Netflixドラマ『すべての見えない光』ナチス占領下のフランスを舞台に繰り広げられる、ドラマチックなヒューマンドラマ

出典元:https://www.netflix.com/

アンソニー・ドーアによる、ピューリッツァ賞受賞のベストセラー小説をドラマ化したリミテッドシリーズ。ナチス占領下のフランスで、盲目の少女とドイツ兵の運命がリンクしていくドラマチックな物語。本作のあらすじ・キャスト・感想・結末などを、ネタバレあり&なしで早速チェック!



『すべての見えない光』概要

製作・配給:Netflix
配信日:2023年11月1日
原題:All the Light We Cannot See
ジャンル:ヒューマンドラマ
製作国:アメリカ
原作:アンソニー・ドーア
制作:ショーン・レヴィ、スティーヴン・ナイト
対象年齢:16歳以上
エピソード数:全4話、1話約60分
日本語吹き替え:なし

『すべての見えない光』あらすじ(ネタバレなし)

盲目の少女マリーはナチス占領下のフランスの町サン・マロで、爆撃の最中もラジオ放送を続けている。

ドイツ兵のヴェルナーはマリーの放送が違法行為で死刑に値すると知りながらも、いつも放送を密かに聴いている。

マリーの発信するラジオは周波数13.10で、ヴェルナーにとってこの周波数は特別な思い入れがあるからだった。

マリーはナチスが侵攻したパリから父ダニエルと一緒に、エティエンヌ大叔父さんの家に疎開するが、ダニエルはある物を隠し持っていた。

ダニエルの持つある物を探しにゲシュタポの追手が迫り、ヴェルナーは違法放送を続けるマリーを見つけるようにと命令されてしまう。

『すべての見えない光』感想&海外評価(ネタバレなし)

ROTTEN TOMATOES:批評家スコア27% 視聴者スコア80%
IMDb:7.9(10点中)
おすすめ度:★★★☆☆
ストーリー:★★★★☆
エンタメ性:★★★☆☆
感動:★★★★☆

『すべての見えない光』はピューリッツァ賞受賞のベストセラー小説を基に、『ストレンジャー・シングス』のショーン・レヴィと、『ピーキーブラインダーズ』のスティーヴン・ナイトが制作しています。

マーク・ラファロやヒュー・ローリーといった実力派が揃っているし、かなり期待していたのですが全体的に普通の印象でした。最後まで退屈せずに観られるのですが、何かグッと引き付ける吸引力が足りない気が…。

ナチス占領下の危険な場所で、敵国同士の盲目の少女とドイツ兵が運命に導かれるドラマチックな設定と、お膳立てが揃っているのに仕上がりが薄い印象です。

つまらないわけではないけれど、この制作陣とピューリッツァ賞作品という土台があるにしては何かが足りない気がしてしまいました。

原作を読んでいないので何とも言えないのですが、色々な物語を全4話に無理やり押し込めた感じがして散漫になってしまったように思います。

フランスが舞台で登場人物がドイツ人とフランス人なのに、台詞の全部が英語(笑)。せめて3ヵ国語ぐらい使って、ヨーロッパが舞台ということに説得力を持たせてほしかったです。

それでも作品の持つメッセージは伝わって来たし飽きずに最後まで楽しめるので、短いエピソード数の海外ドラマを観たいときにおすすめです。


『すべての見えない光』キャスト

マリー・ルブラン(マリア・ミア・ロベルティ)

ラジオが大好きな盲目の少女。フランスの海辺の町サン・マロで、爆撃の最中もラジオ放送を続けている。

ヴェルナー・ペ二ヒ(ルイス・ホフマン)

ドイツの通信兵。子供の頃からラジオや無線機の組み立てが得意で、周波数13.10に特別な思い入れがある。

ダニエル・ルブラン(マーク・ラファロ)

マリーの父親で、パリの博物館の職員。ナチスがパリに侵攻後、ある物を博物館から持ち出す。

エティエンヌ(ヒュー・ローリー)

マリーの大叔父。第一次世界大戦の経験がトラウマとなり、20年間家に引きこもっている。

ラインホルド(ラース・アイディンガー)

ナチスの将校。ダニエルが隠し持っている物を奪うため、ダニエルとマリーのいる場所を必死に探している。

 

『すべての見えない光』全あらすじ・ラスト結末(ネタバレあり)

出典元:https://www.netflix.com/

盲目の少女マリーはナチス占領下のフランスの町サン・マロで、爆撃の最中もラジオ放送を続けている。ドイツ兵のヴェルナーはマリーの放送が違法行為で死刑に値すると知りながらも、いつも放送を密かに聴いている。マリーの発信するラジオは周波数13.10で、ヴェルナーにとってこの周波数は特別な思い入れがあるからだった。

周波数13.10でフランスに住む教授と呼ばれる人物が、世の中について語り、ヴェルナーとマリーは子供の頃から教授の話をラジオで聞くのが楽しみだった。ナチス将校のラインホルドは呪われた宝石と呼ばれるダイヤモンド「炎の海」を探しに、サン・マロへやってくる。「炎の海」はパリの博物館に保管され、マリーの父のダニエルはパリの博物館の職員で「炎の海」を管理していた。

ナチスがパリに侵攻した際、ナチスの手に渡らぬようダニエルはダイヤを持ち出し、叔父のエティエンヌが住むサン・マロに疎開する。マリーはエティエンヌと初めてあったとき、その声に聞き覚えがあることに気付き、エティエンヌが教授だと悟る。マリーはエティエンヌの指示通り「海底2万マイル」の章をラジオで朗読し、この朗読が戦争に勝つための必要な暗号となっていた。

ドイツ軍は敵国からピンポイントで攻撃されていることから、誰かが秘密の暗号を発信していると疑う。サン・マロの町は閉鎖され食料が底をつき、マリーはオイスターを取りに海辺の洞窟へ行くが、そこでラインホルドが待ち受けていた。マリーはラインホルドが「炎の海」を探していることを知るが、ラインホルドを石で殴り必死にその場から逃げた。

ヴェルナーは違法な電波を探知しないと妹を殺すと上官に脅され、マリーの居場所をつきとめるが、その場で上官を射殺する。ちょうど現れたエティエンヌは、ヴェルナーが上官を射殺しマリーに関心を持っていることを不思議に思い、詳しく話を聞き出す。

サン・マロに来たばかりのとき、ダニエルは目が見えないマリーが町を歩けるよう町の模型を作るため、町を歩いて歩数を測っていた。その奇妙な姿が人目を引き、レジスタンスの一員ではないかと噂になってしまう。実はマリーの大叔母のソフィは老婦人レジスタンスを結成しており、敵軍の情報を集めていたのだった。ダニエルがレジスタンスの疑いをかけられ注目されるのは大きな問題で、ダニエルはパリへ行き自分とマリーがスペインへ渡ったと噂を流すためパリへ戻る。

ダニエルは作製した町の模型の家の中に「炎の海」を隠し、マリーに隠し場所を秘密にしていた。ヴェルナーはエティエンヌと話し、彼が教授だと知る。サン・マロにアメリカ軍がやって来るが、ドイツ軍との戦火の中ヴェルナーとエティエンヌは爆風で吹き飛んでしまう。エティエンヌは重傷を負い、マリーのことを頼むと言って息を引き取る。ラインホルドがマリーの家を突き止めて現れ、自分がダニエルを殺したと話す。怒りに燃えるマリーは銃で対抗し、ヴェルナーがマリーの元へかけつける。

マリーとヴェルナーは協力してラインホルドを追い詰め、マリーに頭を撃たれたライホルドが町の模型の上に倒れると、模型の中からダイヤモンドが転がり落ちた。ヴェルナーとマリーはお互いの気持ちを確かめ合い、ヴェルナーは無線機から妹のユッタに自分が生きて無事だとメッセージを送る。二人は13.10で再会することを約束し、ヴェルナーはアメリカ軍に降伏し捕虜となり、マリーは「炎の海」を海の中へ投げ捨てた。


『すべての見えない光』見どころ・解説・考察(ネタバレあり)

4つの交差する物語…、ちょっと失敗⁉

『すべての見えない光』は第2次世界大戦のナチス占領下のフランスを舞台に、ラジオと呪われた宝石「炎の海」に翻弄されていくヒューマンドラマ。

盲目の少女マリーと父ダニエルの物語、エティエンヌの物語、ヴェルナーの物語、呪われた宝石「炎の海」の4つのストーリーを軸に、それぞれの物語が交差していきます。

個人的には全4話にあれこれ詰め込み過ぎている気がして、それぞれの物語をうまく描き切れず散漫な印象が残りました。すごくドラマチックな物語なのにあまり胸に刺さってこず、全てお膳立てが揃っているのに全体的に陳腐で薄っぺらく感じてしまいました。

ピューリッツァ賞受賞のベストセラー小説が基になっているのに、すごく残念な印象です。もう少しエピソード数を増やして、各ストーリーを深堀して描いた方がよかったのではと思えてなりません。

運命を引き寄せる周波数13.10

出典元:https://www.thewrap.com/

敵国同士のマリーとヴェルナーが周波数13.10のラジオを通して、運命に導かれるように引き寄せられていく過程がとってもドラマチック。

子供の頃から教授が発信するラジオを聴いて育った二人は、戦火の中周波数13.10を通じてお互いの存在を知ることになります。ヴェルナーにとって特別な思いのある13.10から聴こえるマリーの声は、苦しい戦争の中で唯一の光でもあるわけです。

マリーとヴェルナーは「教授」のラジオを聴いて育ったと言う共通点がありますが、教授の正体は最初からバレバレ(笑)。いかにも教授の風貌のエティエンヌが登場したとき、すぐに分かってしまいました。

ラストシーンでドビュッシーの月の光を聴きながら、二人が躍るシーンが印象的。戦争で傷ついた二人が教授の放送を子供の頃に聴いていた思い出を思い返しながら、これまでの経験すべてを受け止め、しっかりと抱き合うシーンに胸キュンしてしまいます。

ラストにたどり着くまでにヴェルナーがマリーの声を聴いているうちに、恋に落ちたという感情表現が足りなかったのが残念なポイントです。

「炎の海」とラインホルド

触れると呪われるといういわくつきのダイヤモンド、「炎の海」も物語のキーポイントになっています。マリーの父親のダニエルは博物館の職員で、博物館に保管されてる「炎の海」がナチスの手に渡らないよう密かに持ち出しラインホルドに追われることに。

ラインホルドの目的は「炎の海」を手に入れ自分の病気を治すことですが、ダイヤを手に入れたら本当に病気が治ると信じていたのでしょうか?

それにしても病気とは思えない執拗さを発揮して、ダイヤを見つける目的が彼を元気にさせていたようにも見えました。

何とか手に入れようと執拗にマリーを追いかける執念がものすごく、彼の悪役っぷりがドラマにスパイスをプラスしています。


『すべての見えない光』のネット上での評判は?

『すべての見えない光』まとめ

期待しすぎていたせいかそれほどでもなかったという印象で、多少がっかり感はありました。それでも最後まで飽きずに観られるし、ドラマチックなヒューマンドラマが好きな方におすすめです。Netflixに加入されている方は、ぜひチェックしてみてください♪

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