【クエンティン・タランティーノ】ハリウッドの天才監督の成功の軌跡を探る!

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クエンティン・タランティーノは、独特の世界観を持った映画作りで有名な映画監督。他の監督とは一線を画す、才能豊かな監督です。数々の賞を受賞する天才的なセンスの持ち主のタランティーノは、どういう人なのかその成功の軌跡をたどってみました!



クエンティン・タランティーノのプロフィール

生年月日 1963年3月27日(58歳)
出生地 テネシー州ノックスビル
映画監督、脚本家、俳優

生まれはテネシー州で、8歳の時ロサンゼルスに移住。母親は僅か16歳で未婚のままタランティーノを生み、タランティーノは実父には一度も会ったことがないのだとか。

16歳の時に高校を中退して、劇団に入り演技を学びます。マンハッタン・ビーチのビデオショップでバイトをしながら、コツコツと脚本を書いてチャンスを伺っていました。

この時期に書いた脚本『トゥルー・ロマンス』がトニー・スコット監督で映画化されこの脚本をきっかけに脚光を浴び、『レザボア・ドックス』へのチャンスへと繋がります。

オタクから世界的な監督へ

ビデオ屋でバイト

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タランティーノがビデオ屋でバイトしていたのは有名な話。それまでにも映画オタクで映画を観まくっていたタランティーノでしたが、このビデオ屋時代はそれまでにも増して映画漬けの日々だったよう。

タランティーノの映画を観ると分かる通り、日本の映画、漫画、アニメからも相当な影響を受けています。『パルプ・フィクション』では日本刀が小道具と使われ、『キル・ビル』では主演のユマ・サーマンが日本語を話し、栗山千秋など日本の俳優も出演しています。

ゴジラや千葉真一の大ファンで、かなりの日本オタク。『レザボア・ドッグス』は、『仁義なき戦い』の影響を受けています。


映画の専門的な勉強経験はなし

世界的に活躍している映画監督は、著名な大学の映画学科を卒業している人が多い。それとは逆にタランティーノは高校中退で、映画の基礎などは学校で学んでいません。

それでもこれだけの成功を収めているのだから、好きなことをとことん突き詰めるというのは本当に大切なんだな、と思います。本来脚本はタイプするのが普通なのに、彼の場合は全部手書きなのだとか。

しかも字が汚くてスペルもめちゃくちゃで、解読するのが超大変なんだそう(笑)。そういえばタランティーノが日本に来た時に、WONDERFULの綴りにLを二つ付けて、通訳の戸田奈津子さんに間違いを指摘されて顔を真っ赤にしていたという逸話があったっけ。

オタク文化を変えた人

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1980年代はオタク、ギーク、ナードのレッテルを貼られるといじめの対象になって、モテない奴の代名詞みたいな扱いでした。個人的な意見ですがその状況がタランティーノが1990年代に登場して、オタクの流れが変わってきました。

自らオタクの知識をありったけ披露するタランティーノが、これだけの成功を収めたのだからオタクってクールじゃん!みたいな風潮に変わってきたように感じます。

他の人が知らない知識をとことん突き詰め、好きなものを深く追求する…、オタクは実はスゴイ、カッコいいんだ!となってきたわけです。

オタクというレッテルを貼られていたのが、自らオタクを名乗れる世界に変えたタランティーノの功績はとても大きいのではないでしょうか。

 

クエンティン・タンティーノのサクセス・ストーリー

レザボア・ドックス

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『レザボア・ドッグス』の脚本が映画俳優のハーヴェイ・カイテルに認められ、1992年にいきなりこの映画で出演・脚本・監督で映画デビューを飾ったタンティーノ。

何年も下積みするのが当たり前のハリウッドでは、異例の大出世です。『レザボア・ドッグス』以前に1987年に『My Best Friend’s Birthday』を監督&共同脚本で制作していたものの、ほぼ監督経験がないまま『レザボア・ドッグス』で鮮烈デビューを飾りました。

まさにハリウッドのシンデレラ・ボーイ!『レザボア・ドッグス』はカンヌ映画祭に出品され、あまりにもすごい暴力描写に席を立つ人が続出。衝撃的な作風はカルト的な人気を得て話題になり、衝撃のデビュー作となりました。

パルプ・フィクション

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『レザボア・ドッグス』で衝撃のデビューを飾った後、1994年に『パルプ・フィクション』を監督。監督以外にも脚本と出演をこなし、3つのストーリーが異なった時系列で進むユニークな作りが話題となりました。

なんとデビューから2作目の『パルプ・フィクション』でカンヌ映画祭のパルムドールを受賞し、アカデミー賞に7部門ノミネートされ脚本賞を受賞という快挙をなし遂げたタランティーノ。この時まだ31歳というから、異例のスピードでハリウッドで大成功を収めた監督です。

今までにない独特の作品

タランティーノのすごいところは、その作風。『レザボア・ドッグス』『パルプ・フィクション』にしても暴力描写がスゴイのですが、それを差し引いても観る価値のある鮮烈な作風が魅力。

映像やユニークなストーリーなど、今までのハリウッドとは一線を画す作品になっています。当時タランティーノの映画を観た人たちは度肝を抜かれて、その新しい才能の誕生に歓喜しました。

一歩間違えばB級映画になりそうな作品を、最高にクールな作品に昇華させる手腕は本当におみごと。まさにタランティーノ独自の世界観とタンティーノ節の効いた、彼にしか作れない映画なのです。

作る作品が全て衝撃的なのが彼の映画の特徴。タランティーノが2000年代以降に活躍する監督たちに、多大な影響を与えたことは確かなのではないでしょうか。


監督&脚本家

タランティーノのすごいところは、自らの監督作の全作品の脚本を書いていること。監督作を全部自分で執筆する監督はそうそういないですよ。

そのため1992年の『レザボア・ドックス』から現在まで、タランティーノの監督作は29年間で10本のみ。監督としてはかなりのスローペースなのも、自分の監督作は自ら脚本を執筆するからです。

自分の書きたいストーリーを自分の世界観で描き、それを監督する。本当に作りたものしか作らない、映画人として妥協を許さない誇りのようなものを感じます。

クエンティン・タランティーノのおすす映画5選

レザボア・ドックス

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タランティーノ作品で絶対はずせないのが『レザボア・ドックス』。ジョー・カボットは宝石強盗をするために犯罪者6名を集め計画を実行するも、現場には警察が待機していて6人はピンチに陥ります。

果たして6人の中の誰が裏切り者なのか…、裏切り者を見つけるために壮絶なバトルが展開することに。日本のヤクザ映画を彷彿させる、仁義なき戦いが繰り広げられます。

ほとんど倉庫の中で物語が進行する密室劇のようで、窒息しそうなほどのスリルを味わえます。逆進行で進むストーリーや犯罪者6人の個性の描写など、これがデビュー作というのが信じられない傑作映画。

パルプ・フィクション

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3つの話が微妙にシンクロしながら異なる時系列で進んでいく、ユニークな作品。やっぱりタランティーノって天才だ!と思わされる映画。普通、こういう話って書けないですよ。

時系列が結構めちゃくちゃな感じなんですが、ちゃんと筋が通っている。ぶっ飛んでるタランティーノ・ワールドを思いっきり堪能できる、これまた最高傑作。

『レザボア・ドックス』では個性派俳優を集めたタランティーノですが、『パルプ・フィクション』ではジョン・トラボルタやブルース・ウィリスを起用したのが意外でしたが、みんな役にドンピシャとハマっててビックリでした。

キャリアが低迷してハリウッドから消えかけていたジョン・トラボルタが、この映画で大復活したのは有名です。

トゥルー・ロマンス

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トニー・スコット監督作で、タランティーノは脚本のみで参加している作品。タランティーノの監督作ではないけれど、個人的にとっても好きでめちゃくちゃハマった映画。

主人公のクラレンスに、タランティーノ本人を投影させているのが丸わかり。コールガールに恋した平凡なオタク青年が、足を洗わせるためポン引きを殺します。間違えてコカインが入ったバッグを持ち逃げしてしまい、マフィアに追われてしまうロードムービー。

基本はラブストーリーなんですが、もちろんタランティーノの映画なのでそんな生ぬるい内容ではありません。すさまじいバイオレンスやアクションが絡むのだけれど、主演のクリスチャン・スレーターとパトリシア・アークウェットの純愛が超いいんですよね。こんなすごいラブストーリーってなかなかありません、男性にもぜひおすすめです!

キル・ビル

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『キル・ビル』はVol. 1とVol. 2があるんですが、どっちもオススメ!元殺し屋のブライドは結婚式で襲撃され4年間昏睡状態で過ごし、お腹にいた子供を亡くしてしまいます。

昏睡状態から目覚めたブライドは、自分を傷めつけた組織のボスであるビルと殺し屋に復讐することを誓います。

日本からは栗山千明や國村隼が出演し、思いっきり日本をヒューチャーした作品。映画『スワロウテイル』を手掛けた種田陽平が、アートディレクションを担当したことでも話題になりました。

カンフーや剣劇をふんだんに取り入れた、こだわりが詰まったタラちゃんワールドが炸裂!やっぱりタランティーって最高!と思える映画です、必見!

イングロリアス・バスターズ

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第二次世界大戦中のナチス統治下にあるフランスで、「ユダヤ・ハンター」と呼ばれるナチス親衛隊のランダ大佐はフランスの田舎に暮らすユダヤ人一家を見つけ惨殺。少女のショシャナだけが追手から逃れます。

ユダヤ系アメリカ人8人からなる秘密特殊部隊を率いるアルド・レイン中尉の物語と、後に映画館を経営するシャウナの話がシンクロして描かれる5章に分かれたストーリー展開。

タランティーノ流に第二次世界大戦中のナチスを、独特の切り口で描いた作品。ナチスのプロパガンダ映画のプレミアを中止させる方法が、タランティーノの映画愛に対するオマージュを感じさせます。

昔のタランティーノの映画に比べると、最近のタランティーノ映画は前半の前振りがちょっと長くなってきたな、という印象。それでもタランティーノ節は健在で、最初から最後までタラちゃんワールド全開で魅せてくれますよ。

 

 

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