Netflixドラマ『ザ・ディプロマット』英空母爆破事件の真相は?アメリカ大使が活躍するポリティカル・ドラマ

出典元:https://www.whats-on-netflix.com/

英国大使に任命された外交官が任務と結婚生活のはざまで自らの能力を試されていく、ケリー・ラッセル主演のポリティカル・ドラマ。本作のキャスト、感想、評価、見どころなどを、ネタバレあり&なしの両方で紹介します。



『ザ・ディプロマット』概要

製作:配給:Netflix
配信日:2023年4月20日
ジャンル:政治、サスペンス、ヒューマン・ドラマ
監督:リザ・ジョンソン/サイモン・セラン・ジョーンズ
製作国:アメリカ
話数:全8話、1話約50分
日本語吹き替え:なし

『ザ・ディプロマット』あらすじ(ネタバレなし)

英空母カレイジャスが爆破される事件が起き、駐英大使としてケイト・ワイラーが駐英大使に任命される。

夫のハルと共にイギリスへ渡ったケイトは、爆破の犯人をイランの仕業だと決め付けるトロウブリッジ首相に、同調しないように米大統領を説得する。

ハルは空母爆破事件についてケイトの秘密裏で動き、彼の勝手な行動にケイトは堪忍袋の緒が切れてしまう。

ケイトは爆破事件の真相を追及すると同時に、イギリスとアメリカの間の関係維持に奔走し、夫との結婚生活でも力量を試されることになる。


『ザ・ディプロマット』感想&評価(ネタバレなし)

ROTTEN TOMATOES: 批評家スコア 89% 視聴者スコア 89%
IMDb: 7.9(10点中)
総合評価: ★★★☆☆
ストーリー: ★★★★☆
エンタメ性: ★★☆☆☆
感動: ★☆☆☆☆

本作は『グレイズ・アナトミー』や『ホームランド』を手掛けた、デボラ・カーンが脚本と製作を務めています。

すごく見応えのあるポリティカル・ドラマでしたが、登場人物が一気に出てきて第1話は情報量が多くて処理するのが大変でした。

政治外交が主軸なので戦略会議や根回しといった対策が中心となる会話劇で、字幕をしっかり見ていないとストーリーを理解するのに多少努力を要するかもしれません。

第2話目からやっとストーリーに追いつけた感じで、英空母爆破事件、イギリスとアメリカの軋轢、ケイトとハルの関係、政治の駆け引き、大使の仕事と見どころが詰まっていておもしろかったです。

筆者は『ホームランド』の大ファンなのですが、『ホームランド』のようなアクション多めの仕上がりを期待していましたが、ほぼ大使公邸やCIA局内といった建物内が舞台のため多少物足りなさもありました。

最近大ヒットした『ナイト・エージェント』くらい分かりやすく、すっきりとまとまっていたらもっと自分的には評価が上がったかも…。

アメリカでは辛口批評サイトROTTEN TOMATOESが、批評家スコア89%とかなりの高評価です。

証拠がなくはっきりと判明しませんでしたが空母爆破事件の黒幕の正体も意外だったし、二転三転するストーリーと先の読めない展開に翻弄されてしまうはず。

大使の仕事の内容を知ることができたのが、かなり興味深かったです。ロシアのウクライナ侵攻、イギリスのEU離脱、スコットランド独立運動など現実の国際問題にも言及するなど、政治に興味ある方は楽しめるはず。

ラスト・シーンで一番の盛り上がりを見せたので、シーズン2に期待したいです♪

『ザ・ディプロマット』キャスト

ケイト・ワイラー(ケリー・ラッセル)

敏腕女性外交官で駐英大使となるが、注目されることが嫌いでスピーチが苦手。夫ハルの出しゃばる性格に、いつも振り回されてしまう。

ハル・ワイラー(ルーファス・シーウェル)

ケイトの夫で政界のスター。ケイトが駐英大使となってからも影で暗躍するが、ケイトに疎まれる。

スチュワート・ヘイフォード(アトー・エッサンドー)

イギリスの首席公使。ケイトに付いて行動するうち、ケイトとハルの関係を知ることとなる。

エイドラ・パーク(アリ・アン)

CIA支局長。最初はケイトに対して心を開かなかったが、ケイトの仕事ぶりを見て信頼していく。

ビリー・アッピア(ナナ・メンサー)

アメリカ大統領首席補佐官。ケイトの中東での活躍に注目し、次期副大統領候補に推す。

オースティン・デニソン(デヴィッド・ジャーシー)

イギリス外相。イギリス首相の動向を危惧し、ケイトと問題解決に奔走する。

トロウブリッジ首相(ロリー・キニア)

イギリス首相。イギリス空母爆破事件をイランの仕業と思い込み、彼の言動が世論を動かす。

レイバーン大統領(マイケル・マッキーン)

アメリカ大統領。イギリス空母爆破事件で、イギリスとイランの間に立たされてしまう。

メグ・ロイリン(セリア・イムリ―)

イギリス首相の元選対担当。トロウブリッジ首相は、メグの言うことには耳を傾ける。

ミゲル・ギャノン(ミゲル・サンドバル)

アメリカ国務長官。ハルと折り合いが悪く、目の敵にしている。

 

↓ ※これより下はネタバレを含むため要注意 ↓

『ザ・ディプロマット』全あらすじ・ラスト結末(ネタバレあり)

英空母カレイジャスが爆破される事件が起き40名以上の乗組員が犠牲となり、爆破犯としてイランが浮上する。外交官のケイト・ワイラーは急遽駐英大使に任命され、夫のハルと共にイギリスへ渡るが、アメリカ大統領首席補佐官のビリー・アッピアはケイトを次期副大統領候補に考えていた。

ケイトは首席公使のスチュワート・ヘイフォードとCIA局長のエイドラ・パークと共に、英空母爆破事件に対処する。大使公邸内でハルは何者かに拉致されるが、拉致したイランのラソール・シャヒン外務副大臣はイランが爆破事件に関与していないと伝え、意思表明として米軍人大将のサイメスの暗殺を中止することを約束する。

イランの仕業と決めつけるトロウブリッジ首相が、過激な発言をして世論を悪い方向へ動かしてしまう。ケイトはイギリスを訪れるレイバーン米大統領に首相に同調しないようにと説得し成功するが、首相は大統領の支持が得られなかったと憤慨し英米関係に亀裂が入る。

ケイトとハルの夫婦関係は破綻しているが、ハルはケイトが次期副大統領候補であることを告げ離婚はできないと伝える。ケイトとデニソン外相はイラン大使と会い、大使は爆破事件の容疑者としてロシアの軍事会社のローマン・レンコフの名を挙げる。

イランからロシアに標的が移りイランへの攻撃が中止され戦争は回避できたが、相変わらずトロウブリッジ首相は敵大国への攻撃的姿勢を崩さず、ロシアへの攻撃を意思表示しケイト達を困惑させてしまう。ハルは国務長官のギャノンの不祥事が発覚し、彼の後任としてハルの名が挙がっていることを知る。

ケイトとデニソン外相はロシア大使と会い、ロシアがレンコフを差し出し逮捕するよう指示される。ロシアがレンコフを売るのが罠ではないのなら、ロシアも爆破事件に関与していないことになり、黒幕が誰なのか憶測が飛ぶ。

トロウブリッジ首相はリビアにいるレンコフ逮捕の作戦にしぶしぶ合意するが、フランス警察ではなく英特殊部隊が逮捕することにこだわる。ケイトとデニソン外相はレンコフの件でフランス首相と会うためパリへ行くが、ケイトはハルがギャノンの後任として国務長官の座を狙っていると知り激怒する。

フランス大統領は英首相がレンコフの逮捕は考えておらず、暗殺することを目論んでいるとケイトに話す。ケイトとデニソン外相はレンコフが死んで得をするのは、彼を雇った黒幕だけだと話し首相がレンコフを雇ったのではと疑う。

ハルは保守派のメリット・グローヴと知り合い夕食の約束をするが、グローヴの車が爆発しハルの元へ向かっていたスチュワートとハルが巻き添えになってしまう。


『ザ・ディプロマット』見どころ・解説・考察(ネタバレあり)

見応えのあるポリティカル・ドラマ

本作を観るまでは大使の仕事と言われても漠然としたイメージしかありませんでしたが、ドラマ用に脚色されてるとはいえ、こういう仕事もするのかとかなり興味深かったです。

CIAと仕事をしたり他国の大使とスパイばりの情報交換など、かなりスリルのある仕事で驚きました。特にロシア大使と情報交換するエピソードは、情報提供に証拠を残さないルールなどまるで本場のスパイのよう。

ロシアのウクライナの侵攻、スコットランド独立運動など、現実の国際問題も踏まえて見応えのある仕上がりになっています。

爆破事件でイギリスとアメリカの間に亀裂が入り、ケイトが両国を取りなすために奔走したりと本当に気苦労が多い。

それにしても駐英大使の家のすごいこと!まるでお城のようで、大使はこんなすごい家に住めるのかと驚きました。気苦労が多い分、豪華な家で英気を養う必要があるのかもしれません。

空母爆破事件の真相

イギリス空母が何者かに爆破された事件が事の発端で、ケイトやCIAが攻撃した相手の特定に奔走することになります。

最初はイランが攻撃したとの情報がありますが、ハルがイランの大臣から情報提供を受け違うことが判明し、次はロシアの軍事会社の名が挙がるなど容疑者が二転三転するストーリーがおもしろい。

ラストでトロウブリッジ首相がレンコフを雇った黒幕なのでは?と疑われますが、はっきりとした証拠はなく疑惑のまま幕を閉じました。

トロウブリッジ首相がレンコフを雇ったとしたら、逮捕だとレンコフが口を割る危険性があるため暗殺にこだわったのにも納得ですフランス警察ではなく、首相の息のかかった英特殊部隊に行かせると譲らなかったのにも説明が付きますが…。

トロウブリッジ首相が黒幕だという証拠はなくあくまでケイトとデ二ソン外相の予測の範囲ですが、現状ではレンコフが死んで得するのはトロウブリッジ首相という筋書きが理にかなっているよう。

これまで爆破犯への報復を強靭に説いてきた首相なので、逮捕だけでは面目が立たないという理由もあり得るので、証拠がない分決定打としては乏しいのは確かです。

首相はスコットランドの独立を望む独立派の気をそらし、国を団結させ分裂を避けるための策として空母を爆撃…ということだったようですが、果たして死人が出ることが分かっていながら自国の軍隊を攻撃するのか?

最後にハルと会うはずだった保守派のグローヴの車が爆破されたことを考えると、ほかの容疑者がいる可能性もあり得るかもしれません。シーズン2でどういう展開になるのか楽しみです。

ケイトとハルの関係

エリート外交官のケイトはスピーチ嫌いで人付き合いも苦手と、仕事ぶりは別にしてあまり大使としての素質は備わっていません。

結構自己中で我が道を行くタイプは、『ホームランド』のキャリーとダブるところがあります。政界のスターの夫ハルとの関係も微妙で、離婚は時間の問題。

ケイトの背後で勝手に動いて好き勝手するハルに心底嫌気が指していて、全く信用していないのにセックスはするというのがどうも理解できませんでしたが…。

ハルがケイトと離婚したくないのはケイトが次期副大統領候補だからで、自分自身も国防長官の後任を狙っています。常に策略を巡らし暗躍するタイプで、最初筆者はハルが爆破事件の黒幕なのでは?と疑ってしまうほど彼の行動すべてが胡散臭い。

それでも政界のスターらしく彼の言動や策略で物事が大きく動くことも事実で、ハルの政治スキルは相当なもの。ハルのあまりの優秀さに、ケイトがハルに嫉妬していると思われるほどです。

ある意味似た者夫婦とも言え、似ているからこそ磁石のプラスとプラス同士のように反発してしまうのかもしれません。ケイトとハルの摩訶不思議な夫婦関係は理解に苦しむところもありますが、ドラマの見どころのひとつとなっているのは確かです。


シーズン2へ更新決定!シーズン2のストーリーはどうなる⁉

※シーズン1のネタバレを含むため要注意

Netflixは『ザ・ディプロマット』を、シーズン2へ更新したことを発表しました。

ー週目で『ザ・ディプロマット』は『ナイト・エージェント』を退け、その週のテレビシリーズの第1位を獲得。配信からわずか2週間で次シーズンへの更新が決定し、本シリーズがいかに成功しているかが分かります。

シーズン1は、保守党の議員メリット・グローブを狙った自動車爆弾テロで幕を閉じました。

ケイトとデ二ソンは英首相がレンコフをずっと操っていたと推理していますが、この事実がシーズン2への布石となるはず。

ケイトとハルの微妙な関係も引き続き描かれのは明らかで、シーズン1の最終話では、ケイトがハルが国務長官の座を争っていることに気づき、2人の結婚生活に新たな亀裂が入ることに…。

ハルは自動車爆弾テロの目撃者でもあり、2人の間にさらに大きな壁ができたにも関わらず二人が再び協力しなければならなくなりそうです。

空母爆破事件の犯人は推理段階で真相はまだ闇の中なので、シーズン2では空母爆破事件の真相と共にグローブを狙った自動車爆弾テロ、ケイトの副大統領候補の件、ハルの国防長官の座などが詳しく描かれると思われます。

『ザ・ディプロマット』のネット上での評判は?

『ザ・ディプロマット』まとめ

見応えのあるポリティカル・ドラマで、政治や外交に興味がある方は好きかと思います。『ホームランド』のようなアクションやスリルを期待していると、ちょっと違うと感じるかもしれません。

政治の駆け引きや黒幕の正体など二転三転するストーリーを楽しめるので、Netflixに加入されている方はぜひチェックしてみてください♪

 

 

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