Netflixドラマ『配達人 ~終末の救世主~』荒廃した地球で配達人の使命を描くディストピアの世界、辛口レビュー

出典元:https://www.scotsman.com/

彗星衝突後に酸素が不足する世界を描く、韓国製作のNetflixオリジナル・ドラマ。もう少しどうにかなったのでは?という残念作品で、辛口レビューとなります。本作のあらすじ・キャスト・感想・評価を、ネタバレあり&なしで紹介します。



『配達人 ~終末の救世主~』概要

製作・配給:Netflix
配信日:2023年5月12日
ジャンル:ディストピア、アクション、SF
製作国:韓国
話数:全6話、1話約45分
日本語吹き替え:あり

『配達人 ~終末の救世主~』あらすじ(ネタバレなし)

西暦2071年が舞台。40年前彗星が地球に衝突し、大陸の大部分が沈み朝鮮半島は砂漠化してしまう。大気汚染が進みわずか1%の生存者のため、鉱物を酸素に替えるエアーコアが発明される。

人類はQRコードを持つ一般、特別、コアの階級に分けられ、それ以外の人類は難民としてみじめな暮らしを強いられている。

酸素を牛耳るチョンミン・グループの代表リュ・ソクは、貴重な酸素を守るため難民達を排除しようとしていた。

酸素と生活必需品を運ぶ「配達人」は、強靭な人物だけがなることができる特別な存在。なかでも配達人5-8は、伝説の憧れの人物としてヒーロー視されている。

難民の青年サウォルは配達人に憧れるひとりで、ある出来事がきっかけで5-8と知り合う。サウォルはチョンミン・グループが開催する配達人選抜大会に出場することになり、5-8から訓練を受ける。

チョンミン・グループは生き残った人類の移住計画を推進するが、難民の対応を巡りリュ・ソクと父親のリュ会長の意見が分かれてしまう。

『配達人 ~終末の救世主~』感想&評価(ネタバレなし)

ROTTEN TOMATOES:批評家スコア88% 視聴者スコア%
IMDb:6.1(10点中)
おすすめ度:★★☆☆☆
ストーリー:★★☆☆☆
エンタメ性:★★★☆☆
感動:★☆☆☆☆

サクッと観られるエンタメ・ドラマで、内容的にはかなり薄かった印象です。トータル的には全てが中途半端で、もう少しエピソード数を長くして深堀りして描いた方がよかったのでは?と思ってしまいました。

ディストピア感の演出や火星を連想させるような異世界の映像はよかったですが、ストーリー的にはグッとくるものが足りなかったように感じます。

比べるのもあれですが、同じディストピア・ドラマなら『THE LAST OF US』くらいのクオリティを出してほしかったです。韓国ドラマにハリウッド作品並みのクオリティを求めること自体、無理があるのでしょうが…。

彗星が衝突し人類の生存数1%で酸素も足りない世界で、何でこんなにハイテクなの?と設定に全く説得力がない。

配達人が配達する食料も、きれいにパッケージされたハイテク・フードですが、『THE LAST OF US』で生き残った人類は20年前の缶詰を食べてサバイバルしていましたよ…。

いくら近未来SFのディストピアものとはいえ、設定に説得力とリアリティがないと上滑り感がしてしまうのは否めません。人間ドラマも希薄で、特に見どころという部分がなかった印象です。

ストーリーのアイディアはおもしろいし、もう少しどうにかすればもっといい作品になったのでは?といろいろ惜しいドラマでした。


『配達人 ~終末の救世主~』キャスト

5-8(キム・ウビン)

伝説の配達人。9年前の難民大虐殺を目の当たりにし、世の中を変えようと組織に立ち向かう。

サウォル(カン・ユソク)

配達人に憧れる難民の青年。軍情報局のチョン少佐に命を救われた過去がある。

チョン・ソラ(イ・ソム)

軍情報局少佐でサウォルの命の恩人。チョンミン・グループについて調べ、5-8に協力する。

リュ・ソク(ソン・スンホン)

酸素を牛耳るチョンミョン・グループの後継者。世の中から難民を排除しようとしている。

リュ会長(ナム・ギョンウプ)

チョンミョン・グループの会長で、リュ・ソクの父親。

サウォルの祖父(キム・ウイソン)

サウォルの保護者で、サウォルの友人たちの面倒も見ている。

チェ・ジンギョン(チン・ギョン)

韓国大統領。リュ会長と共に住民移住計画を遂行する。

 

『配達人 ~終末の救世主~』全あらすじ・ラスト結末(ネタバレあり)

西暦2071年、40年前彗星が地球に衝突し、大陸の大部分が沈み朝鮮半島は砂漠化してしまう。大気汚染が進みわずか1%の生存者は、QRコードを持つ一般、特別、コアの階級に分けられ、それ以外の人類は難民としてみじめな暮らしを強いられている。

チョンミン・グループは酸素を武器に世界を牛耳り、リュ・ソク代表は邪魔な難民を排除しようとしていた。酸素と生活必需品を運ぶ「配達人」は、憧れの人物としてヒーロー視され、なかでも5-8は伝説の配達人として羨望の的だった。

配達人に憧れる難民の青年サウォルは、友人のスラと共に謎の組織に襲われその場に居合わせた5-8に助けられる。サウォルは大気汚染に影響を受けた「突然変異」で、骨が金属のように固く銃弾を弾いたため命を取り留める。難民や一般市民の連れ去りが多発し、配達人5-7の関与が分かり5-7は連れ去られた人達は人体実験に利用されると言って死ぬ。人々を誘拐する組織には首にタトゥーがあり、軍情報局のチョン少佐が調査する。

チョンミン・グループは配達人選抜大会を開催し、サウォルは出場するため5-8から訓練を受ける。大統領とリュ会長は住民の移住計画を遂行中だったが、リュ・ソクは移住できる住民を選び統制するため、選抜大会の中継車に集まる難民を排除するため爆弾を仕掛け、多くの難民が犠牲になってしまう。移住のため難民へのワクチン接種を行うが、ワクチンを受けた難民たちは次々と死んでいく。

サウォルは選抜大会を勝ち進んで優勝し憧れの配達人となるが、大会中にサウォルが負った額の傷から金属の頭蓋骨が見えたことから、リュ・ソクはサウォルが突然変異だと知る。リュ・ソクは自分の病を治す治療のため、サウォルを利用しようと誘拐する。

5-8は空気清浄車が、汚染物質を大気中に撒いている事実を突き止める。5-8とチョン少佐はサウォルを救助しに行き、リュ・ソクは撃たれてエアーコアが大爆発を起こす。大統領は移住計画を進め、人類の階級差を失くし国民が平等に暮らせるようにすると声明を発表した。汚染物質の散布がなくなり、大気汚染が改善され澄んだ空が顔を覗かしていた。


『配達人 ~終末の救世主~』見どころ・解説・考察(ネタバレあり)

配達人の活躍

舞台は彗星が激突した後の酸素が少ない世界で、地球は砂漠化し人々はマスクなしでは生活できない暮らしをしています。外に出るのもままならない暮らしで、酸素や物資を運んでくれる配達人はまさに救世主。

物資を狙う難民ハンターから襲われる危険性があり、配達人は強靭な体、戦闘技術、運転能力などさまざまな高いスキルが求められ、ただのデリバリー・ガイでは務まりません。

本作はディストピアにおける配達人の存在の意味と活躍を、アクションたっぷりに描いています。

人類の階級格差

彗星衝突後の人類の生存数は1%となり、資源が不足したことから人々にはQRコードが付けられ、3つの階級に分けられることに。

選ばれなかった者は難民としてみじめな暮らしを強いられ、差別に疲れた難民が物資を襲って略奪する難民ハンターとなります。

チョンミン・グループのリュ・ソクは、貴重な酸素や物資を狙う難民を排除しようとさまざまな策を巡らせることに…。

少ない物資をコントロールするために行った階級格差が、逆に秩序を乱しコントロールできなくなるという皮肉な結果になってしまいます。

配達人選抜大会

本作の見どころのひとつが、アクションたっぷりの配達人選抜大会。戦闘能力や運転スキルを競い合い、勝ち抜き戦で上位へ上がっていくゲーム感覚のような大会です。

明らかにこれは『イカゲーム』を意識しているのか?という演出があり、あちこちにパクリの匂いがチラホラ…。

一応見どころのシーンなのですが全体的に中途半端感が否めなく、いろんなドラマや映画の寄せ集め感がしてしまうのが残念でした。

サウォルの秘密

サウォルは大気汚染が生んだ突然変異という秘密があります。骨が金属のように固く、サウォルは一度頭を撃たれますが金属のような頭蓋骨が銃弾を弾いて命が助かるエピソードが登場。

この突然変異ネタもすごく中途半端で、突然変異についての説明も端折り過ぎていました。

リュ・ソクが自分の病の治療法として突然変異種が効果があるとみて、サウォルの血を輸血しますが、その後あっけなくリュ・ソクは殺されて結末を迎えることに。

突然変異についてほとんど深堀りされず、サウォルの突然変異については特になくてもよかったのでは?という印象を受けました。


『配達人 ~終末の救世主~』のネット上での評判は?

『配達人 ~終末の救世主~』まとめ

1話45分、全6話と短くサクッと観られるエンタメ作品ですが、逆にその短さのため中途半端な感じになってしまったのかという気もします。

作品のポスターのイメージがすごくおもしろそうなディストピア感が出ていて、クオリティを期待しましたが残念でした。韓国ドラマやサクッと観られるSFアクションが好きな方で、Netflixに加入されている方はチェックしてみてください♪

 

 

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