Amazonドラマ『戦慄の絆』全てを共有する双子姉妹の運命は?実話を基にした戦慄のドラマ

出典元:https://www.tvinsider.com/

デヴィッド・クローネンバーグの同名映画を基に製作された、レイチェル・ワイズが一人二役に挑戦している戦慄のドラマ。全てを共有する一卵性双生児姉妹の産婦人科医が、次第に関係のバランスを崩していく戦慄の物語。本作のあらすじ、キャスト・感想・評価・見どころ・結末解説などを、ネタバレあり&ネタバレなしで紹介します。



『戦慄の絆』概要

製作・配給:Amazon
配信日:2023年4月21日
ジャンル:サスペンス、ヒューマン・ドラマ
監督:ショーン・ダーキン、カレナ・エバンス、ローレン・ウォルクシュタイン、カリン・クサマ
製作国:アメリカ
話数:全6話、1話約60分
日本語吹き替え:あり

『戦慄の絆』あらすじ(ネタバレなし)

エリオットとビヴァリーは、一卵性双生児の姉妹で産婦人科医。同じ職場で働き一緒に暮らし、すべてを共有して生きている。自分達の出産センターを建設しようと、投資家のレベッカと会い資金提供を頼む。

ビヴァリーは女優のジェネヴィーヴと知り合い本気の恋をするが、エリオットはビヴァリーとジェネヴィーヴの関係に嫉妬してしまう。

マントル出産研究センターが完成し、エリオットとビヴァリーは大きな成功を手に入れるが、エリオットの嫉妬で二人の関係はバランスを崩していく。

レベッカは有名ジャーナリストのサイラスを雇い二人の記事を書かせるため、新しくできたアラバマ州のマントル出産センターへ同行させる。

サイラスは研究所を異常かつ非倫理的と感じ、研究所を糾弾する記事を書こうとする。


『戦慄の絆』感想&評価

ROTTEN TOMATOES:批評家スコア84% 視聴者スコア75%
IMDb:6.2(10点中)
総合評価:★★★☆☆
ストーリー:★★★☆☆
エンタメ性:★★★☆☆
感動:★★☆☆☆
独特の世界観を持つデヴィッド・クローネンバーグの映画が下敷きになっているだけに、かなり観る人を選ぶドラマかもしれません。産婦人科医の双子姉妹の関係や確執を、妊娠、不妊、出産に絡めて描くスリリングなドラマに仕上がっています。
冒頭から帝王切開のシーンが登場し、あまりの怖さに思わず目を背けてしまうほど。赤ちゃんの誕生は喜びに満ちているはずなのに、本作は作風のせいか出産シーンが全て恐ろしく感じてしまいます。
帝王切開や死産といった出産で起こりうる危険性と共に、不妊や流産といった女性が妊娠するうえで直面する問題にも切り込んでいて見応えたっぷり。
エリオットとビヴァリーという、切っても切り離せない一卵性双生児の神秘的な絆をシュールに描いていて、筆者は自分が一卵性双生児ということもあり興味深く鑑賞しました。
正直分かる部分もたくさんあり、これは一卵性双生児以外の人には理解できない部分が多いかも?と思ったり…。
好きと嫌いは紙一重とよく言いますが、近すぎるからこそ関係性のバランスが崩れた時はエリオットとビヴァリーのように恐ろしいことになってしまうのかもしれません。
個人的には自分が双子なので興味深かったですが、結構好き嫌いが分かれるドラマという印象です。
レイチェル・ワイズが一人二役を見事に演じていて、トータル的には独特の世界観のあるユニークなドラマと評価したいと思います。

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『戦慄の絆』キャスト

エリオット・マントル(レイチェル・ワイズ)

ビヴァリーの姉で産婦人科医。周りを気にしない奔放な性格で、他人から嫌われることが多い。ビヴァリーに強く依存し、彼女のためなら何でもする。

ビヴァリー・マントル(レイチェル・ワイズ)

エリオットの妹で産婦人科医。大人しく控えめな性格で、エリオットのコントロールから逃れて幸せになることを望んでいる。

ジェネヴィーヴ(ブリトニー・オールドフォード)

大ヒット・ドラマに出演している人気女優。病院で診察した時にビヴァリーと知り合い、恋に落ちる。

グレタ(ポピー・リウ)

エリオットとビヴァリーの家政婦。常におしゃれなファッションに身を包むスーパー家政婦で、エリオットとビヴァリーの私物を収集している。

トム(マイケル・チャーナス)

マントル姉妹の出産センターの研究医。エリオットの研究を倫理違反だと責めるが、その成果に驚いている。

レベッカ・パーカー(ジェニファー・イーリー)

マントル姉妹の出産研究センターに出資する投資家。投資するか決めるため、双子と親睦を深めようとする。

スーザン(エミリー・リード)

レベッカの妻。研究センターへの出資にしぶるレベッカの後押しをする。

サイラス・ジョーダン(Ntare Guma Mbaho Mwine)

ピューリッツア賞を受賞した著名なジャーナリスト。マントル姉妹について記事を書くよう、レベッカに頼まれる。

 

『戦慄の絆』全あらすじ・ラスト結末(ネタバレあり)

※これより下はネタバレを含むため要注意

エリオットとビヴァリーは一卵性双生児姉妹の産婦人科医で、一緒の病院で働き一緒に暮らし、全てを共有している。二人は体外受精した胎芽を数週目まで育て子宮に戻して妊娠する研究を行い、ビヴァリー自らが被験者となり妊娠しようと試みていた。

人気女優のジュヌヴィーヴが病院を訪れ診察を受けるが、彼女の大ファンのビヴァリーは落ち着いて診察できずエリオットと入れ替わる。二人は自分たちの出産研究センターを作るのが夢で、投資家のレベッカ・パーカーと会うがまずは親睦を深めて様子を見たいと言われてしまう。

ジェネヴィーヴとビヴァリーは順調に交際し、エリオットは二人の関係に嫉妬していく。エリオットのコントロールからバランスを取るため、ビヴァリーは死別会に通いエリオットが死んだことにして姉と永遠に別れることにして心の平静を保とうとしていた。

レベッカから資金を得ることになり出産研究センターがオープンし、全米に施設を増やしていく。ビヴァリーはジェネヴィーヴの弟サミーの精子を使って人工授精し双子の赤ちゃんを授かるが、エリオットが常に二人の間に入ってくることに苛立っていく。

ビヴァリーの妊娠は順調だったが、ジェネヴィーヴは最初の出会いでビヴァリーとエリオットが入れ替わっていた事実を知り去ってしまう。ピューリッツァー賞作家のサイラスが二人の物語を記事にすることになり、マントル姉妹とサイラスは完成したばかりのアラバマ州の研究センターへ行く。

サイラスは姉妹の研究が、理想主義で倫理に大きく反すると感じる。アラバマの屋敷でエリオットたちはマリオン医師を紹介され、マリオン医師は17歳のくる病の奴隷の少女の話を語り、少女は30回の手術を麻酔なしで受けその成果で産科の分野が躍進したと説明する。

エリオットとビヴァリーは4つ子の帝王切開をすることになるが、エリオットが誤って妊婦の体を傷つけてしまう。帝王切開の後エリオットは研究所から遠ざけられ、エリオットはしばらく姿を消しビヴァリーはジェネヴィーヴと復縁する。

サイラスの記事が雑誌に掲載され、ビヴァリーは自分は姉と無関係だと公の場で糾弾した。エリオットはビヴァリーの元へ帰り双子の帝王切開をするが、麻酔で眠ったビヴァリーの前で自らの腹を切り裂いて縫合し、ビヴァリーのお腹から双子を取り出し、ビヴァリーを手術台に残しままた双子を抱いて立ち去る。

ビヴァリーになりすましたエリオットが公園に座っていると、死別会で知り合った女性に話しかけられ、エリオットは妹が死別会に通い自分が死んだことにされていたことを知る。エリオットは自分でその会に行き、姉の死について話そうと口を開く。


『戦慄の絆』見どころ・解説・考察(ネタバレあり)

映画版との比較&実話を基にした物語

出典元:https://www.timeout.com/

1988年の映画版はジェレミー・アイアンズ演じる双子の兄弟が主役で、名前も映画版同様エリオットとビヴァリーで、産婦人科医という設定も同じです。

ドラマ版のほうが現代風にアレンジして、女性を主人公にして妊娠、出産、子育て、中絶、体外受精といった妊娠をテーマに描いています。

映画版はバリ・ウッドの1977年の小説「ツインズ」を原作に製作されていますが、元はバルビツール酸中毒になった双子の産婦人科医のシリル&スチュワート兄弟の実話が基になっています。

シリル&スチュワート兄弟は60年代に開業して成功し、画期的な研究を医学雑誌に発表するなど、その分野で高く評価されていました。

ニューヨーク病院の産婦人科の助教授や、コーネル病院の不妊治療クリニックの共同院長にもなり、産科の業界標準となる医療機器を開拓するなどその分野の最先端を行く存在となります。

70年代に入ると兄弟はバルビツール酸やアンフェタミンに溺れるようになり、かつて盛んだったビジネスも低迷。1975年7月シリルのマンハッタンのアパートで、ゴミや汚物に囲まれすさんだ状態で兄弟二人の死体が発見されました。

汚物の中にはバルビツールの空き瓶が何十本もあったものの、争った形跡もなく捜査当局は2人の死因は偶然の過剰摂取か計画的な自殺ではないかと推測しました。

検査の結果彼らの体内から違法な物質の痕跡が見つからなかったため、薬物やアルコールが死因と断定することはできなかったそうです。

シリルの死は兄の死から数日後に起こったと推定され、スチュワートの死亡推定時刻の後にシリルがアパートを出て行く姿が目撃されており、2人に何があったのか多くの疑問が残ったままです。

エリオットとビヴァリーの確執

物語の中核となるのがエリオットとエヴァリーの関係です。エリオットは奔放な性格なのに対しビヴァリーは控えめな性格で、エリオットはビヴァリーのために人生を捧げてきたと言い常に彼女をコントロールしようとします。

ビヴァリーは精神的にエリオットのコントロールから解放されるため、死別会へ通いエリオットを死んだことにして、彼女の死について話すことで心のバランスを保つことに…。

エリオットはビヴァリーとジェネヴィーヴの恋愛関係に嫉妬し、二人の交際が真剣になると、エリオットは二人の間に割って入ろうとします。

ずっと一緒で離れられない二人の関係の説明として、母親のリンダが産後鬱で双子を受け入れられなかったエピソードが登場。

そんな母との関係は大人になってからも影を落とし、エリオットとビヴァリーが互いにしがみついてしまうのは、母親に見捨てられるのではという恐れをずっと抱えて生きてきたからなのではと推測できます。

二人のような強い共依存になるかならないかは、育った環境や育てられ方に大きく影響していると感じました。


マントル出産研究センター

マントル姉妹は女性の体に負担がかからないよう出産をより快適にし、妊娠や不妊だけでなく更年期障害など女性の人生を高度なオーダーメイド医療で支える出産研究センターを作ります。

エリオットは妊娠や不妊に関するあらゆることを研究したいと思っており、その熱心さがゆえに同僚からフランケンシュタイン呼ばわりされるほど、軌道を外していくことに。

女性の妊娠や出産をより安全に快適にするという理念自体は素晴らしいですが、妊婦を被験者にして研究を進めたり、胎芽を子宮外で人工的に発育させることは倫理に大きく反します。

センターを視察したサイラスに糾弾されることになり、業界から追放されてしまうことに…。エリオットの研究は最先端を行き過ぎて、まるで近未来SFの世界のよう。

エリオットの研究は四つ子の帝王切開で同席したマリオン医師が語った、30回の麻酔なしの手術に耐えた17歳のくる病の奴隷の少女の話とリンクしているかのように感じました。

家政婦グレタの正体

登場人物の中で異彩を放っているのが、ミステリアスな家政婦グレタです。家政婦らしからぬファッショナブルなルックスで、双子の家の料理や全ての家事を完ぺきにこなすスーパー家政婦。

それでも二人の留守中に双子の使ったタンポンや綿棒を収集するなど行動が怪しく、一体この人は誰?と不思議に思ってしまうはず。

最終話でグレタがアーティストであり、彼女が集めた双子の私物を作品に使用していることが分かります。

グレタは出産で母を亡くしており、グレタの個展からすると出産に関する医療や配慮の欠如について、アートを通して認識を広めたいと考えているよう。

ビヴァリーとジェネヴィ―ヴはグレタの名前が壁に大きく掲げられたギャラリーの前を通り過ぎてしまい、自分たちの世話をしてくれるグレタの個展の前を通っても名前にさえ気づきません。

グレタの小さなアートプロジェクトは、適切な人々がそれを見なければ、大きな変化をもたらすことはないと皮肉っているようでもあります。

結末の解説&考察

エリオットはビヴァリーの帝王切開をするとき、自分の腹を切り裂いて縫合しまるで自分が帝王切開したかのような傷をわざと残し、このシーンは超絶恐ろしくて直視できないほど…。

ビヴァリーのお腹から双子を取り出したあと、自分がビヴァリーとして生き双子とジュネヴィーヴと幸せに暮らします。

エリオットは消えてしまったという説明になっていますが、ビヴァリーの遺体はあの後どうなったのか?はっきりと説明はされていないものの、トムが車で慌てて運転するシーンがあることからも、トムが遺体遺棄を行ったのかもしれません。

エリオットがビヴァリーを見殺しにしたのは、エリオットは全人生をビヴァリーに捧げてきたのに、妹がジェネヴィーヴとの人生を選択したことで裏切られたと感じ、その事実を受け入れられなかったからと思われます。

エリオットは自分がビヴァリーになることで、ジュネヴィーヴを妹から永遠に引き離すことに成功したと言えるかも…。

エリオットがビヴァリーで成りすますことを決めたのは、産婦人科の分野で革命を起こすことを目指していたものの、サイラスに糾弾されたことでキャリアに傷がつき、ビヴァリーとして生きていく必要があったのかもしれません。

ビヴァリーになりすましたエリオットは公園で死別会の女性から声をかけられ、ビヴァリーが自分を死んだことにして会に通って話をしていたことを知りショックを受けます。

その後エリオットが自ら死別会へ参加する理由は、ビヴァリーがなぜ自分は死んだことにしたのか、その理由を知りたかったためなのではないでしょうか。

それにしてもジュネヴィーヴはエリオットだと気付かないのか⁉と、その点がすごく気になりました。


『戦慄の絆』のネット上での評判は?

『戦慄の絆』まとめ

個人的には自分が一卵性双生児なので興味深く視聴しましたが、好き嫌いが分かれる系のドラマかと思います。

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