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出典元:https://www.netflix.com/
イスラエルのモサドのスパイとして、シリアに潜入した実在のスパイの人生を描いたNetflixのリミテッド・シリーズ。実話から着想を得たドラマは、リアルで見応えたっぷり!本作のキャストや見どころなどを、ネタバレなしでレビューします。
『ザ・スパイ -エリ・コーエン-』あらすじ
エリ・コーエンは百貨店で勤務していたが、生活向上のためイスラエル諜報特務庁モサドに志願したが断られていた。
ある日モサドから呼び出しを受け、シリアに潜入するスパイとしてダン・ペレグから訓練を受けることになる。
エリはスパイとしての素質を備え頭角を現していき、アルゼンチンでアル・ハーフィズ将軍と知り合い強力な後ろ盾を得る。
エリの妻ナディアはエリの本当の仕事を知らず、夫のスパイ活動中一人で育児に奮闘していた。エリはシリアに潜入し見事な仕事ぶりを発揮し、軍や政治関係者と強力なネットワークを築いていく。
『ザ・スパイ -エリ・コーエン-』を視聴した感想
実話を基に製作されただけにリアリティがあり、見応えがありました。物語としては大きな盛り上がりはなくすごく静かな印象なので、派手なスパイ・アクションを想像されている方は肩透かしを食らうかもしれません。
スパイの素質やスパイになるまでの訓練、スパイになってからの活動をていねいに描いていて、アクション・シーンがほぼないにも関わらず迫りくるようなスリル感がスゴイ!
CIAやモサドを舞台にしたドラマは多いですが、スパイになってからの活躍がメインに描かれているため、スパイになるまでの訓練や素質について描いているのが興味深かったです。
ピーンと張りつめた緊張感が常に漂い、いつエリが見つかるのかとハラハラどきどきしてしまうはず。エリが二重生活を送ることで、本当の自分が誰なのか自分自身を見失ってしまうスパイあるあるもおもしろい。
スパイの極意を学べるドラマで、派手なスパイ映画やドラマとは一味違う硬派で見応えのある仕上がりになっています。
『ザ・スパイ -エリ・コーエン-』キャスト
エリ・コーエン(サシャ・バロン・コーエン)
エジプト生まれのユダヤ教信者。エージェント88としてシリアに潜入し、カミル・アミーン・ターベットと名乗りスパイ活動をする。
ナディア・コーエン(ハダル・ラツォン・ロテム)
エリの妻。夫が政府関係の仕事をしているということ以外詳しい事情を知らず、一人で育児に奮闘している。
ダン・ペレグ(ノア・エメリッヒ)
モサドの諜報員。エリの訓練を担当し、エリの留守中にナディアの面倒を見る。
アル・ハーフィズ将軍(ワリ―ド・ズエイダー)
シリア出身の軍人。アルゼンチンでエリと知り合い、シリアに戻った後エリと強力な関係を築く。
アハメド・スイダ二(アレクサンダー・シディグ)
ハーフィズ将軍の護衛官。シリアの政府幹部にスパイがいると睨み、調査を行う。
マージ・ザハール・アジ―レ(ナシム・リエス)
シリア軍事司令官の甥。エリと親しくなり、友人関係を築く。
『ザ・スパイ -エリ・コーエン-』見どころ・解説・考察
実話から着想を得たドラマ
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本作の主人公エリ・コーエンは実在したモサドのスパイで、彼が1961年〜1965年にかけて行ったシリアでのスパイ活動を描いています。
エリが諜報員のダンに訓練される過程や、スパイとして潜入し活躍する姿は最高にスリリング。アクション・シーンがこんなに少ないのに、ここまでハラハラさせられるスパイ・ドラマはそうありません。
エリを演じるサシャ・バロン・コーエンは、『アリ・G』『ボラット』『ブルーノ』といったおバカなコメディ演技で知られるコメディ俳優です。
コメディ演技の印象が強すぎるためイメージが合わないかも?と思いましたが、シリアスなスパイ役も見事にこなしていてハマり役でした。
エリ・コーエンに関するウィキペディアを見る限り、かなり事実に忠実に製作されたようです。
参照記事:エリ・コーエン(ウィキペディア)
スパイの極意
スパイ映画やドラマはスパイの活躍を描くものが多く、スパイになる素質や訓練を描いた作品は意外に少ないです。本作はエリがスパイになるまでや、スパイの任務を初めて遂行する過程も描かれているのが見どころです。
訓練を受ければ誰でもスパイになれるというわけではなく、勘やとっさの適応能力なども必要になり「スパイの素質」がいかに大切かを学べるのがおもしろい。
規範に沿った行動が求められるものの、いざというトラブルに臨機応変に対応できる判断力が問われるわけです。それだけではなくスパイ活動に必要な人脈を作り、人々の懐に入り込むスキルも必要になります。
エリのスパイ活動を見ていると、エリがどれだけスパイに適しているかがよく分かり、スパイの極意を堪能できるのがおもしろい。
エリの二重生活
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出典元:https://www.theguardian.com/
エリはスパイ活動のときは、カミル・アミーン・ターベットと名乗り長い間二重生活を送ることになります。
カミルは高級スーツに身を包む成功した貿易商で、富がもたらす恩恵を人脈作りに活かしみるみると上の地位へと駆け上っていくことに。
成功しているカミルという人物像は架空のものですが、エリはカミルとして長い間過ごすうちに本当の自分と混同して自分自身が分からなくなっていきます。
二重生活を送るスパイによく起こる「スパイあるある」が描かれ、二重生活がもたらす危険性を描いているのが興味深い。
家族の孤独
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出典元:https://flipboard.com/
エリがモサドに応募したのは、妻のナディアにいい生活をさせるためでした。スパイとして成功し信頼を勝ち取ったエリは経済的にも安定し、ナディアも落ち着いた生活を送れるようになります。
それでもエリの留守中のワンオペ育児は大変で、エリとも長い間会えず孤独が募っていくことに…。ナディアのイスラエルでの空虚な生活と、スリル満点のエリのスパイ生活の対比が印象的。
家族の生活向上のためだったのに、結局ナディアを苦しめることになり結果としては本末転倒になってしまいます。エリがずっとイスラエルに居て、家族と一緒に過ごしていたら幸せに暮らせたのではと思えてなりません。
『ザ・スパイ -エリ・コーエン-』のネット上での評判は?
『ザ・スパイ エリ・コーエン』
アラブ系のイスラエル人が敵国シリアに潜入しスパイ活動で重要な役割を果たしていく。妻には貿易商と偽り世界を転々とするも、どこかに彼女への想いを引きずる危うさも。この人どうやら実在の人物らしい。EP2まで見たけどめちゃくちゃ面白いぞ!#Netflix pic.twitter.com/Hkfh9S2PVt— なかしん💉💉💉💉 (@naka_shin20) March 8, 2023
「ザ・スパイ :エリ・コーエン」~1960年代前半に実在したイスラエルのスパイを描いたフランス制作ドラマですが、非常によくできた作品でした。隣国シリアに潜入して国家権力中枢にまで食い込んでいく姿は実にリアル。https://t.co/yHCE4bV4SH
— Seung-il Chang(張 勝一) (@smileschang) April 2, 2023
『ザ・スパイ -エリ・コーエン-』まとめ
ドラマ全体は静かな印象の硬派なスパイ・ドラマですが、ピーンと張りつめたような緊張感とスリルがすごくよかったです。
ストーリー的にも見応えがあったし、他の派手なスパイ映画やドラマとは一味違う仕上がりになっています。スパイ・ドラマが好きな方におすすめで、Netflixに加入されている方はぜひチェックしてみてください♪