テレビドラマと映画の垣根を超えた俳優はこの人!

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現在では俳優がドラマと映画の両方に出演するのは普通のこと。ひと昔前は映画で成功を収めた俳優が、テレビドラマに出演することはほとんどありませんでした。そんなテレビドラマ俳優と映画俳優の間の大きな垣根を取り払った俳優と、テレビドラマ業界の変化について検証していきます!



ドラマ俳優は映画俳優より格下

近年はNetflixやAmazon、ケーブルテレビなどで数多くのドラマが制作されるドラマ戦国時代。かつてはドラマと言えば地上波で制作されるものがメインで、映画俳優とドラマ俳優には格差があったのが事実です。ドラマ俳優は映画俳優より降格で下に見られ、一度ドラマでそれなりの成功を収めるとテレビドラマ俳優というレッテルを貼られてしまいました。

垣根を取り払った俳優は?

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これはあくまで個人的な意見ですが、テレビ俳優と映画俳優の垣根を取り払った俳優はマイケル・J・フォックス!

マイケル・J・フォックスは、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズに出演した人気俳優。80年代の人気テレビドラマ『ファミリー・タイズ』に出演してお茶の間の人気者になり、スピルバーグ製作の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主役に抜擢されて、一躍映画スターの一人に躍り出ます。

順調なキャリアを築くも低身長で童顔のため、コメディ役がまわってくることが多くキャリアに悩みます。コメディ役から脱却すべくブライアン・デ・パルマ監督の『カジュアリティーズ』や、ベストセラー小説を映画化した『再会の街/ブライトライツ・ビッグシティ』でシリアスな役に挑戦。頑張ったものの評価はイマイチで、この頃からキャリアも低迷気味に。


スピン・シティで復活!

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キャリアが低迷していた頃、マイケルは1996年から放送をスタートしたテレビドラマ『スピン・シティ』に出演します。元々テレビドラマ出身とはいえ映画で大成功を収めたマイケルが、再びテレビドラマに戻ったことで落ちぶれたなどと陰口を叩かれたものです。

『スピン・シティ』はニューヨークの市庁舎を舞台にしたシットコムで、マイケルは恋と仕事を両立しながら上手く世渡りしていくマイケル・フラハティ役を軽快に演じました。

『スピン・シティ』のプロデューサーは『ファミリー・タイズ』を制作したゲイリー・デイヴィッド・ゴールドバーグだったこともあり、マイケルの魅力を見事に引き出しドラマは大ヒット!

マイケルは『スピン・シティ』でゴールデングローブ賞のテレビ主演男優賞を3年連続で受賞し、その演技力が高い評価を受け完全に復活を遂げました。

チャーリー・シーンが代役に

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『スピン・シティ』出演後は順調なキャリアを築いていたマイケルでしたが、パーキンソン病を患い俳優活動を断念します。マイケルがドラマを降板した後は、マイケル・フラハティの後任として雇われたチャーリー・クロフォード役をチャーリー・シーンが務めることに。

チャーリー・シーンは、名作『プラトーン』や『メジャー・リーグ』シリーズで人気を博した映画俳優。チャーリーは結婚離婚を繰り返し私生活のトラブルも多かったことから、キャリアが低迷気味になっていた時期でした。

そんなチャーリーも代役で出演した『スピン・シティ』の演技が好評で大復活!『スピン・シティ』の演技でゴールデン・グローブ賞を受賞し、その後は2003~2011年の間『チャーリー・シーンのハーパー★ボーイズ』に主演。

チャーリーのコメディセンスが炸裂する大人気シリーズとなり、全米TV界で最もギャラが高い俳優に上り詰めました。キャリアが低迷していた映画俳優二人が、『スピン・シティ』をきっかけに復活したのです。

 

ドラマ業界の流れが変わった!?

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マイケル・J・フォックスとチャーリー・シーンが『スピン・シティ』で大ヒットを飛ばしてゴールデン・グローブ賞を受賞したあたりから、テレビドラマ俳優と映画俳優の垣根に変化が起きたように思います。

映画俳優がドラマに出てヒットを飛ばしメジャーな賞を受賞したことで、映画俳優がテレビドラマに出ることを良しとしない風潮に少し変化が起きたような気が。少なくともイマイチ映画ではいい役がまわってこずぱっとしない映画俳優が、ドラマに活路を見出すきっかになったのではないでしょうか。

HBOが良質ドラマを制作

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マイケルとチャーリーがテレビドラマで復活した頃、地上波ドラマがメインだったテレビ業界にケーブルテレビが参入してきます。その代表格がHBOで、『セックス・アンド・ザ・シティ』『ザ・ソプラノズ』『アントラージュ★オレたちのハリウッド』『ゲーム・オブ・スローンズ』などの良質なドラマを制作していきます。

1998年に『セックス・アンド・ザ・シティ』がスタートすると、世界中の女性たちを虜にして大ヒット!主演はサラ・ジェシカ・パーカーで、彼女も映画女優で多くの青春映画に出演していたもののイマイチぱっとしなかった一人。『セックス・アンド・ザ・シティ』で一躍時の人となり、キャリアを代表する作品になりました。

HBOがクオリティの高い作品を制作しだしたことで、ドラマ全体の質がぐんと上って行きます。それまで映画製作に力を入れていたハリウッドも、良質なドラマを制作するべくドラマ制作にお金をかけるようになりました。

ドラマのレベルが上ると、それまで映画のみに出演してた人気俳優もドラマ出演するように。グレン・クローズやサリー・フィールドなど、今までドラマに出演することがなかったハリウッドのAリストスターもドラマに出演し始めたのです。


テレビドラマ俳優から映画俳優に

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クオリティの高いドラマが制作されるようになってくると、テレビ俳優の格が上がり始め高い評価を得るように。そうなるとテレビドラマを足がかりに映画出演する俳優が増え始め、だんだんとテレビ俳優と映画俳優の垣根がなくなっていきます。

テレビ俳優から映画俳優へと見事転身して、大成功を収めた代表格がジョージー・クルーニーとブラッドリー・クーパー。

ジョージー・クルーニーはドラマ『ER緊急救命室』のダグ・ロス役で大人気を博し、ERを卒業した後は映画界に進出しハリウッドの大作をはじめ数多くの映画に出演します。映画プロデューサーとしても活躍して、ハリウッドのAリストスターのトップに躍り出ました。

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ブラッドリー・クーパーはドラマ『エイリアス』のウィル・テッピン役を演じた頃から、徐々に映画にシフトしていきます。その後の活躍はご覧の通りで、『世界にひとつのプレイブック』『アメリカン・スナイパー』などの名作に出演。

『アリー/ スター誕生』では主演・監督・脚本・製作を手掛け、アカデミー賞にノミネートされたのは記憶に新しいです。

持論ながらテレビ俳優と映画俳優の垣根を超えた俳優と、ドラマ業界の変化について見ていきました。ドラマが長い歴史の間でどう変わってきたのかを知ることで、ドラマの見方がまたおもしろくなるかもしれません。これからのドラマ業界の動向に目が離せませんね!

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