20世紀初頭の英バーミンガムを舞台に、熾烈なギャング抗争を描いた見応えたっぷりの犯罪ドラマ。ギャングものや見応えのある犯罪ドラマが好きな方におすすめ!シーズン6のあらすじ・キャスト・感想などを、ネタバレあり&なしで紹介します♪
『ピーキー・ブラインダーズ』シーズン6概要
原題:Peaky Blinders
ジャンル:犯罪、ヒューマン・ドラマ、アクション
製作国:イギリス
原作・制作:スティーヴン・ナイト
話数:全6話、1話約55分
日本語吹き替え:あり
『ピーキー・ブラインダーズ』シーズン6あらすじ(ネタバレなし)
モーズリー暗殺計画が失敗し大切な仲間と家族を失い、トミーは自殺願望に駆られてしまう。
4年後の1933年、フランス領ニューファンドランドのミクロン島でトミーは久しぶりにマイケルと再会し、マイケルの妻ジーナの叔父のジャック・ネルソンとの取引を画策する。
アーサーはアヘン中毒になり仕事もままならない状態で、トミーの家族に新たな悲劇が起きてしまう。
久しぶりに会ったエスメから意外な事実を知らされ、トミーとマイケルの確執がさらに大きくなりついに対決の時がやってくる。
シーズン5のあらすじ&レビューはこちらをチェック↓
『ピーキー・ブラインダーズ』シーズン6感想&評価(ネタバレなし)
IMDb:8.0(10点中)
おすすめ度:★★★★☆
ストーリー:★★★★☆
エンタメ性:★★★☆☆
感動:★★★☆☆
最終章となるシーズン6が一番残念な仕上がりで、かなりガッカリ…。なぜかROTTEN TOMATOESの批評家スコア100%、視聴者スコア90%とめちゃくちゃいいのが不思議で仕方ありません。
物語があちこちに飛んでぐっと引き込む吸引力に欠けたし、これまでピーキー・ブラインダーズにあったヒヤヒヤするような危なっかしさをまるで感じられませんでした。
シーズン5からシリーズ当初の危なっかしさが薄れていく気がして、特にシーズン6は脚本家が変わったのか?というくらいスリルが激減して、選曲もおとなしくなって全てがイマイチ…。
前半はジプシーのルーツに時間を割きすぎたし、観たいのはこれじゃない!という感じでした。全体的に盛り上がりに欠けて、アーサーもヘロヘロ状態だし、やっぱりポリーがいなくなった穴は大きかったのでしょうか。
最終章ながら尻切れトンボなのは結末は映画版で描かれるからだそうですが、映画版はぜひギャングものらしいスリリングで危ない展開にしてほしいです。
シーズンが長いドラマは最終シーズンで失敗することが多いですが、『ピーキー・ブラインダーズ』もしかりで残念!これが完全な終わりではないので、映画版に期待したいと思います。
『ピーキー・ブラインダーズ』シーズン6キャスト
トーマス・シェルビー(キリアン・マーフィー)
ピーキー・ブラインダーズのリーダー。労働党の議員となり政界にも足を踏み入れるが、数々の不幸で自殺願望が強くなっていく。
アーサー・シェルビー(ポール・アンダーソン)
トミーの兄で、戦争経験の後遺症で精神的に不安定。妻のリンダに去られ、酒とドラッグに溺れて仕事もままならなくなってしまう。
エイダ・シェルビー(ソフィ・ランドル)
トミーの妹。夫のフレディ亡き後は息子のルーカスを一人で育て、情報局のヤンガーとの間に子供が生まれる。
マイケル・グレイ(フィン・コール)
ポリーと生き別れた息子。アメリカ・デトロイトのシェルビー社を任されていたが、トミーの後釜を狙い対立していく。
リジー(ナターシャ・オキーフ)
トミーの元秘書。トミーの子供を身ごもり彼の妻となるが、トミーの生き方に共感できなくなっていく。
フィン・シェルビー(ハリー・カートン)
シェルビー兄弟の末っ子。兄弟の中で一番温厚で、本来ギャングには向いていない性格。
オズワルド・モーズリー(サム・クラフリン)
新しいファシストの新党を作ろうと活動している、反ユダヤ主義の議員。危ない思想の持ち主で、政治家として影響力を増していく。
ジーナ・グレイ(アニャ・テイラー=ジョイ)
マイケルの妻でアメリカ人。ギャングのマイケルの家族に会っても動じない、肝の座った女性。
デューク・シェルビー(コンラッド・カーン)
トミーとジプシーの女性との間に生まれた子供で、トミーはデュークの存在をずっと知らなかった。読み書きができず苦労して生きてきたが、頭が切れて行動力がある。
『ピーキー・ブラインダーズ』シーズン6全あらすじ・ラスト結末(ネタバレあり)
自殺願望の強くなったトミーは拳銃自殺しようとするが、事前に銃の弾が抜かれていて失敗に終わる。モーズリー暗殺計画が失敗し、バーニー、アべラマ、ポリーが死んでしまった。IRAのローラ・マッキーが、暗殺を阻止したのはダブリンのIRAの仲間だと電話をかけてくる。マイケルはポリーを死に追いやったトミーへの復讐を誓い、アーサーはリンダに去られポリーを失い、アヘン中毒になり仕事もままならない状態だった。4年後の1933年、フランス領ニューファンドランドのミクロン島でトミーは久しぶりにマイケルと会うが、トミーはマイケルがアヘンを持っていると警察に電話をかける。
マイケルはボストンの刑務所に収監され、トミーはジーナの叔父のジャック・ネルソンと取引しようとボストンを訪れる。トミーの娘のルビーの体調が思わしくなくトミーはイギリスへ戻り、ジーナとネルソンはビジネスと政治目的でロンドンへ向かう。ネルソンはイギリスのファシズム支持者の規模を調べるのが目的だった。トミーはネルソンとの取引を有利に運ぶため、ソロモンズと手を組む。トミーはネルソンにチャーチルの動向を報告する見返りに、サウス・ボストンを手に入れたいと言う。
ルビーは結核を患っており、トミーはルビーの呪いを解くためにエスメに会いに行くが、その間にルビーは亡くなってしまう。アーサーとイザイアは、リバプールの埠頭でアヘンを盗んでいるヘイデン・スタッグの元へ行く。スタッグも元依存症で、アーサーの気持ちが分かると彼を取り込んでしまう。エスメはトミーが昔関係を持ったジプシーの女性との間に生まれた、デュークという息子に会わせる。トミーはネルソンとモーズリーとの会合で、ボストンへの正式な輸出を取りつけ、トミーはモーズリー達との会合の内容をチャーチルに報告するため手紙を書く。
トミーはジーナがモーズリーとベットを共にしていることを知り、モーズリーのベルリン行に同行し、ドイツ高官との会合に同席し内容を報告しろと脅す。トミーは主治医から結核腫が見つかり余命僅かだと宣告され、息子のデュークをピーキー・ブラインダーズに招き入れる。アーサーを立ち直らせるためにリンダの所属する教会に多額の寄付をする代わりに、アーサーを助けてほしいと頼む。ネルソンはビリー・グールドにピーキーの情報を流せと脅し、ビリーは内通者となりトミー達の情報をネルソンに報告する。
マイケルはネルソンの手配で刑務所を出所し、リジーはトミーがモーズリーの恋人のダイアナと関係を持ったことを知りショックを受ける。これ以上耐えられなくなったリジーは、息子を連れて家を出る。マイケルとジーナはトミー殺害計画を立て、ビリーからの情報でトミーの屋敷での集まりを狙うことになる。ビリーがネルソンの内通者だと知っていたトミー達は、フィンにビリーを殺すように言うが側近だったビリーをフィンは撃つことができない。代わりにデュークがビリーを射殺し、フィンはピーキーを追放されてしまう。アーサーも事前に襲われることを知り、先手を打って襲ってきたIRAを返り討ちにする。
マイケルはトミーとミクロン島で会う手はずで、トミーを爆死させようと車に爆弾を仕掛ける。事前にジョニーが爆弾をすり替えたため、マイケルの側近が死にトミーはマイケルを射殺する。トミーは自分の屋敷を爆破し、跡地に労働者達の住居を建てると話す。トミーは死期を一人で過ごすため家族に別れを告げ、荒野で一人で暮らし自殺しようと銃に弾を込めた。
そのときルビーの幻想を見てトミーは病気ではないと言われ、我に返ったトミーは焚火をしようとするが燃やそうとした新聞に目を留める。新聞にはモーズリーがベルリンで結婚した記事が掲載され、結婚式の写真にトミーの主治医が写っていた。主治医の家へ行ったトミーは、医師がモーズリーに加担し、トミーを病気だと思わせ自殺に追い込もうと操っていたことを知る。
『ピーキー・ブラインダーズ』シーズン6見どころ・解説・考察(ネタバレあり)
ポリーの死
Remembering the utterly brilliant Helen McCrory as Polly Gray.
📷 Ben Blackall pic.twitter.com/SUPDTicrF5
— Peaky Blinders (@ThePeakyBlinder) April 16, 2023
シーズン6の冒頭で、いきなり死んでしまったポリー叔母さん。シーズン5のラストで死んだのはバーニーとアべラマだけでしたが、ポリー役のヘレン・マックロリーが乳癌で亡くなったため急遽ストーリーが大幅に書き換えられたそうです。
ドラマ内ではIRAに殺害されたという筋書きで、シーズン5のラストからすると死んでしまうシーンはなかったものの自然な筋書きとなっていました。
婚約したばかりのアべラマと共に亡くなったというストーリーは、逆にしっくりとくる気がします。それでもやっぱり存在感の強かったポリーがいなくなった穴は想像以上に大きく、女ボスの不在は大打撃としか言いようがありません。
改めてポリーの役柄と、彼女を演じたヘレン・マックロリーの存在感の大きさを感じるシーズンとなりました。
ジプシーのルーツに帰る
シェルビー家にジプシーの血が流れていることは、シーズンを通して描かれていました。これまで軽く言及される程度であまり深堀りされていませんでしたが、最終章でジプシーのルーツについて詳しく描かれています。
イギリスのジプシーはアイリッシュトラベラーと呼ばれるアイルランド系ジプシーと、ロマ語を話すインド民族が起源のジプシーがいます。シェルビー家はロマ語を話すため、後者の民族がルーツだと思われます。
トミーはよくロマ語を話していますが、末っ子のフィンはロマ語をほとんど話せないという設定。ジプシーは未来を予知する能力があったり死者と話せたりと、霊感が強いとよく言われます。
ポリーにもその能力が備わっていて、トミーも最終話のラストで亡くなった娘のルビーの幻想を見たことでぎりぎりの状態から救われることに。
ジプシーネタを最終章で深く描いていますが、逆にここまで深堀りする必要なかったのでは…⁉という気もします。前半にジプシーネタで時間を取られ過ぎて、かなり中弛みしてしまった感はぬぐえません。
トミーVSマイケル
Moments before…
Watch series 6 of Peaky Blinders on @BBCiPlayer in the UK and on @netflix worldwide
📷 Matt Squire pic.twitter.com/nwDo3lEems
— Peaky Blinders (@ThePeakyBlinder) February 23, 2023
シーズン5から確執が大きくなっていったトミーとマイケルですが、マイケルがピーキーに入った時はトミーに能力を買われて重要な立ち位置になり、兄弟のアーサーやジョンより重要なポジションになるのでは?と思わせました。
それがマイケル自身が野心を持つようになり、マイケルを蹴落として自分がボスになるとクーデターを起こします。
さらにポリーがトミーの計画の巻き添えとなって死に、トミーへの復讐心が燃え上がることに。前半だれていた物語が、後半にトミーVSマイケルの対決で一気に盛り上がりを見せます。
ミクロン島での対決は見応えがあり、ついに対決に決着がつくことに。やっぱりトミーが一枚上手だったという結果になりますが、一番のお手柄は爆弾をすり替えたジョニーですよね(笑)。
最終章の結末
“All the tired horses in the sun. How am I supposed to get any riding done?” 🎵
📷 Matt Squire pic.twitter.com/2aWkrWpezB
— Peaky Blinders (@ThePeakyBlinder) February 3, 2023
最終章の結末と言っても映画版で決着をつけるとのことらしいので、終わりは尻切れトンボで中途半端のままで終了します。一番なんだそりゃ⁉と思ってしまったのが、結膜腫で余命僅かと思っていたのに病気は嘘だったこと。
シーズン5後半から自殺願望が芽生えていたトミーは、自分で命を終わらせる覚悟でしたがギリギリで自分がモーズリーの息がかかった主治医にだまされていたことを知ります。
自分の名前が刻まれた弾を銃に込めて、いざ…となり視聴者は固唾をのんだはず。それなのになんのこっちゃ…という感じで、何だか最後の最後で気分が削がれてしまいました。
トミーが死ななかったのはよかったですが、ちょっと間抜けな展開に思えてしまったのは筆者だけでしょうか…。散々自分を翻弄した主治医を殺さなかったのが意外で、これまでのトミーだったら絶対に撃っていたはず。
この展開が映画版への付線になりそう?という気もして、トミーは善良になりたいとリジーに語っていたし、これを機にトミーは悪から善へと生まれ変わるのかもしれません。
シーズン7が実現しなかった理由
『ピーキー・ブラインダーズ』のクリエイターのスティーヴン・ナイトは、当初はシーズン7までをを計画していたが、新型コロナウィルスのため撮影の中断を余儀なくされたと明かしています。
パンデミックによって1年間の制作期間を失い、シーズン7を映画に置き換える要因になったといい、続編映画は開発中でありこれまでの物語を完結させ、さらなる物語を用意するためのスピンオフもありえることを示唆しています。
米サイトRadioTimesの独占取材にスティーヴン・ナイトは「第二次世界大戦の知られざる物語が描かれ、そこにピーキーたちが関わっていくんだ。」と話しています。
映画版はいつ?ストーリーはどうなる?
クリエイターであるスティーブン・ナイトは、ドラマを引き継ぐ映画を製作することを公言していますが、ハリウッドのストライキによってほとんどのが延期され、正確なスケジュールを知ることは難しい状態です。
トミー役のキリアン・マーフィーが『オッペンハイマー』で大成功を収めたことで、『ピーキー・ブラインダーズ』の制作にとって大きな追い風となった模様。
『オッペンハイマー』は今年最も話題になった映画のひとつとなり、キリアンのスター性を高めたことは確かです。ナイト氏は映画は第2次世界大戦が舞台となるため、”同じようで違う “ものになると発言しています。
『ピーキー・ブラインダーズ』の6シーズンは、1919年から1933年までのシェルビー家の物語が描かれましたが、脚本家が映画版『ピーキー・ブラインダーズ』の舞台は1939年に始まった第2次世界大戦中であることを明かしています。
映画版が実現するのであればトミーとモーズリーとの決着、フィンとデュークの対立も描かれそうです。
参照記事:Peaky Blinders Season 7: Will More Episodes Get Released?
『ピーキー・ブラインダーズ』シーズン6のネット上での評判は?
「ピーキー・ブラインダーズ」シーズン6全話鑑賞。正直、息切れ感はシーズン5からあり、更にポリーの不在が追い打ちとなりシーズン6も第5話までは苦しい展開だったのだが、最終話で一気に取り戻した。ドラマ史上に残るのは必至の素晴らしい締め方だった。どうかアーサーが生きてますように。 pic.twitter.com/vr0G44BnO2
— こころにいつもパーカーを (@Parker0049) April 4, 2022
『ピーキー・ブラインダーズ』シーズン6
昨日から見始めてep4まで来たけど、展開があまりにツラ過ぎて胃痛なんだが😔
ソロモンズさんだけが私の救いです。あとポリーの不在は限りなくデカい😢#ピーキーブラインダーズ pic.twitter.com/OcbcT2uG4a https://t.co/SQ8v2PMl3n pic.twitter.com/g94f9LEWg0
— midora (@2GiZPAAu110m0XX) June 12, 2022
『ピーキー・ブラインダーズ』シーズン6まとめ
個人的には最終シーズンとしてはがっかりな仕上がりでしたが、結末となる映画版に期待したいと思います。
本当に制作が実現するのかどうか現時点では分かりませんが、中途半端な終わりのままだと不完全燃焼ですよね。ファンは映画版が制作されるのを楽しみに待ちましょう♪
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