ウィル・フェレルとポール・ラッド主演によるApple TV+製作ドラマ。信頼していた精神科医が自分の人生を操っていたら…?実話に基づく、見応えたっぷりのダークで怖いヒューマン・ドラマです。本作のキャストや見どころなどをネタバレなしでレビューします♪
『となりの精神科医』あらすじ
マーティは親から引き継いだ生地会社を営む内気な中年男性。緊張したり不安を感じたりしたときにパニック発作を起こすため、妹のフィリスに精神科医の診察を受けるよう勧められる。
気乗りしなかったマーティだが、精神科医のアイク・ハーシュホフの初診を受けた後、見違えるように元気になった。
アイクを信頼したマーティは毎週診察を受けるようになり、医師と患者という枠を超えプライベートでも親しくなる。
上昇志向が強く野心満々のアイクはマーティの資産を利用し、精神科医以外の活動をするようになりマーティはアイクのペースに巻き込まれていく…。
『となりの精神科医』を視聴した感想
ものすごくおもしろかったけれど、すごく怖かったというのが正直な感想です。殺人が起きるわけでもなく、サスペンスでもスリラーでもないのに何でこんなに怖いの⁉と、実話らしいリアルな展開が恐ろしかったです。
ポール・ラッド演じる悪徳精神科医が闇討ちレベルで、殺意が湧いてくるくらいむかつきます。マーティがお人好し過ぎてアイクに漬け込まれまくり、早く目を覚まして!と声をかけたくなるほど。
人の心を操作して洗脳していく過程が本当に恐ろしく、じわじわとマーティに迫る闇がものすごく深い。
本来なら癖のある役がぴったりのウィル・フェレルが気の弱いマーティ役で、お人好しの印象が強いポール・ラッドが悪役という配役も見事でした。
二人ともはまり役で本当に上手いし、会話の多い会話劇ながら一切中だるみすることなくグイグイと最後まで引き込む脚本が素晴らしかったです。
こんな精神科医に出会ってしまったマーティは不運としか言いようがありませんが、人生は出会う人で大きく変わるんだなというのを改めて見せられたように思います。
Apple TV+に加入されたら、ぜひ観てほしいおすすめドラマです♪
『となりの精神科医』キャスト
マーティ・マーコウィッツ(ウィル・フェレル)
親から引き継いだ生地会社AFCの社長。内気で自分に自信がなく、ときどきパニック発作を起こす。アイク先生に出会ったことで、自分の人生が大きく変わったと自負している。
アイク・ハーシュホフ(ポール・ラッド)
マーティの精神科医。洞察力に優れ患者の心をつかむのが上手いが、他人に付け入る傾向がある。マーティの人生を操り、彼の人生を踏みにじっていく。
フィリス・シャピロ(キャスリン・ハーン)
マーティの妹で離婚調停中。自分が進めたセラピーのせいで、マーティが悪影響を受けていくことに胸を痛める。
ボニー・マーコウィッツ(ケイシー・ウィルソン)
アイクの妻。夫を愛しているが調子に乗りやすい性格を危惧し、マーティのことを心配する。
『となりの精神科医』見どころ・解説・考察
マーティの人柄と変化
The Shrink Next Door [56] Apple TV+ Friday: https://t.co/sIPbeVroWZ
“The Shrink Next Door simply lacks the vibrant give-and-take that its subject matter suggests.” – Daniel D’Addario, Variety pic.twitter.com/RTfpIcBrJi— metacritic (@metacritic) November 10, 2021
マーティは会社の社長ながら内気で気が弱く、不安になるとパニック発作を起こしてしまいます。自分に自信がないせいで他人に利用されやすく、女性関係も寂しい限り。
独身のため、妹のフィリスの子供達を自分の子供のように可愛がっています。欠点はあっても人間的にはいい人なのに、アイクに出会ったことで影響を受け徐々に変化していきます。
妹のフィリスは兄の変化をポジティブに受け取ることができず、アイクの診察が原因で兄妹喧嘩に発展することに。
アイクがマーティの人生に与える影響の大きさが恐ろしく、いくら他の人が言ったところで、自分が自覚するまで洗脳は解けないというのがよく分かります。
マーティの払った代償はものすごく大きいですが、人間的に成長したのは確かかも…。マーティが自分の間違いにいつどうやって気付くのか、最後まで見届けたくなること間違いなしです。
アイクの人間性
Apple TV+ offers first look at ‘The Shrink Next Door’ ahead of Friday debut https://t.co/ptifx3ahgf
— AppleInsider (@appleinsider) November 11, 2021
アイクは患者の抱える問題を見事に指摘していく、洞察力に優れた精神科医です。
医師としての腕はいいものの、問題は彼の人間性。最初はアイクの的を得た指摘にすごい!と思ってしまうのですが、次第に化けの皮がはがれていく過程が何ともスリリング。
人を助けるはずの精神科医が患者に付け入り、私利私欲に走るなんて言語道断。精神科医なのにコイツ何かヤバいんじゃないの?と、じわじわと彼の正体が暴かれていくのが恐ろしい。
アイクの人間性は怖いですがキャラとしてはかなりおもしろく、彼の人間性が見どころのひとつになっています。
マーティ&アイクの関係
Paul Rudd. Will Ferrell. Eighties costumes. ‘The Shrink Next Door’ reunites a comedy dream team, but sadly, the Apple+ show is no ‘Anchorman.’ Alan Sepinwall’s review.https://t.co/ArvIkeKGcW
— Rolling Stone (@RollingStone) November 8, 2021
独身で寂しいマーティはアイク先生に心酔し、恐ろしいほどの共依存の関係に陥っていきます。医師と患者という枠を超えプライベートでも友人になったことで、二人の関係は歯止めが利かなくなることに。
見ていられないほどのズブズブの関係に頭まで浸かりきったマーティは、まさに盲目状態。一方アイクは冷静にマーティを操り、自分の駒としていいように扱い動かしていく手腕が本当に怖い。
マーティとアイクの関係が、ストーリーが進むにつれてどうなっていくのかにも注目です。
アメリカはセラピー大国
アメリカの映画やドラマを観ていると、必ずと言っていいほど登場するのがセラピーやカウンセリング。精神科医はアメリカ社会ではなくてはならない存在で、その数も日本の比ではありません。
本作はセラピーやカウンセリングを通して自分の問題に向き合い、解決していくのが当たり前のアメリカ社会ならではの物語とも言えます。
本作を観ているとまずは精神科医よりも、何でも話せる友達を作る方が大切なんじゃないか⁉と思ってしまいました。
『となりの精神科医』のネット上での評判は?
Appletvのとなりの精神科医ってドラマめちゃくちゃ面白かった。精神科医が患者の人生にじわじわ入り込んで、支配していく。実話らしい。精神科医の役がポール・ラッドで最初は優しく取り入りながら、どんどん牙を出していく、、名演過ぎた。 pic.twitter.com/lLY0RcacaZ
— さえこう (@hohoholiday1111) September 4, 2022
『となりの精神科医』完走。面白かった。こんなに長期間、信用していた相手から気持ちもお金も搾取され続けるなんて怖い話。どこまで実話なんだろう… ポール・ラッドって、こういう外面良くて本心が見えない役すごくハマってると思うな。もっと悪い役もいける! そしてキャサリン・ハーンが良い。 pic.twitter.com/E9KfczOk7w
— 𝘏𝘢𝘻𝘦𝘭 . (@Hazelley_02) March 5, 2022
『となりの精神科医』まとめ
想像以上におもしろくて見応えがありました!脚本、演出、演技全てが素晴らしく、またまたクオリティの高いApple製作ドラマに出会えてうれしかったです。
実話に基づいた海外ドラマが好きな方や、見応えのあるヒューマン・ドラマが好きな方にぜひおすすめです。Apple TV+に加入されている方は、ぜひチェックしてみてください♪