2018年にアメリカ合衆国で公開されて、話題になったサスペンス・スリラー。物語が全てパソコン上で展開する、今まだになかった斬新な切り口が新鮮な異色作!サンダンス映画祭で観客賞を受賞しただけあって、斬新なだけでなくびっくりのどんでん返しが待ってますよ~。映画のあらすじや見どころを紹介します!
パソコン上で物語が展開!
『search/サーチ』の魅力は何と言っても、パソコン上で物語が展開すること。今までにありそうでなかった斬新な設定がおもしろい!映画を観ているのに、物語がずっとパソコン上で進行するのって不思議な感覚です。
ストーリーの内容的にも何だか他の人のパソコンを盗み見しているような感じで、それだけでもスリリング!低予算映画ながらひねりの効いた設定とストーリーで、最後まで飽きることなく見せてくれます!
『search/サーチ』のあらすじ
デビッド・キムは妻のパムを癌で亡くして以来、一人娘のマーゴットを男手ひとつで育ててるシングル・ファーザー。
ある日マーゴットと突然連絡が取れなくなり、心配したデビッドはマーゴットの友人に連絡を取ろうとするも娘の交友関係を全く知らないことに気付いてショックを受けます。
デビッドは警察に連絡し、ローズマリー・ヴィック刑事が事件の担当に。デビッドも独自で捜査を開始し、マーゴットのSNSのアカウントのログインに成功。
娘の秘密の場所を見つけて現地に向かうと、そこでマーゴットのキーホルダーを発見します。警察はマーゴットの車を湖から引き上げるも彼女の姿はなく、その後ヴィック刑事から衝撃の一報がもたらされデビッドは崩れ落ちる…。
『search/サーチ』の見どころ
新感覚スリラー
テキスト、メール、ビデオ通話、画像、ニュース動画、隠しカメラを屈指して、物語がパソコン上で進むのが何とも斬新。
そのためサスペンスによくあるアクションシーンやカーチェイスは皆無なんですが、それでもこの緊張感を出せるみごとな演出に脱帽!
テキストやメールも多用するので文字を読む回数が多いんですが、字幕慣れしている日本人には全然問題ないレベル。斬新な設定だけでなく、マーゴット失踪の謎を追うミステリー部分もしっかりとしていて驚きのどんでん返しで視聴者を驚かせてくれますよ。
父娘の関係
父デビッドと娘マーゴットとの関係が物語の軸になっています。デビッドは妻のパムが亡くなった後も、娘とはいい関係を築いていると思っていました。
それはデビッドの思い込みで、マーゴットは本当に話したいことは何も父親に話せていなかったことが後から分かりデビッドはショックを受けます。
行方不明になってマーゴットの友人に連絡を取ろうとするも、娘の友人関係すら知らなかったデビッド。家族のことはよく分かっていると思いがちだけれど、実は全然分かっていなかった…。
何だか表面上だけしか娘のことを分かっていなかったデビッドのショックに、同じ親として共感してしまいました。
SNSの怖さ
行方不明になったマーゴットの手がかりを掴むため、デビッドは娘のSNSのアカウントにログインして独自に捜査を開始します。
娘のSNSを見て、今まで知らなかった別の顔や秘密を知って驚くデビッド。SNSを通じて誰とでも繋がれる便利な時代になった分、知らない人とも繋ってしまう可能性が怖いですよね。
実際にSNSで事件に巻き込まれるニュースもよく報じられているので、親としては心配が尽きません…。逆にデビッドはSNSを使ってマーゴットの手がかりを掴むので、SNSは情報の宝庫とも言えます。諸刃の剣になるかどうかは使い方次第、ということでしょうか。
アジア系が主役
パソコン上で物語が展開するだけあって、登場人物も他の映画に比べるとすごく少ないのが特徴。その少ない登場人物のほとんどが、アジア系俳優で占められています。メジャースタジオが配給するスリラー映画で、アジア系が主役を演じるのはアメリカ映画史上初なんだとか。
確かに主役がアジア系の必然性が全くないように思える本作。メジャースタジオ配給ながらそもそも低予算のインディー映画を、メジャースタジオが後から配給権を買った流れなのが大きく関係しているよう。もともとメジャー配給だったら、まずアジア系が主役というのはあり得なかったのでは?
ただ『search/サーチ』が公開する直前に、アジア系俳優が大挙出演した『クレイジー・リッチ』が大ヒットして、今までのハリウッド映画とは違う流れが来ていたのは確か。
監督のアニーシュ・チャガンティと脚本兼プロデューサーのセヴ・オハニアンは、白人ではなくマイノリティー。マイノリティーの二人が携わった映画だけに、白人以外の配役にこだわったのかもしれません。どういう理由であれ、アジア系俳優がハリウッド映画で活躍するのは喜ばしいことですよね!
ジョン・チョー
本作の主役デビッド・キムを演じるのはジョン・チョー。ハリウッドで活躍するアジア系俳優のトップ5に入るのではないでしょうか。
韓国生まれの韓国系アメリカ人で、日本では『スター・トレック』のヒカル・スールー役で知られています。筆者がジョン・チョーを初めて映画で観たのが、アメリカで大ヒットした1999年の青春映画『アメリカン・パイ』。
それ以後もドラマ『フラッシュフォワード』で準主役を演じ、映画『Harold & Kumar Go to White Castle』では主演するなど大活躍。今回の役も娘を心配するあまり、軌道を外して暴走してしまう父親を熱演しています。
デブラ・メッシング
マーゴットの事件を担当する、ローズマリー・ヴィック刑事を演じるのがデブラ・メッシング。大ヒットシットコム『ふたりは友達? ウィル&グレイス』の、主役グレイス役で知られています。
グレイス役のイメージが強くてコメディ演技に定評があるので、本作のシリアスな刑事役は意外な気がしたけれど、しっかりとハマっていて重要な役を演じ切っています。
若干27歳の新鋭監督!
本作の監督は若干27歳のアニーシュ・チャガンティ。インド系アメリカ人で本作が映画監督デビュー作というから驚き!南カリフォルニア大学で映画を学び、グーグルグラスを使用して撮影した短編映画が注目されグーグルのCM制作などで活躍します。
パソコン上で物語が展開する本作で監督デビューし、サンダンス映画祭の観客賞を受賞した大注目の監督。さすがグーグル出身だけあって、その特徴を活かした『search/サーチ』は今までにない新感覚の新しい映画です。
『search/サーチ』まとめ
『search/サーチ』は、ハリウッドの新鋭監督が撮った新感覚のスリラー映画。サンダンスで観客賞を受賞しただけあって、最後まで予想のつかない展開でおもしろかったです!今までにないタイプの映画や、どんでん返しが好きな方におすすめですよ!