フィリップ・ロスの小説を基にした、歴史改変ドラマ。アメリカで1940年代にヒトラー派の大統領が誕生したら…?決して絵空事ではないリアルで恐ろしい物語で、迫害されるユダヤ人の怒りと悲しみを痛烈に描いた重厚なドラマに仕上がっています。本作のあらすじ・キャスト・感想などを、ネタバレあり&なしで紹介します♪
『プロット・アゲンスト・アメリカ』概要
ジャンル:歴史、ヒューマン・ドラマ
製作国:アメリカ
話数:全6話、1話約60分
日本語吹き替え:なし
『プロット・アゲンスト・アメリカ』あらすじ(ネタバレなし)
アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューアークにあるユダヤ人街に住むレヴィン一家は、父ハーマン、妻ベス、息子のサンディとフィリップ、ハーマンの甥のアルヴィンが一緒に暮らしている。
ドイツがイギリスへ侵攻しヨーロッパの戦火が激化しており、アメリカではヨーロッパの戦争に参戦すべきではないという声が高まっていた。
戦争への参戦を目論んでいたルーズベルト大統領に対抗し、戦争反対派の飛行家のリンドバーグが大統領選挙に出馬する。
ハーマンをはじめユダヤ人たちは非ユダヤ層から支持の多いリンドバーグが大統領になると、反ユダヤ派が勢いづくのではないかと危惧する。
ユダヤ人ラビのベンゲルドーフはアメリカの戦争参戦を支持しないリンドバーグへの支持を表明し、ユダヤ人のアメリカ同化政策を進める。
ベスの妹のエヴリンはベンゲルドーフに賛同し仕事を手伝い、家族との間に亀裂が生じていく。ハーマンの甥のアルヴィンはナチスを倒すため、カナダ軍に志願する。リンドバーグとベンゲルドーフが進める政策で、アメリカは反ユダヤ主義へと転じていく…。
『プロット・アゲンスト・アメリカ』感想&評価(ネタバレなし)
IMDb:7.3(10点中)
おすすめ度:★★★★★
ストーリー:★★★★☆
エンタメ性:★★★☆☆
感動:★★★☆☆
ものすごく見応えのある重厚なドラマで、観てよかったと思える秀作でした。アメリカでナチス派の大統領が誕生したら…?という、「もしも」を描いた歴史改変ドラマです。
第二次世界大戦は避けられたけれど、民主主義が崩れアメリカが分断していく過程が恐ろしくまるでトランプ政権時代のアメリカを見ているようでした。
戦争をしてもしなくても、ユダヤ人の迫害を避けることができないという、リアルな現実を突き付けられているようです。
迫害されるユダヤ人の苦しみや悔しさは全ての人種差別に通じる問題で、見ていて胸が痛くなってしまいます。恐怖政治が実現していく過程が実にリアルで、ユダヤ人がじわじわと追い詰められていく様が本当に恐ろしい。
人間の根底にある汚いものを見せつけられるようで、正直に言うと決して見ていて楽しいドラマではありません。それでもユダヤ人迫害という歴史的事実を、歴史改変というフィルターにかけて描き、ぐいぐいと物語に引き込んで行きます。
過去の歴史が何か一つ違っていたら、今の世の中は全く違う世界になっていたのかも?と思わずにいられません。いろいろなことを考えさせられる、ぜひ観ておきたい意味のある作品でおすすめです!
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『プロット・アゲンスト・アメリカ』キャスト
ハーマン・レヴィン(モーガン・スペクター)
保険会社勤務でレヴィン家の主人。政治に熱心で、大統領選挙戦に出馬したリンドバーグを激しく非難する。
ベス・レヴィン(ゾーイ・カザン)
ハーマンの妻で、家を購入するために働きに出る。政治論議が好きな夫が与える、子供たちへの影響を少し心配している。
エヴリン・フィンケル(ウィノナ・ライダー)
ベスの妹。独身で母親と二人暮らしで、ユダヤ人ラビのベンゲルドーフの秘書として働くようになる。
サンディ・レヴィン(ケイレブ・マリス)
ハーマンとベスの長男。絵を描くのが好きで、飛行家のリンドバーグを英雄視している。
フィリップ・レヴィン(アジー・ロバートソン)
ハーマンとベスの次男。切手集めが好きな大人しい少年で、父親の政治論議を聞いて不安を募らせる。
アルヴィン・レヴィン(アンソニー・ボイル)
ハーマンの甥。若くして両親を亡くしたため、レヴィン家に引き取られた。まともな仕事につかず、チンピラのような生活をしている。
ライオネル・ベンゲルドーフ(ジョン・タトゥーロ)
ユダヤ教の聖職者。戦争を避けようとスローガンを掲げるリンドバーグを支持し、アメリカのユダヤ人同化政策を進める。
チャールズ・リンドバーグ(ベン・コール)
有名な飛行家で、大西洋単独無着陸飛行を成し遂げた英雄。大統領選挙に出馬し、第33代大統領となる。
『プロット・アゲンスト・アメリカ』全あらすじ・ラスト結末(ネタバレあり)
アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューアークにあるユダヤ人街に住むレヴィン一家は、父ハーマン、妻ベス、息子のサンディとフィリップ、ハーマンの甥のアルヴィンが一緒に暮らしている。ドイツがイギリスへ侵攻しヨーロッパの戦火が激化しており、アメリカではヨーロッパの戦争に参戦すべきではないという声が高まっていた。戦争への参戦を目論んでいたルーズベルト大統領に対抗し、戦争反対派の飛行家のリンドバーグが大統領選戦況に出馬する。ハーマンをはじめユダヤ人たちは非ユダヤ層から支持の多いリンドバーグが大統領になると、反ユダヤ派が勢いづくのではないかと危惧する。
サンディは大西洋横断を成し遂げたリンドバーグを英雄視し、リンドバーグ反対派の父ハーマンの意見に反発する。ベスの姉エヴリンはリンドバーグ支持派のユダヤ人ラビのベンゲルドーフの秘書として働くようになり、ベンゲルドーフの進めるユダヤ人同化政策を支持する。反ユダヤ主義のリンドバーグに反発するハーマンとべスは、エヴリンとの間に確執が生じていく。リンドバーグはルーズベルトを大統領選で破り、第33代大統領となる。ハーマンの甥のアルヴィンはナチスを倒すため、カナダ軍に志願する。各地で反ユダヤ人の風潮が拡大し、べスはカナダ移住を考えるが、ハーマンはアメリカから逃げないと言って移住を受け入れない。
エヴリンはベンゲルドーフと結婚し、リンドバーグ夫妻と対面するなど成功の階段を上っていく。レヴィン家はワシントンDCへ家族旅行へ行くが、そこでも反ユダヤ主義者の差別に会ってしまう。雇った旅行ガイドはユダヤ人ではなかったが、良識のあるとてもいい人で一家を旅行先で助けてくれた。ハーマンはユダヤ人がアメリカに同化する「自民団」のプログラムに反対だったが、ガイドのように差別をしないアメリカ人もいると感銘を受け、サンディにアメリカを見て来いと「自民団としてケンタッキー州の農場に滞在することを許す。
アルヴィンは戦争で片足を失いアメリカへ戻ってきて、ピンボールマシーンの会社で仕事を見つける。ハーマンは同化局の政策の一環で、保険会社からケンタッキー州へ引っ越せと命じられ、転勤を拒み仕事を辞めて兄の経営する市場で働き始める。ユダヤ人のウィンチェルが大統領選に出馬するが、各地で反ユダヤ派の暴動が起きて治安が悪化し、ウィンチェルも暗殺されてしまう。アルヴィンはイギリスによるリンドバーグ暗殺計画に、知らぬ間に加担させられてしまう。大統領の乗った飛行機が行方不明になったことを翌日に知り、アルヴィンは自分がこの計画に加担したことを知る。
ハーマンの隣人でフィリップの友人セルドンの一家がケンタッキー州へ移住したが、セルドンの母親がKKKに殺害されハーマンとサンディはセルドンを迎えに行く。ベンゲルドーフはFBIに大統領殺害の陰謀を企てたとして逮捕され、エヴリンの命も狙われるがベスは自業自得だと言ってエヴリンをかくまうのを拒否する。リンドバーグ夫人が平和を呼び掛けて事態は沈静化し、トルーマンとルーズベルトの大統領選挙が行われる。
『プロット・アゲンスト・アメリカ』見どころ・解説・考察(ネタバレあり)
想像するだけで恐ろしい歴史改変ドラマ
『プロット・アゲンスト・アメリカ』は第二次世界大戦を避けたため、反ユダヤ派の大統領が誕生してしまうというホラーのような歴史改変ストーリー。
現実では第二次世界大戦中にホロコーストが起きますが、ドラマ内では大戦を避けても結局ファシズムの嵐が吹き荒れ、アメリカ国内でユダヤ人迫害が起こってしまうというリアルに怖い物語です。
反ユダヤ派の大統領の誕生でユダヤ人が自分たちの居場所を失っていき、じわじわと迫害されていく過程が恐ろしい。
ドラマ内では飛行家のリンドバーグが大統領に就任しますが、実際は彼が大統領になったという事実はありません。それでも反ユダヤ派として知られ、アメリカの孤立主義とドイツの政策に対する支持者であったことは事実です。
リンドバーグはアメリカを戦争に引きずり込もうとしている3大勢力は、イギリス人とユダヤ人とルーズベルト政権であると述べ、ユダヤ系アメリカ人に非難されています。(引用元:チャールズ・リンドバーグWikipedia)
恐怖政治の実現
ドラマ内で進められる政策が、「自民団」と呼ばれるユダヤ人同化プログラム。ユダヤ人をアメリカに同化させようという政策で、都会に住むユダヤ人の子供を田舎の農家に滞在させて家族を引き離し、ユダヤ人の家族を強制的に田舎へ転勤させて分散させようという目論みです。
ハーマンの息子サンディは同化プログラムに参加し、ユダヤ人とは違う典型的なケンタッキー州のアメリカの家族の元に長期滞在します。
ユダヤ人の子供を典型的なアメリカの家庭に溶け込ませ、ユダヤ人を分散させて団結力を弱めようというのが目的です。
ハーマンは同化政策に猛反発し、同化しないといけないと言われること自体がおかしく、ユダヤ人がアメリカ人として不十分だと言われているようだと主張します。
ユダヤ人を二級市民に落とし込む政策で、まさに人々を洗脳して反ユダヤ派を煽る恐怖政治がまかり通っていくことに…。
ドラマ内に登場する同化プログラムは、移民を排除しアメリカ・ファーストを謳ったトランプ大統領の政策を彷彿させデジャブを見ているようでした。
それぞれの闘い方
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ハーマンは政治論議が大好きで、時々熱くなり過ぎて子供たちの不安を煽ってしまうこともあり、妻のベスはいつも心配そうに見守っています。
自由の国アメリカと民主主義を信じるハーマンは、反ユダヤ派の暴動が過熱して周りがカナダに移住し始めてもアメリカに居ることを選びます。
ハーマンの頑固さと闘う気持ちが優先されてしまいますが、それが家族を危険にさらす行為だと気付くのは随分後になってから。
ハーマンの甥のアルヴィンはヨーロッパの戦争に参加しないアメリカに業を煮やし、ナチスを倒すためカナダの軍隊に入りますが片足を失って帰国します。
ハーマンはもっと早くカナダに移住していれば…と後悔し、アルヴィンは足を失い自分の取った行動の責任を改めて痛感することになります。
それでも二人の声を上げて差別に反対していく姿は、子供たちにとっては闘志のある強い人間と映っているはず。本作は民主主義が崩れていく過程とそれぞれの闘い方を、子供たちの目を通して描かれているのもポイントです。
『プロット・アゲンスト・アメリカ』のネット上での評判は?
「プロット・アゲンスト・アメリカ」完走
1940年代🇺🇸。もしリンドバーグが大統領になったら…という架空の物語。中盤から怒涛の如く急変していく。思想の偏りの強い人が大統領になるとこうなるのか…という空恐ろしさ。時代の渦に巻き込まれながらも信念を貫き通した夫婦と純粋な子供達に心打たれる。 pic.twitter.com/YmhVbaHgHe— hotpretzel (@hotpretzles15) August 12, 2020
プロット・アゲンスト・アメリカ 全6話
右肩上がりで面白かった。
自分のTLではたまたまなのかあまり感想をお見掛けしないけど、沢山の方が観てTLで絶賛されていたチェルノブイリ(全6話)級の素晴らしいドラマだった。#プロット・アゲンスト・アメリカ— gilli (@gmillimg) July 18, 2020
プロット・アゲンスト・アメリカ』まとめ
テーマが重いですが非常に見応えのあるドラマで、もし〜だったらという歴史改変作品が好きな方におすすめです。
改めて人種差別や歴史上の出来事を考えさせられる内容で、見てよかったと思います。重厚なヒューマン・ドラマが好きな方にもおすすめで、U-NEXTに加入されている方はぜひチェックしてみてください♪
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