64歳でフロリダ海峡(177キロ)を泳いで渡った、ダイアナ・ナイアドの実話を基に制作されたヒューマンドラマ。絶対に諦めない不屈の精神が感動を呼びます。本作のあらすじ・キャスト・感想・結末など、ネタバレあり&なしで早速チェック♪
『ナイアド 〜その決意は海を越える〜』概要
配信日:2023年11月3日
原題:Nyad
ジャンル:ヒューマンドラマ
製作国:アメリカ
原作:ダイアナ・ナイアド
監督:ジミー・チン、エリザベス・チャイ・バサルヘリィ
対象年齢:13歳以上
上映時間:2時間1分
日本語吹き替え:なし
『ナイアド 〜その決意は海を越える〜』あらすじ(ネタバレなし)
ダイアナ・ナイアドはマラソンスイマーで数々の新記録を作ってきたが、28歳の時に挑戦したフロリダ海峡横断は失敗に終わってしまう。
60歳になり30年間辞めていた水泳を再び始め、フロリダ海峡縦断に挑戦することを決意する。親友のボニーにコーチを頼み、スポンサー探しや遠征の準備を整えていく。
ついにキーウェストからキューバに向けて泳ぎ出したダイアナだったが、行く手には数々の困難が待ち受けていた。
『ナイアド 〜その決意は海を越える〜』感想&海外評価(ネタバレなし)
IMDb:7.1(10点中)
おすすめ度:★★★★★
ストーリー:★★★★★
エンタメ性:★★★★★
感動:★★★★★
本作は筆者の大好きなドキュメンタリー監督のジミー・チンの監督作品で、ものすごく楽しみにしていました。結果から言うと、今年視聴した映画の中でダントツNo.1に決定!ダイアナが還暦を超えてから前人未踏の挑戦に挑む不屈の精神が本当にすごいし、絶対に諦めない強さが何ともあっぱれ。
作品全体がものすごく力強くて、エネルギーに満ち溢れている素晴らしい作品です。女性が主役なのにすごく男気のある映画で、こんなに心を揺さぶられる作品は久しぶりに観た気がします。
64歳で177キロを不眠不休で泳ぎ切るとは、もう人間とは思えないとんでもないレベル!筆者はクロールで20メートル泳げるかどうかもかなり怪しい…。
実話がベースなので結果は分かっていても、最後は言葉にならないほどの感動を味わえます。後半はダイアナが泳いでる姿を見ているだけで、涙がこみ上げてきてしまうほど。
何歳になっても挑戦することの大切さ、成功するまで諦めてはいけないというメッセージが込められた作品です。アネット・ベニングとジョディ・フォスターの演技も素晴らしく、二人の友情と絆も胸熱で感動を呼びます。
感動ストーリーでもお涙頂戴的なクサい展開は一切なく、リアリティたっぷりのストーリーと人間模様を見せる手腕は、さすがドキュメンタリー出身の監督だけあるなと感じました。
ダイアナが泳いでいるときに起こるさまざまなトラブルや苦難にもハラハラどきどきさせられたし、2時間という尺を全く感じさせないテンポのよさも見事です。
トータルで満足度の高い作品で、見応えのあるヒューマンドラマが好きな方におすすめです。絶対に観て損はない素晴らしい作品で、きっと元気をもらえるはず!
『ナイアド 〜その決意は海を越える〜』キャスト
ダイアナ・ナイアド(アネット・ベニング)
引退した水泳選手。28歳の時に挑戦したフロリダ海峡縦断に失敗したことが忘れられず、60歳になって再び挑戦することを決意する。
ボニー(ジョディ・フォスター)
ダイアナの30年来の親友。ダイアナに頼まれてコーチを引き受ける。
バートレット(リス・エヴァンス)
ダイアナの挑戦を手助けする航海士。ダイアナが安全に泳げるよう、ルートをナビゲートする。
ルーク(ルーク・コスグローブ)
サメ対策のエキスパート。
『ナイアド 〜その決意は海を越える〜』全あらすじ・ラスト結末(ネタバレあり)
ダイアナ・ナイアドはマラソンスイマーで数々の新記録を作ってきたが、28歳の時に挑戦したフロリダ海峡縦断は失敗に終わってしまう。60歳になり30年間辞めていた水泳を再び始め、フロリダ海峡縦断に挑戦することを決意する。親友のボニーにコーチを頼み、トレーニングを始めメキシコへ遠征へ行く。水の温度が冷たくダイアナは4時間でギブアップしてしまうが、その後8時間泳ぐことに成功する。
外洋での水泳はサメなどの海洋生物の危険があり、28歳の時の挑戦では特別仕様のケージの中で泳いだが費用に15万ドルかかってしまった。当時はスポンサー探しも簡単で資金もすぐに集まったが、60歳の挑戦に企業は難色を示して資金調達に苦労する。50万ドルの資金が必要で、ダイアナは女性にフォーカスしてスポンサーを探し資金調達に成功。
今回はケージを使わずに泳ぐことになり、サメ対策専門のルークを雇い、音でサメを遠ざけるシールド装置を使うことになる。前回の失敗は潮に流されルートから外れたことが原因で、ダイアナはフロリダ海峡の潮とルート計算ができる熟練航海士のバートレットに依頼する。準備が整いついにフロリダ海峡横断に挑むことになるが、途中肩の痛みのために飲んだ鎮痛剤にアレルギー反応を起こし、潮に流され棄権する。
7週間後に再挑戦するが、ダイアナは何かに刺されて叫び声をあげ、救命士が飛び込んで助けに行くが彼も刺されてしまう。ハコクラゲという猛毒のクラゲで、すぐに解毒剤を打ち容体が安定したため続行する。今度はクラゲに顔を刺されて危険な状態になり、挑戦を断念する。ダイアナは水泳中は極度の疲労で幻覚を見る事が多く、子供時代のことをよく幻覚で見る。暴力的な継父との関係や、水泳コーチに性的虐待された辛い経験があり、決して恵まれた子供時代ではなかった。
再度挑戦するにはハコクラゲの対策をする必要があり、ダイアナはハコクラゲの専門家を見つけ特注のスーツとマスクを作製した。3度目の挑戦の前、若い女性スイマーが同じ挑戦に挑むが、彼女もハコクラゲに刺され11時間でリタイアしてしまう。62歳で4度目の挑戦に挑むが、バートレットが天候に難色を示すなかダイアナは決行する。
海は大荒れとなり船が浸水の危機に直面し、ダイアナの居場所も一時見失うなど続行できる状況ではなく中止する。ダイアナはまだ諦めていないが、ボニーはダイアナの自分のことばかりで周りの犠牲を考えない性格についていけないと言って辞めてしまう。バートレットも生活があると言って断り、ダイアナは他のチームメンバーを探す。ダイアナはボニーに自分の行動を謝り、二人は仲直りする。
2013年、キューバにいるダイアナの元へボニーが現れ、5度目の挑戦に自分も付き合うと言う。バートレットは病気になり、最後の冒険だと思い再びチームに加わる。天候に恵まれ順調にダイアナは泳ぎ続けるが、途中でサメが現れサメ撃退用のシールドが操作せず、ルークが慌てて対処しギリギリでサメを撃退する。夜中にキーウェストの明かりが地平線に見えてきてみんな歓喜するが、ダイアナの泳ぎ方がおかしい。
疲労困憊でクロールがうまくできないダイアナを、ボニーは自ら海の中に入って励ます。キーウェストの明かりを見てダイアナはエネルギーを取り戻し、しっかりとしたフォームで泳いでいく。ついにダイアナがキーウェストに到着し、多くの人々が出迎える。海底に足が着き力をふり絞って岸に歩くダイアナを、ボニーが抱きとめた。ダイアナは64歳で177キロを52時間54分で泳ぎ切り、フロリダ海峡縦断に成功する。
『ナイアド 〜その決意は海を越える〜』見どころ・解説・考察(ネタバレあり)
ダイアナの挑戦
In any biopic, there are bound to be creative deviations from the strictly factual.
Here’s a brief primer on a few key points of what’s fact and fiction in the Netflix film “Nyad,” about swimmer Diana Nyad. https://t.co/8nM7AE5msy— Los Angeles Times (@latimes) November 3, 2023
ダイアナは数々の長距離水泳の記録を打ち立ててきましたが、28歳で挑戦したキューバ~キーウェスト間の縦断に失敗。その後30年間水泳を辞めていましたが、60歳になって再び挑戦することを決心しました。
60歳で170キロの距離を泳いで渡るとは狂気の沙汰で、28歳でできなかったことを60歳でもできると信じる気持ちが本当にすごい。
1回目ですんなり成功するはずはなく、様々なトラブルや事故を経験しながら5度挑戦することになります。普通2度目くらいでやっぱりやめておこう…となりそうですが、ダイアナは全然違います(笑)。
1回失敗するたびに発生した問題をクリアにしつつ、トライ&エラーを繰り返して次につなげていく姿勢が素晴らしい。
ダイアナの絶対に諦めないという不屈の精神と、何歳でも挑戦することをためらってはいけないというメッセージが胸を打ちます。
ダイアナとボニーのロマンシス
“A classic American sports movie, with all of its triumphs and clichés”
Annette Bening plays a real-life swimmer taking on a huge new challenge in #Nyad, streaming on Netflix now.
Read the Empire review: https://t.co/OnxYyxzWbN pic.twitter.com/RJwfhe7Grv
— Empire Magazine (@empiremagazine) November 3, 2023
ダイアナとボニーは30年来の親友で、ダイアナが挑戦に成功したのはボニーがいたからこそ。ボニーなしでは成功はなかったとも言える活躍ぶりで、ダイアナの健康管理、トレーニング、メンタルのサポートをこなしていきます。
ダイアナを励ましすべての面倒を見る姿は、まるでボニーが母親でダイアナが子供のよう。女性の友情はハムより薄いなんて言われますが、二人のロマンシス(ブロマンスの対義語で女性同士の相棒関係を指す言葉)が最高に胸熱♪
女性の友情をがっつり描いた作品は意外に少なく、二人の唯一無二の友情と絆が感動を呼びます。
ダイアナの成長
ダイアナは自己中心的でかなり癖のある性格なのですが、最初は周りの人達の犠牲を考えない自分勝手な考え方にイラっとさせられます。
それが挑戦を通してボニーはもちろん、バートレットやルークの協力があるからこそ、自分が挑戦できていることを実感していきます。
みんなと意見をぶつけ合い喧嘩をしながら、困難を乗り越えてチーム・ナイアドの結束力を築き上げていく過程が見応えたっぷり。
ラストでダイアナが水泳は単独スポーツではなくチーム・スポーツだ!と叫ぶシーンが感動的。ダイアナは5度の挑戦を通して、人間的に大きく成長したのは確かです。
泳ぐのは自分一人でも、チームの協力なくしてこの偉業を成し遂げることはできなかったのは間違いありません。
『ナイアド 〜その決意は海を越える〜』のネット上での評判は?
Netflix映画『ナイアド』観た。
64歳でフロリダ海峡180kmを泳ぎきったダイアナ・ナイアドを描いた実話の物語。
アネット・ベニング、ジョディ・フォスター出演。
キャッチーさはないかもしれませんが、引き入られるような良い作品。
チームが素晴らしい!#Netflix #映画好きと繋がりたい pic.twitter.com/sMqNERcBn6— Almost Famous (@intothegloove) November 3, 2023
『ナイアド その決意は海を越える』(Netflix)
28歳で挫折したフロリダ海峡を泳ぎ切るという夢を、64歳で成し遂げたスイマー、ダイアナ・ナイアドの実話を描く映画。コーチを務める親友との関係性が物凄く良い。恋愛以外で親密な紐帯を結ぶクィア女性たち。
※過去に受けた性的虐待の描写が含まれます pic.twitter.com/GTZnYURHvG— 𝒹𝑜𝓉. (@freedom_ga_suki) November 3, 2023
『ナイアド 〜その決意は海を越える〜』まとめ
久しぶりにこんなに心を揺さぶられる映画を観た気がして、ものすごく余韻に浸りました。間違いなく今年視聴した映画の中でナンバーワンの映画です。
見応えのあるヒューマンドラマが好きな方におすすめで、Netflixに加入されている方はぜひチェックしてみてください♪
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