Netflixで配信中の『ブラッドラインは、こじれていく家族を描いたサスペンス・ドラマ。ヒューマンドラマとサスペンスの面白さが見事に融合して、骨太なドラマが好きという方におすすめ!本作のキャストや見どころなどを、ネタバレなしでレビューします。
『ブラッドライン』概要
配信日:2017年5月26日
ジャンル:犯罪、サスペンス、ヒューマン・ドラマ
製作国:アメリカ
話数:全33話、1話約55分(全3シーズン)
日本語吹き替え:あり
『ブラッドライン』あらすじ
フロリダキーズに住むレイバーン家は、50年近く老舗ホテルを経営する地元の名家。母親のサリーがホテルを切り盛りし、次男のジョンは警察官、メグは弁護士、ケヴィンはレンタルボート店を経営しています。
放浪していた問題児の長男ダニーが実家に戻ってきたことから、家族の歯車が狂い始めていくことに。レイバーン家は過去に秘密とトラウマを抱え、家族の悲劇が次第に明るみになっていく…。過去の恨みからダニーが家族を引っ掻き回し、ある出来事をきっかけに家族が崩壊していきます。
『ブラッドライン』感想&評価
IMDb:7.9(10点中)
おすすめ度:★★★★☆
ストーリー:★★★★☆
エンタメ性:★★★☆☆
感動:★★★☆☆
見応えありました~、回を追うごとに引き込まれていきましたね。ただ前半6話くらいまではすごいスローテンポ。
家族の秘密や確執を過去とシンクロさせながら、丁寧に丁寧に描いていくので少し退屈に感じるかもしれません。
レイバーン家のメンバーそれぞれにしっかりとフォーカスして描いていくのが、後半から活きてきます。第7話目からは怒号の展開になり、もうどうなるのやらハラハラどきどき。
一つの出来事が雪だるま式に大きくなっていく様が恐ろしく、濃いヒューマンドラマとサスペンスを融合させた完成度の高いドラマになっています。
ドラマのタイトル通り家族の血は切り離したくても切り離すことができず、もつれにもつれていく過程がおもしろい!
『ブラッドライン』キャスト
ジョン・レイバーン(カイル・チャンドラー)
レイバーン家の次男で警察官。ダニーとは昔から確執があり、ダニーが突然実家に戻ってきたことに戸惑っている。
ダニー・レイバーン(ベン・メンデルソーン)
ジョンの兄で過去に起こった出来事で秘密を抱え苦しみ、長い間実家に戻っていなかった。久しぶりに家に戻ってきたことで、家族の秘密が明らかになっていき家族を引っ掻き回していきます。
メグ・レイバーン (リンダ・カーデリーニ)
レイバーン家の一人娘で弁護士をしている。ジョンの同僚のマルコと恋人関係で、家族のいざこざの時は中立の立場でいようとします。
ケヴィン・レイバーン (ノーバート・レオ・バッツ)
レイバーン家の三男で妻と別居中。酒とドラッグにだらしなく、ダニーに次ぐ問題児。何かあるたびに、ジョンとメグに助けを求めてきます。
サリー・レイバーン(シシー・スペイセク)
ジョン達の母親で、レイバーン家の経営するホテルを切り盛りする女将。過去の出来事のせいで本当のことを言えず、秘密を抱えています。久しぶりにダニーが戻ってきて喜ぶものの、ダニーの行動に困惑することに。
ロバート・レイバーン(サム・シェパード)
ジョン達の父親で、ホテル経営でレイバーン家を地元の名家にした家長。一見人当たりがいいが、子供達に対して冷たいところがある。
マルコ・ディアス( エンリケ・ムルシアーノ)
ジョンの同僚でメグの恋人。メグに対する気持ちは本気で、将来のことを真剣に考えています。レイバーン家に関わったことで、思わぬことに巻き込まれていくことになる。
『ブラッドライン』の見どころ
家族の秘密
Review: @Bloodline Season 2 delivers on the promise of outstanding TV https://t.co/XYSjxh0elY pic.twitter.com/XhapaLKTav
— IndieWire (@IndieWire) May 27, 2016
物語の軸になるのがレイバーン家の秘密。現在と過去をシンクロさせながら、レイバーン家に昔何が起こったのかが次第に明らかになっていきます。
秘密を巡って家族それぞれが抱えるトラウマが丁寧に描かれ、家族の秘密が悲劇をもたらしていく様を深く静かに描いていきます。パズルを一つずつはめていくように、家族の物語が語られていくドラマ構成が素晴らしい!
家族の確執
レイバーン家の家族の確執がとにかくスゴイ!母と子、父と子、兄弟妹の確執を見事に切り取っていきます。家族だから簡単に問題解決することもあれば、家族だから難しいこともある…。
血が通っているからこそ簡単にいかないことも多く、ダニーが家族を振り回し家族に影響を与えていく過程が恐ろしくてスリリング。どうやったら家族関係がうまくいくのかを、いろいろと考えさせられます。
家族の悲劇
レイバーン家に思ってもいなかった出来事が起こり、雪だるま式に膨れ上がり収集がつかなくなっていく様が本当に怖い。
一つの秘密が新たに悲劇を生み、家族を崩壊させていく…。一つのことを隠蔽すると、さらに嘘をついて嘘の上塗りになっていく過程が恐ろしくドラマをおもしろくしています。
ベン・メンデルソーンの演技
You can’t have a golden boy without a black sheep. Congrats to Ben Mendelsohn on his #Emmys nomination. pic.twitter.com/Bl84Zu6Gtp
— Bloodline (@Bloodline) July 16, 2015
家族を崩壊させていく壊れそうで危なっかしいダニーを演じる、ベン・メンデルソーンの演技がとにかく素晴らしかった!
傑出した演技力で見事にダニーを演じ切り、ささやかな動作一つで感情を表現する素晴らしい演技は称賛に値します。
この演技を観たスティーブン・スピルバーグが、メンデルソーンを『レディ・プレイヤー・ワン』のノーラン・ソレント役に抜擢した話は有名。メンデルソーンは本作の演技で、エミー賞の助演男優賞を受賞しています。
『ブラッドライン』のネット上での評判は?
Netflixドラマ「ブラッドライン」も、加害者が被害者であり、被害者か加害者である、という構造なんだけど、それでいてエンタメサスペンスとしても超一流なんだよな。こういうのを観てると、敵味方、善悪二元論、という構造を疑わない作品って、単にクリエイターの怠慢なんじゃないか、とも思う。
— 落花生BOY【「漂白」中】 (@bonkuratv) June 24, 2018
ドラマ『ブラッドライン』、カイル・チャンドラーとベン・メンデルソーンの沼だよ!!
最恐の泥沼兄弟が見られます— めっさぁ (@tasogare_kaki) December 30, 2018
『ブラッドライン』まとめ
最初はスローテンポに感じるかもしれませんが、じっくりとキャラクターを掘り下げた構成が見応えがあり重厚なドラマに仕上がっています。
第6話までのスローテンポにぜひつきあって、その後の怒号の展開を楽しんでください。ヘビーな家族ドラマですがサスペンス要素を盛り込んで、重厚なヒューマン・サスペンスとして楽しめますよ。