言えるのかも。

去っていくキムをじっと見つめるソウルの視線がなんとも悲しげですが、最後に指で鉄砲を撃つ真似をしてキムに合図を送ります。このジェスチャーは二人の間でよく交わされていたもので、キムもさりげなく指を鉄砲の形にしていました。

悲劇ではないけれどハッピーでもない、グレーな終わり方はまるでジミーの時間軸の色彩のようでもあります。果たしてキムは再びソウルを訪ねに行くのでしょうか?筆者は絶対にまた会いに行くと思います。

最終話の一番最後のシーンは、キムがソウルを振り返るシーンで終わっています。女性は好きな人や想いのある人、気になっている人との別れ際は、必ず振り返るんですよね。

キムがソウルを振り返ったのはソウルは今でも大切な人で、これからも気にかけていく存在という表現だったように思います。キムが振り返ったということは、二人の未来に希望が持てるということかもしれません。

ちなみに全く違う別バージョンのエンディングも用意されていたそうですが、最終話の脚本と監督を務めたピーター・グールドは比べてみて配信されたバージョンを選んだそうです。


ボブ・オデンカークの次回作は?

ボブ・オデンカークの次回作は、『ブレイキング・バッド』『ベター・コール・ソウル』を製作したAMCのドラマ『ストレートマン』に決定しています。

1997年のリチャード・ルッソの小説が原作になっており、ペンシルバニアの大学の英語学科を舞台にした中年の危機を描いたコメディドラマです。

オデンカークは50代の元小説家ヘンリー・デヴローJr.を演じ、学科の削減や自身の家庭の問題に直面することになります。

『ストレートマン』はHBOドラマ『シリコンバレー』で監督プロデューサーを務めたアーロン・ゼルマンと、『ジ・オフィス』のトビー役ポール・リーバースタインによって脚色されています。

オデンカークは主演のほか、妻でプロデューサー兼タレントエージェントのナオミ・オデンカーク、『ブレイキング・バッド』『ベター・コール・ソウル』のエグゼクティブ・プロデューサーのマーク・ジョンソンと共に製作総指揮を担当する予定。

オデンカークが主演した映画「Mr.ノーバディ」の続編も進行中です。

ヴィンス・ギリガンの次の新番組は?

『ベター・コール・ソウル』が最終回を迎え、同シリーズのクリエイターであるヴィンス・ギリガンの次回作がどのようなものになるか気になるところ。

ギリガンは『ローンガンマン』や『X-ファイル』といった番組でTVのキャリアをスタートし、『ブレイキング・バッド』を製作する前に技術を磨きました。

米サイトDeadlineによると、ギリガンはソニー・ピクチャーズTVが提供する次のテレビプロジェクトの買い付けを開始する準備をしており、アルバカーキの犯罪の裏社会から大きくシフトすることになると語っています。

新番組はギリガンが『Xファイル』を手掛けていた頃に戻り、『X-ファイル』や『トワイライト・ゾーン』のような番組になるとのこと。

ギリガンは『ブレイキング・バッド』の世界に戻ることはいつかはあり得るが、「一本調子」にはなりたくないし、最終的には新しいことをする時期だと語っています。

『X-ファイル』でのギリガンのキャラクターワークは素晴らしく、過去2作で彼がより地に足の着いた現実を描いてきたことを考えると、SF的でジャンルを超えた領域への挑戦は楽しいものになるはずです。


『ベター・コール・ソウル』がさらにおもしろくなるトリビア

『ベター・コール・ソウル』をより深く理解するためのトリビアを、米サイトSCREENRANTから紹介します!

最終話でのタバコの炎の色の意味は?

出典:https://filmyhype.com/

シーズン6ではジーンの時間軸は全てモノクロ映像になっていましたが、最終話でキムとソウルが刑務所で一緒にタバコを吸うシーンでは、ライターの炎とタバコの火だけ色がついていました。

一瞬見逃してしまいそうな小さな部分ですが、このシーンでは演技の邪魔にならないよう、極めて微妙なディテールにしたことをクリエイターのピーター・グールドは説明しています。

「ボブやレアの素晴らしい演技に注目してもらい、技術的な作為に惑わされないようにしたかったんです。

これは彼の世界における唯一の色彩であり、彼とキムの関係なのです。キムはソウルをありのままに、かつてのように見てくれる唯一の人なのです。」

グールドの説明は、ソウルとキムにわずかな希望を持たせてシリーズを終わらせたいというファンの気持ちを正当化するものです。

二人の短い和解は揺らめく炎のオレンジ色の輝きという形で、ソウルの人生に暖かさを取り戻すことができ、お互いの本当の姿を見て受け入れることができたことを示しています。

タバコと炎の色はたとえそれが二人の最後のものであっても、二人のこの瞬間を照らしている印象的なシーンになっているのです。

第12話でエミリオが出演した理由

シーズン6第12話でジェシーの友人エミリオが登場したことで、『ブレイキング・バッド』と前日譚番組とのつながりがさらに強まりました。

第12話でエミリオがソウルの弁護士事務所を訪れるシーンは、二人の最初の出会いを描いており、このシーンは『ブレイキング・バッド』の物語に不可欠な役割を担っています。

ジェシーやクレイジー・エイトと行動を共にしていたエミリオは、ジェシーのメス工場への襲撃で逮捕されることになります。

ジェシーとウォルターに裏切られたと思ったエミリオは2人の殺害を計画しますが、ウォルターはエミリオとクレイジー・エイトをキャンピングカーに乗せ、化学爆発を起こします。

これによりキャンピングカーは毒ガスで満たされ、エミリオは死にウォルターに最初に殺された人物になるのです。

エミリオの死体はバスタブで薬品で溶かされ、『ブレイキング・バッド』の最も悪名高い悲惨なシーンとして記憶に残ることになります。

エミリオとクレイジー・エイトという障害を取り除いたウォルトとジェシーは、ブルーメスの生産と販売を強化し続け、やがて弁護士を必要とするようになるという展開でした。

このストーリーの流れからも、第12話でエミリオを登場させることは必然だったと言えます。

参照記事:Emilio’s Better Call Saul Cameo Is A New Breaking Bad Record

マリオンとウォルター・ジュニア

『ブレイキング・バッド』シーズン5第14話では、DEAがウォルターを追っており、ハンク・シュレイダーが死んだためウォルターは逃げるしか選択肢がない状況になります。

ウォルターは必死に家族を集めようとするも、ウォルター・ジュニアがスカイラーをかばい、恐怖でうずくまりながら警察に電話する姿に唖然とします。

そんな家族の姿を見てウォルターはようやく自分が怪物になったことを自覚し、家から逃げ出しホワイト家を崩壊させてしまうのです。

ウォルター・ジュニアが警察に通報したのは、その日まで息子が父親のハイゼンベルクとしての活動を全く知らなかったためです。

ウォルターの子供達は彼の人生に残された唯一の純粋なものであり、ウォルター・ジュニアが彼に敵対した時点でウォルターは自分があまりにも落ちぶれたことを認識します。

『ベター・コール・ソウル』シーズン6第12話ではマリオンが怯えながら後ずさりするなか、ソウルはついに自分が怪物であることを認識し、その場から逃げ出します。

このシーンは『ブレイキング・バッド』シーズン5第14話のウォルターの反応と同じです。

ウォルター・ジュニアが警察に父親を通報したことと、ソウルが仲良くなった老婦人のマリオンに通報されることは、信頼していた人物によって大きな危機に直面することになるという意味を持っているのです。


『ブレイキング・バッド』の新たなスピンオフは製作されるのか?

ファンは次なる『ブレイキング・バッド』のスピンオフが登場するのか、とっても気になるところ。スピンオフに関するクリエイター達のコメントや、製作されるなら次のスピンオフの主役は誰になるかの予想など情報をまとめてみました!

『ベター・コール・ソウル』のネット上での評判は?

シーズン6第13話を視聴した感想

ついに最終話を迎えてしまいました!エピソード・タイトルを観たときはドキッとしましたが、いい終わり方だったと思うしいろいろな余韻が残るのも好きです。

『ブレイキング・バッド』から『ベター・コール・ソウル』の一連のアルバカーキ物語を締めくくるのに、最適なエンディングだったのではと思います。

ソウルはウォルターとは違う、というのが分かってホッとしました。大好きなドラマが終わってしまうのは悲しいですが、また時間があるときに『ブレイキング・バッド』から観なおしたいなと思います♪

 

 

 

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