『ベター・コール・ソウル』シーズン6第9話:ついにジミーの物語が完結⁉カルテルと関わったツケは大きかった…

出典:https://gamerant.com/

ついにファイナルシーズンに突入した『ベター・コール・ソウル』。大ヒット作『ブレイキング・バッド』の前日譚ドラマは、シーズンを重ねるごとに本家へと近づいていくのも見どころです。シーズン6はNetflixにて毎週火曜日に配信されます。第9話のあらすじや見どころを早速チェック!(エピソードの解説などネタバレを含むため、シーズン6を視聴されてから読むことをおすすめします。)



『ベター・コール・ソウル』概要

製作・配給:製作AMC 配信Netflix
配信日:2015年2月8日
ジャンル:犯罪、サスペンス、ヒューマン・ドラマ
製作国:アメリカ
話数:全63話、1話約45~50分(全6シーズン)
日本語吹き替え:あり

『ベター・コール・ソウル』シーズン6第9話あらすじ

ソウルの事務所に新しい看板が掲げられ、弁護士事務所の経営は順調だった。マイクはソウルとキムのアパートを徹底的に掃除し、証拠を跡形なく消す。

ガスはドン・エラディオの元へ行き、ヘクターとドン・ファンと共にラロについて話をする。マイクはナチョの父親ベルガ氏にナチョの死を報告しに行き、HHMではハワードの通夜が行なわれる。

ハワードの妻シェリルはハワードが薬物中毒だったことが信じられず、ハワードが最後に会ったソウルとキムに話を聞く。キムはソウルとの関係や自らの生き方について考える。

『ベター・コール・ソウル』シーズン6第8話のレビューはこちらをチェック↓

『ベター・コール・ソウル』評価

ROTTEN TOMATOES:批評家スコア98% 視聴者スコア96%
IMDb:8.9(10点中)
おすすめ度:★★★★★
ストーリー:★★★★★
エンタメ性:★★★★☆
感動:★★★★☆

シーズン6第9話の見どころ・解説・考察(第9話とシーズン6のネタバレを含むため要注意)

キムの運命

ファンの間では『ブレイキング・バッド』に登場しないキムの運命がどうなるのかと、さまざまな憶測が飛んでいました。

キムの死亡説、エドのサービスを利用して消える、ガスの顧問弁護士として暗躍するなどさまざまな説がありましたが…。

筆者はエドのサービスを利用するに一票でしたが、第9話でいよいよキムの運命が判明します。

毎回ビックリの展開を用意している本作だけに、キムの運命についても驚きの展開かと思いきや…、一周回って正攻法で攻めてきてまさかのフライングに逆にビックリでした。こうきたか〜!

やっぱりヴィンス・ギリガンとピーター・グールドの世界は侮れない!と、感嘆してしまいました。

マイクの行動

マイクはナチョの死を父親に知らせるために、電話をかけ会いに行きます。マイクはナチョについて、悪党の一味だったが他とは違い善良な心の持ち主だったと父親に話しますが、これは慰めるための言葉ではなくマイクの本当の気持ちです。

実際ナチョは悪に染まりきらず、ある意味そのために命を落としたとも言えます。誠意を込めたマイクの行動に反して、ナチョの父親の放った言葉がマイクの心に奥深く突き刺さったように見えました。


キムの行動の説明(※ネタバレを含むため要注意)

第9話で描かれるキムの行動について、米サイトSCREENRANTによる考察を紹介します。

『ベター・コール・ソウル』は『ブレイキング・バッド』にキムが登場しない理由を説明するという困難な課題に直面し、何年もその問題を避けてきました。

キムはソウルの友人、同僚、恋人、妻として関係をステップアップさせてきましたが、最後にはソウルのせいでカルテルと関係することになってしまいます。

キムは幼い頃から法曹界を志し司法試験に合格し、HHMの郵便室から出世してきました。

苦労して弁護士になったキムですがソウルの犯罪行為に関わり始め、弁護士を雇う余裕のない人たちを助けるプロボノ活動をすることが償いになると信じ、自分をだまし続けてきたのです。

それがハワードの死により、キムの精神的ファサードは崩れ去ります。キムはかつて友人と思っていた無実のハワードを陥れ死に至らしめたことは、いくら慈善事業を行っても償いになると思えず弁護士の辞職に至るのです。

倫理的に弁護士としてふさわしくないという思いも、キムの決断の要因のよう。ソウルはキムにいつかはハワードの死を考えなくなる日が来ると諭しますが、キムには到底そうとは思えなかったのでしょう。

キムがソウルの元を去る理由も弁護士を辞める理由と似通っていて、キムがクライアントの弁護を通常通り行うことができなかったように、ソウルとの結婚生活も同じように感じられるとは思えなかったと言えます。

キムにとってハワードの死によるダメージがあまりにも大きすぎて、二人が一緒にいることが害悪になるという気持ちは固くその思いは変わることはないと悟ったのでしょう。

キムのその後も気になるところで、後半パートの残りでキムが再び登場するのかにも注目です。

ジミーの物語(※ネタバレを含むため要注意)

シーズン6はジミー・マッギルからソウル・グッドマンへと移行していく構成ですが、第9話でジミーの物語に完全に終止符が打たれたと言っていいのではないでしょうか。

キムが去った後タイムジャンプし、ソウルはあの悪趣味の家に住みカルテルの弁護士らしい悪徳弁護士になっています。

ソウルが弁護士名を改名した後もキムはずっとジミーと呼び、サンド・パイパーの件も決着がつきハワードが亡くなりHHMとも縁が切れた今、もはや彼をジミーと呼ぶ人はいなくなることに…。

ここで『ブレイキング・バッド』でウォルターがしがない高校教師から麻薬王ハイゼンベルクになったように、ジミーのソウル・グッドマンへの変身が完了したと言えます。

ソウルの変身はキムが彼のもとを去ったからこそ実現し、ソウルにとってキムはかけがえのない存在で、彼女との別れはソウルにとって計り知れないショックを与えたと言えます。

キムと一緒にいるときに輝いていた自分の部分を忘れないと、辛すぎて何も対処できなかったのかもしれません。

このことがソウルが『ブレイキング・バッド』で、キムについて一切触れない説明にもなっていると言えるのではないでしょうか。

そして『ブレイキング・バッド』でエドのサービスを利用してネブラスカ州オマハで新しい人生を送るソウルは、いつの日かキムと再会する日を夢見ているのかもしれません。

ある意味第9話は、前日譚シリーズの締めくくりとも言えるエピソードです。ジミーの物語が終了したことで、『ベター・コール・ソウル』の時間軸は『ブレイキング・バッド』の時間軸にかなり近づきました。

ウォルターとジェシーの登場が約束されていることから、第10話からはいよいよ本家への橋渡しが開始すると思われます。


『ベター・コール・ソウル』がさらにおもしろくなるトリビア(※ネタバレを含むため要注意)

シーズン6第8話で『ブレイキング・バッド』のあるシーンを説明

出典:https://highoncinemaa.com/

シーズン6はエピソードを重ねるごとに、本家『ブレイキング・バッド』とリンクする部分が増えていきます。

第8話ではラロはガスに殺害されてしまいますが、ソウルはラロの死をずっと信じていないまま過ごし『ブレイキング・バッド』へ移行しているようです。

『ブレイキング・バッド』シーズン2でウォルトとジェシーはソウルを誘拐して砂漠に追いやりますが、ソウルはジェシー達をサラマンカのチンピラと勘違いし、「ラロの差し金か?」と尋ねます。ソウルは第8話で死んだラロの死体を実際に見ておらず、恐らく彼の死を信じていないようです。

一度死んだと思っていたラロがソウルの前に突然現れ、目の前でハワードを射殺したという事実もあり、ラロの死をずっと信じていなかったのかもしれません。

ソウルのラロの死についての疑問が、『ブレイキング・バッド』シーズン2のラロに言及するセリフで証明されています。

ガスはゲイなのか?

『ブレイキング・バッド』以来ガスのセクシャリティについてはずっと憶測が飛んでおり、ゲイなのでは?という推測が多かったようです。

この説について米サイトSCREENRANTからの考察を紹介します。麻薬王とファーストフード・レストランのオーナーという二重生活以外では、彼の私生活は空白のままで友人も家族も恋人もなく仕事一筋で生きてきました。

第6話ではガスが久しぶりにワインバーを訪れ、店員のデイビットとワインの話をするシーンが登場します。ガスはデヴィッドに視線を送り、めずらしくガスはデヴィッドととりとめのない会話を楽しみます。

ガスはデヴィッドが話してくれた物語をもとに、高価なワインを購入したことがあることを明かし、デヴィッド自身もその行為に感動している様子が伺えます。

このシーンはガスがデヴィッドに、興味を抱いていることを示していると言えようです。ガスは友人でありビジネスパートナーでもある、マックス・アルシニエガを殺害したカルテルに数十年間恨みを抱いていました。

その復讐を実行する情熱は、マックスがガスにとってどれだけ重要な存在だったかということを示唆しています。

その愛はカルテルのギャングたち、特に引き金を引いたヘクター・サラマンカへの復讐を後押ししたとも言えます。

ガスのセクシャリティが物語を大きく動かすことはないにしても、第9話のワインバーのシーンは、ガスのセクシャリティへの問いかけと彼の新しい一面を視聴者に見せる興味深いプロットだったと言えるかもしれません。

ジュリア・クラーク・ダウンズとは?

第9話の終わりに、ジュリア・クラーク・ダウンズへのトリビュート文が登場します。ダウンズは実在のアルバーカーキの弁護士で、番組のコンサルタントとして活躍しました。

『ベター・コール・ソウル』はニューメキシコの犯罪社会を描いていますが、本作の魅力はそのリアリズムへのこだわりにもあります。

登場する架空の人物たちの魅力的なキャラクターを作り上げたのは偶然ではなく、ダウンズのような人物の関与に負うところが大きいのです。

彼女の意見がどの程度反映されたかは不明ですが、「ベター・コール・ソウル」の法律シーンを可能な限り正確にするために、彼女の専門知識が極めて重要であったことは明らかです。

残念ながらダウンズは自動車事故で亡くなっており、第9話でトリビュートされています。


『ベター・コール・ソウル』のネット上での評判は?

シーズン6第9話を視聴した感想

とうとうジミーの物語が完結し、いよいよ本家『ブレイキング・バッド』への橋渡しへと動いているようです。

キムの運命もまさかの正攻法で、ファン達のさまざまな推測は全部ハズレでいい意味で驚かせてくれました!ジミー→ソウルとなり、次はソウル→ジーン・タカヴィックへと変化していくのか…?来週も楽しみです!

 

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