『ペーパー・ハウス』のトーキョー役、ウルスラ・コルベロ主演の実話を基にしたスペイン製犯罪サスペンス。男性を惑わす美しい女性ロサがある事件の容疑者となるが、果たして事件の真相とは…?本作のあらすじ・キャスト・感想などを、ネタバレあり&なしで早速チェック♪
『燃えさかる炎』概要
配信日:2023年9月8日
原題:EL CUERPO EN LLAMAS(スペイン語) Burning Body(英語)
ジャンル:犯罪、ミステリー、サスペンス
製作国:スペイン
監督:ホルヘ・トレグロッサ、ラウラ・マニャー
話数:全8話 1話約50分
日本語吹き替え:なし
『燃えさかる炎』あらすじ(ネタバレなし)
2017年5月、バルセロナのフォッシュ貯水池で燃えた車が発見され、トランクから焼死体が見つかる。事件の捜査が始まりエステル刑事が事件を担当するが、黒焦げの焼死体の身元調査が難航する。
バルセロナ市警察の警察官ロサ・ペラルは一人娘のソフィアを育てるシングルマザーで、同じ警察官のペドロと同棲中だがペドロと連絡が取れなくなっていた。
やがてロサ、ペドロ、ロサの同僚のアルベルトが絡む、複雑な人間関係が明るみになっていく…。
『燃えさかる炎』感想&海外評価(ネタバレなし)
IMDb:6.6(10点中)
おすすめ度:★★★☆☆
ストーリー:★★★☆☆
エンタメ性:★★☆☆☆
感動:★☆☆☆☆
『ペーパー・ハウス』のトーキョー役ウルスラ・コルベロ主演のドラマということで視聴したのですが、うーん、微妙…。
これが完全なフィクションなら作り話だと割り切って観れたのかもしれませんが、実話を基にしているのですごく後味が悪く感じました。
市民を守り悪者を捕まえる警察官が、裏でこんなことをしてたなんて!と観ていて本当に居心地が悪かったし、正直胸くそ悪くなるタイプのドラマです。
過去と現在がシンクロして描かれますが、今映っているシーンが過去なのか現在なのか分かりにくかったのもマイナスポイント。
それでも複雑に絡む人間関係に興味をそそられたし、それぞれの登場人物の物語が語られ仮面が剝がれていく過程がスリリングです。とにかく人間関係がドロドロ過ぎる…。
そういえばペドロ役のホセ・マヌエル・ボガは、『ペーパー・ハウス』でスペイン銀行の総裁を警護する警備員のガンディア役で出演していましたよね。
何よりもウルスラがすごく素敵で、ウルスラのファンの方は必見!実話を基にしたドラマや、サスペンス・ミステリーが好きな方におすすめです。
『燃えさかる炎』キャスト
ロサ・ぺラル(ウルスラ・コルベロ)
バルセロナ市警察の警官。男性にモテる美しい女性で、表と裏の顔がある。
アルベルト(キム・グティエレス)
バルセロナ市警察の警官。ロサの相棒となり親しくなるが、過去に業務中に問題を起こしたことがある。
ハビ(イサック・フェリス)
ロサの夫。州警察の警官で、ロサが浮気しているのではと心配してしまう。
ペドロ(ホセ・マヌエル・ボガ)
交通課の警察官。妻と幼い息子がいるが、性格に問題があり妻と関係がうまくいっていない。
エステル(エヴァ・リョラッチ)
貯水池で見つかった遺体の捜査を担当する刑事。女性ならではの勘と鋭い洞察力で、事件の真相に迫っていく。
シルヴィア(アイナ・クロテット)
ペドロの妻で警察官。気分にむらがあり、扱いにくい夫との関係に悩んでいた。
マヌ(ラウル・プリエト)
バルセロナ市警察の警察官。嫉妬深い性格で、ある訴訟を起こされてしまう。
『燃えさかる炎』全あらすじ・ラスト結末(ネタバレあり)
ロサはバルセロナ市警の警察官で、恋人のペドロと娘のソフィアと暮らしている。ペドロと連絡が取れなくなるが、気分にムラがあり気難しいペドロはよく家を留守にすることがあったためロサは真剣に取っていなかった。フォッシュ貯水池で燃えた車が見つかり、トランクの中から黒焦げの焼死体が発見される。ペドロが戻らない間、ロサは元同僚のアルベルトとパーティーへ出かけ、ロサはアルベルトと男女の関係にあった。手術で体内に埋めた固定ボルトが燃え跡から発見され、遺体がペドロのものと判明する。
事件を担当するエステル刑事はロサやペドロの友人や家族に事情聴取し、ロサはペドロと円満な関係を強調していたが、事情聴取によりそれが嘘だと分かっていく。ロサは元夫ハビとはロサの浮気が原因で別れており、娘のソフィアの親権を争っている。ロサはエステル刑事にハビが犯人に違いないと話し、ハビが犯人だという状況証拠をつきつけるがエステルは違和感を感じる。ロサは新任警察時代に指導官のマヌと浮気をしていたが、ロサが別れを切り出すとマヌはロサのベッド写真を警察関係の全員にメールで送信した。
州警察官のハビもこの写真を受け取り、ロサの浮気がバレてしまう。ハビはロサを許して二人はやり直して新居を購入し、娘のソフィアが生まれる。ロサはリベンジポルノの件で職場を移動となり、アルベルトとコンビを組むことになる。ロサはアルベルトと浮気するようになり、二人は体の関係を続けていたがハビはロサにプロポーズして二人は結婚する。ロサはもう一つの携帯でアルベルトと連絡を取り合っていたが、ハビに見つかりハビは別の女性と交際を始め家を出ていく。ロサはペドロと出会い付き合うようになるが、アルベルトとも体の関係を続けていた。
ペドロはロサに夢中になり、妻のシルヴィアと幼い息子を捨ててロサと一緒に暮らし始める。エステルは捜査を続け、シルヴィアとペドロの友人がペドロが消息を絶った後に受け取ったメールの文面がいつもとは違うと話し、犯人がペドロになりすましてメールを送っていたと推測する。ペドロはロサにプロポーズし、それを聞いたアルベルトもロサに指輪を渡す。5月2日の時点でペドロの携帯から家族や友人にメールが送られているが、ペドロ本人を見た人は誰もいない。娘のソフィアは事件のあった夜、地下室で聞いた物音とロサが血まみれになっていたとハビに話す。
エステル刑事はロサ、アルベルト、ペドロの携帯の位置情報を調べ、ペドロが消息を絶った前の日3人がロサの家にいたことを突き止める。ロサの家の地下室から血痕反応があり、警察はペドロがここで殺害され貯水池に運ばれて燃やされたと推測する。ロサとペドロは逮捕されペドロ殺害の罪で起訴されるが、二人はお互いに罪を擦り付けようとした。裁判が開かれ、事件のいきさつが説明される。ロサとアルベルトは一緒になるためペドロ殺害を計画し、地下室でペドロを薬で眠らせて撲殺し、車で貯水地に運んでガソリンを撒いて燃やした。
その後ペドロの携帯から家族や友人にメールを送り、生きているように死を偽装する。ロサ宛てには事件に巻き込みたくないという旨のメールを送り、麻薬絡みのトラブルに巻き込まれているように装い失踪したように見せかけた。ロサとアルベルトが消去した画像やメールが復元され証拠として提出され、二人は有罪となりアルベルトが20年、ロサが25年の実刑判決を言い渡される。数年振りにソフィアがロサに会いに刑務所を訪れ、ロサは控訴して無実となり刑務所を出て一緒に暮らそうと話す。ロサの上告は棄却され、刑務所を出所するときは61歳になっている。
『燃えさかる炎』見どころ・解説・考察(ネタバレあり)
実話を基にした犯罪サスペンス
『燃えさかる炎』は実話を基に制作されたドラマで、警察官の焼死体が見つかり、捜査が進むうちにロサを中心とした複雑な人間関係が明らかになっていきます。
本来なら市民を守り悪党を捕まえる警察官が、私情のもつれで軌道を外した行動を取っていくのが何とも恐ろしい。主要な登場人物でロサの両親以外は全員警察官というのがすごいですが、まともな警察官はロサの元夫のハビだけ。
もちろん警察官がみんなドラマの登場人物のような悪徳警官というわけではありませんが、観終わった後は何だかものすごく後味が悪い…。
完全なフィクションなら作り話だと軽く流せますが、これが実話となると正直ものすごく重いです。それにしても隠蔽工作がずさん過ぎて、みんな警察官なのに何でこうなる⁉とツッコミを入れたくなりました。
Netflixでこの殺人事件を扱ったドキュメンタリー『ロサ・ぺラルの独白』が配信されているので、さらに詳しく知りたい方は『燃えさかる炎』と一緒に視聴してみてはどうでしょうか。
ロサという女
A murder mystery that’s laden with illicit affairs, dangerous relationships, and fatal consequences.
Here’s everything you need to know about Burning Body:https://t.co/OuwTSmggcI
— Netflix Tudum (@NetflixTudum) September 10, 2023
主人公のロサは男好きのする美人で、周りの男性達を魅了します。ロサはハビという良識のある素敵なパートナーがいるものの、職場の指導官のマヌと浮気してハビにバレてしまいます。それでもロサを愛するハビは許してやり直し、娘のソフィアが生まれた後にプロポーズして結婚。
誰が見ても幸せそのものなのに、今度は相棒のアルベルトと浮気します。ハビに感づかれて離婚した後も、アルベルトと体の関係を続けながらペドロと交際…、と次から次へと男を乗り換えてきます。
誰かと別れるときは必ず二股で、男の切れ目がありません。男性を虜にして、自分のためなら何でもしたいと思わせるまさに魔性の女。男性から見ると魅力的な女性かもしれませんが、実は共感性がなくソシオパスの傾向のある自己中女。
美しいルックスが彼女をそうさせたのか、それとも親の育て方悪かったのか?両親を見る限りでは、良識のあるいい親という感じでしたが…。
女友達もロサの本性に気付かず彼女の言うことを鵜吞みにしていて、表と裏の顔を使い分けるのが非常にうまい。アルベルトに対してもペドロの殺害計画に巻き込み、すべての罪をなすりつけようとする最後まで卑怯な女でした。
浮気せずにずっとハビと仲良く暮らしていればこんなことにならなかったはずですが、そうできないのがロサという女の性なのかもしれません。
ロサを取り巻く男達
ロサ本人も問題だらけですが、ロサを取り巻く男達も相当ひどい。アルベルトはロサと一緒にペドロの殺害計画に加担し、それ以外にも職務中に露天商に暴行しホームレスを突き落として死なすというあるまじき行動を取ります。
ペドロは職務中にブチ切れてバイク運転手に暴行し、ロサと浮気したマヌは別れ話にキレてロサのベッド写真を警察内で流すという暴挙に出るなどみんな到底警察官とは思えない。
ペドロはコントロールフリークの嫉妬深い男で、ロサと出会って簡単に妻と幼い子供を捨てる冷たい男。そんな酷い男達もロサと出会ったことで転落人生を歩むことになり、まさにロサに出会ったのが運の尽き…。
唯一まともないい人がロサの元夫のハビですが、ロサにとってはまじめでいい人のハビは刺激が足りなかったのかもしれません。
『燃えさかる炎』のネット上での評判は?
Netflixリミテッドシリーズ『燃えさかる炎』全8話観たよ。三角関係、親権争い、沼地の真ん中で発見された黒焦げの死体。テンポ良い展開と興味を引くプロットで一気に惹き込まれるがそこはウルスラ・コルベロに依るところも大きい。主犯格の女性の“全てを手にしたい”という生き方を見事に体現。素晴しい pic.twitter.com/hGs2hPckAg
— 𝓓𝓳𝓪𝓷𝓰𝓸🌙 (@Django_88films) September 10, 2023
ネトフリのドラマEl cuerpo en llama (邦題:燃えさかる炎)を見終わった。バルセロナ警察官の二人(愛人同士)が女の夫を殺すっていう実際に起こった事件。現地人はこの事件のドラマ化に興奮して待ちきれない!って言いながら一緒に観たけどかなりビッチで狂ってた。面白かった!
— おきくBCN (@okiku_es) September 9, 2023
『燃えさかる炎』まとめ
何だかすごく後味の悪いドラマでしたが、事件の真相が気になり最後まで観てしまうと思います。ロサ役のウルスラ・コルベロはやっぱり素敵だし、ウルスラのファンは必見の作品です。
実話を基にしたドラマや犯罪サスペンスが好きな方におすすめで、Netflixに加入されている方はぜひチェックしてみてください♪
『燃えさかる炎』が好きな方におすすめのドラマレビュー記事↓