11月19日に配信されたばかりの『カウボーイビバップ』が、シーズン1のみでキャンセルされることが発表されました。『カウボーイビバップ』のキャンセルの理由と、Netflixドラマのシーズン更新の決め手について紹介します。
Netflixが『カウボーイビバップ』をキャンセル
BREAKING: Cowboy Bebop has officially been cancelled by Netflix. https://t.co/ixsBSn6Ohc pic.twitter.com/iNKHUIkAGM
— IGN (@IGN) December 9, 2021
Netflixが11月19日にシーズン1を配信したばかりの『カウボーイビバップ』を、配信から1ヶ月も経たないうちにキャンセルすることを発表しました。
『カウボーイビバップ』は1998年に放送された渡辺信一郎監督による日本アニメを元に、Netflixがドラマ化。犯罪者を捕まえて賞金を稼ぐ、スパイク・スピーゲル率いるバウンティ・ハンターの物語です。
ドラマ版はアニメ版の持つハードボイルドかつサイバーパンクな世界観とは異なる、アメコミ感の強い作風になっていました。
原作アニメのファンからは賛否両論だったようで、シーズン2への更新には残念ながら至りませんでした。
『カウボーイビバップ』がキャンセルになった理由は?
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『カウボーイビバップ』はNetflixのトップ10ランキングでも長く食い込むことができず、視聴者の興味を引き付けることができなかったことが原因のひとつとされています。
『カウボーイビバップ』の撮影はニュージーランドで行われ、高額の製作費がかかったためシーズン2への更新をクリアするハードルが高かったのも理由です。
原作アニメとは異なる世界観が賛否両論を呼んだのも原因のひとつともいえますが、筆者的にはB級アメコミの世界観がよかったしすごく楽しめたのでシーズン2への更新にならず残念です。
Netflixは同じく日本アニメ『ワンピース』の制作を発表しており、『ワンピース』が『カウボーイビバップ』と同じ結果にならないかと不安視する声もあるようです。
Netflixドラマのシーズン更新の決め手は何?
Netflixは新ドラマが配信されてから28日間の視聴データを確認してから、次のシーズンへ更新するかどうか決定する仕組みになっています。
28日間のデータを集め、シーズンをすべて視聴した契約者や1話だけ視聴した契約者などのデータを分析して更新するかどうかを決定します。
新しいドラマを制作する際、通常は第1話になるパイロット版を制作して放送し視聴率が良ければ続きを作るというシステムです。
膨大な予算があるNetflixはパイロット版ではなく1シーズンを丸ごと制作して配信し、28日間データを取ってシーズン2へ更新するかどうかを決定するシステム。
Netflixにとってシーズン1がパイロット版としての役目になっており、シーズン1の評判や視聴率が振るわなければあっけなくキャンセルしてしまうわけです。
Netflixは質より量を大切にしており、新作ドラマの数も他のプラットフォームに比べると断然制作数が多いのが特徴。
人気のないドラマのシーズン2を作るより、新しいドラマを作ってヒットさせる方が理にかなっているという考え方。
ただ新ドラマが配信されてもすぐにみんなが視聴するわけではなく、後で観ようとマイリストに入れてしばらく忘れてしまう会員もたくさんいるはず。
28日間のデータで更新の有無を決めるのは、少し早い気がしなくもありません。そのためNetflixはシーズン1でキャンセルされるドラマが多くなってしまい、そのことが視聴者離れを起こすのでは?と思う方も多いはず。
ただNetflixは世界190ヵ国以上で配信され、214億人の会員数を誇る世界最大の動画配信サービスです。この事実を考えるとNetflixの28日間のデータ分析がもたらす結果とビジネスモデルは、決して間違っていないと言えるのかもしれません。