Netflix映画『ブラックサン』修道院の秘密が明かされる、ゾクっとする秀作ホラー映画

出典元:https://www.heavenofhorror.com/

修道院の過去の秘密が次第に明かされていく、スタイリッシュかつクオリティの高いスペイン製ホラー映画。本作のあらすじ・キャスト・感想・ネタバレなどを、ネタバレあり&なしで早速チェック♪



『ブラックサン』概要

製作・配給:Netflix
配信日:2023年10月27日
原題:Sister Death(英題)
ジャンル:ホラー、サスペンス
製作国:スペイン
監督:パコ・プラサ
対象年齢:16歳以上
上映時間:1時間30分
日本語吹き替え:なし

『ブラックサン』あらすじ(ネタバレなし)

ナルシサは子供の頃、不思議な力を持つ聖少女と呼ばれていた。成長して修道生となり、元修道院だった女学校の教師として赴任する。ナルシサの泊まっている部屋に古い箱があり、そこには写真や手紙が入っていた。

ナルシサは女学校に来て以来、突然の物音や椅子が倒れるなど奇怪な現象に遭遇する。

奇妙な出来事が続き、ナルシサは修道院で過去に何かあったのではと探りをいれ、修道院に隠された秘密が明らかになっていく。

『ブラックサン』感想&海外評価(ネタバレなし)

ROTTEN TOMATOES:批評家スコア78% 視聴者スコア87%
IMDb:5.9(10点中)
おすすめ度:★★★★☆
ストーリー:★★★★☆
エンタメ性:★★★☆☆
感動:★★★☆☆

個人的にホラー映画は苦手なのですが、『ブラックサン』は実にスタイリッシュでクオリティの高い作品に仕上がっていると思います。よくあるスプラッターホラーではなく、ゾクっとするような心理的に怖いホラーのジャンルに入るのではないでしょうか。

映像が美しく、何だかとっても格調が高い雰囲気。ストーリーも3章に分かれていて、前半はややスローテンポながら、後半にかけて盛り上がりを見せ怖さもスケールアップ。

全体的に静かな印象なのに、時折はさむ大きな物音や叫び声の効果音が恐怖をあおります。ホラー映画は内容が薄っぺらいものが多いですが、本作はストーリーがしっかりとあるまっとうなホラー映画で見応えがあります。

普段ホラーは観ないという方も、楽しめる作品なのではないでしょうか。Netflix の『エクリプス』の前日譚にあたるそうで、筆者はまだ視聴してないので『エクリプス』もぜひ観てみようと思います。

ホラー好きの方はもちろん、ゾワッとするサスペンスが好きな方にもおすすめです。


『ブラックサン』キャスト

シスター・ナルシサ(アリア・ベドマル)

子供の頃聖少女と呼ばれ、修道生となり女学校に教師として赴任する。そこで不可解な現象に悩まされていく。

シスター・フリア(マル・バルディビエソン)

女学校の修道女。かつて修道院であった出来事を知っている。

シスター・ソコロ(アルムデナ・アモール)

昔修道院にいた修道女。既に亡くなっており、修道院に彼女のお墓がある。

ロサ

女学校の生徒。ナルシサと共に修道院の秘密を探っていく。

 

『ブラックサン』全あらすじ・ラスト結末(ネタバレあり)

1939年のスペイン、少女のナルシサは聖母マリアの面影を見たとされる不思議な力を持ち、人々から崇められていた。10年後、教区は修道院を修復して貧しい少女たちのための女学校を開き、修道生となったナルシサが教師として赴任してくる。

ナルシサは学校内にある部屋をあてがわれるが、棚の奥深くに置いてあった箱を見つけ、中にはシスター・ソコロの写真やシスター・イネスに宛てた手紙が入っていた。それ以後急にドアがしまったり、椅子が倒れるなど奇妙な現象が起こって驚く。ナルシサは学校の地下で物音を聞いて降りていくと、戦後行方不明になっていた聖マルタの手を見つける。

ナルシサは夢でシスター・イネスに目玉を食べさせられる夢を見て、悲鳴を上げて目を覚ます。ナルシサの生徒のロサと妹は、ナルシサと同じく奇妙な物音に気付いており、「あの子」がいると言う。ロサと妹が夜中にトイレで、はさみが落ちているのも見つける。浴槽の水が湧き上がり浴槽に髪の毛がたまっており、部屋で寝ていた少女の髪の毛が突然切られ、はさみを持っていたロサが疑われてしまう。

ロサは浴槽の中で少女が助けを求めていたと話すが、誰も信じない。ナルシサの部屋にあった箱の中からはさみが消えていて、ロサは黒板に名前が書かれたら呪われると言いナルシサはロサの話を信じる。壁に誰かが首を吊ったような奇妙な落書きがあり、日に日に落書きが足されていく。

ロサの名前が黒板に書かれるがナルシサは彼女を守ると約束し、謎の少女に会いたいと思いロサの助けを求める。ナルシサはハングマンの落書きを仕上げるよう主張し、ロサはナルシサと共に最後の足を書き足すが、その後ロサが首を吊って死んでいるのが発見される。

悲しみに暮れたナルシサは学校を去るが、シスター・フリアが探しに来てナルシサに触れたとき、ナルシサは戦時中の出来事を目の当たりにする。兵士たちは修道院を荒らし多くの修道女を傷つけ、シスター・ソコロは性的虐待を受けて妊娠してしまう。ソコロは女児を出産するが他の修道女たちはそのことを秘密にし、ソコロの娘が病気になったとき、娘を病院に連れて行かずバスタブの水で熱を冷まそうとした。

娘は暴れ浴槽で頭を激しくぶつけて死んでしまう。娘が死んで絶望したソコロは首を吊って自殺し、自殺した部屋がナルシサが寝泊まりしている部屋で、椅子が倒れる現象はソコロが首吊りの時にその椅子を使ったためだと分かる。ナルシサは自分の能力で、ソコロの霊を子供の死の復讐を果たせるように解放したのだった。

ソコロは娘の死の原因となったシスター・フリアと修道院長を殺し、その後ソコロは娘と再会する。数年前、幼い頃にシスター・ナルシサはこの再会を幻視で見ており、ナルシサがここに来た目的が成就した。1991年、年老いたシスター・ナルシサが女学校に文学教師として赴任し、ヴェロニカという少女と視線を交わす。


『ブラックサン』見どころ・解説・考察(ネタバレあり)

まっとうなホラー映画の秀作

ホラー映画は人が次々と死ぬ流血シーンばかりで内容が薄っぺらいものが多いですが、『ブラックサン』は最初から最後まで緊張感を高めながら、忍び寄る恐怖を味わえるまっとうなホラー映画です。

修道院の秘密と学校で起こる奇怪な現象がうまくリンクしていき、ストーリーを盛り上げる映像美とビクッとさせる効果音も抜群。全体的に静かな印象ですが、後半に盛り上がりを見せそのストーリーに引き込まれてしまうはず。

ストーリーがしっかりとあるので、ホラー映画という枠に一括りにせずに楽しめて、普段ホラーはあまり観ないと言う方にもおすすめです。

ナルシサの能力と修道院の秘密

ナルシサは少女の頃特別な能力を持つペロブラスコの少女と呼ばれ、崇められていました。修道生となり女学校に教師として赴任してきますが、ナルシサがここにやってきたのには理由があったのです。

子供の時のような能力を発揮できなくなっていたナルシサですが、女学校に来てから妙な物音や怪奇現象を目にすることに…。ナルシサが使用している部屋は、かつて修道院で首を吊って死んだシスター・ソコロの部屋。

ソコロは戦時中に兵士によってレイプされ、子供を宿し出産して修道院で育てていました。他の修道女たちはそのことを秘密にしていたため、娘が熱を出したときに病院に連れて行かず、浴槽の水で熱を冷まそうとします。

ソコロは部屋に閉じ込められ助けに行けず、暴れた娘は浴槽で激しく頭を打って死んでしまうことに…。絶望したソコロは首を吊って自殺し、その後部屋を利用するようになったナルシサがソコロの遺品を見つけます。

特別な能力のあるナルシサがソコロの遺品に触れたことで、ソコロの霊が呼び起こされたようです。ナルシサはソコロの霊を解放し、娘を死に追いやった修道女たちに復讐を始めます。

ナルシサが女学校へやってきた理由が成就することになるわけですが、どうしてロサが死ぬ必要があったのか?と思えてなりません。

結末の解説

結末では1991年に年老いたナルシサが、マドリードにある女学校に文学教師として赴任します。そこでヴェロニカという名の生徒と視線を合わせ、親しげな微笑みを交わして映画は終了。

ブラックサン』はNetflix映画『エクリプス』の前日譚で、ラストのシーンが『エクリプス』との接点になっています。

『エクリプス』の原題は『Verónica』で、ストーリーは「1991年のマドリード、妹達の世話に追われるヴェロニカは降霊術で霊を呼び出そうとする。やがて呼び出した邪悪な”何か”は、決して彼女を逃がさないことを悟る。」となっています。

ラストシーンがブラックサン』と『エクリプス』を繋げる形となっていて、邦題の『エクリプス)』は日食という意味ですが、『ブラックサン』では日食のシーンが効果的に使われています。

筆者は『エクリプス』をまだ視聴していないので、ぜひ観てみようと思います。


『ブラックサン』のネット上での評判は?

『ブラックサン』まとめ

普段あまりホラー映画は観ないし好きなジャンルではありませんが、本作はスタイリッシュな映像美としっかりとしたストーリーのあるホラー映画の秀作です。

ホラー映画好きの方や怖いサスペンスが好きな方におすすめで、Netflixに加入されている方はぜひチェックしてみてください♪

ブラックサン』が好きな方におすすめのレビュー記事↓

 

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