ニューヨークの上流社会に入り込み、多くの人々を騙したアンナ・デルヴェイの実話を基にしたNetflix製作ドラマ。上流階級の人々を信じ込ませたアンナという人物に興味が湧いて、あっという間にアンナの世界に引き込まれてしまうはず。本作のキャストや見どころなどを、ネタバレなしでチェック!
『令嬢アンナの真実』概要
配信日:2022年2月11日
ジャンル:実話、ヒューマン・ドラマ
製作国:アメリカ
話数:全9話、1話約60~70分
日本語吹き替え:あり
『令嬢アンナの真実』あらすじ
アンナ・デルヴェイは詐欺容疑で告訴され、裁判が開かれようとしていた。記者のヴィヴィアンはアンナのことを記事にしようと、アンナが収監されているライカーズ島の刑務所に手紙を送る。
取材に応じると連絡を受けたヴィヴィアンはアンナと直接話し、詐欺の被害者、友人、恋人に連絡を取り取材を進めていく。
数年前アンナは新事業を立ち上げた恋人のチェイスと豪遊しながら人脈作りをし、著名人のノラ・ラドフォードに上手く取り入り見事にニューヨークの上流階級へ入り込んでいく。
アンナはアンナ・デルヴェイ財団を立ち上げるのが夢で、夢の実現のため一流のチームを集め投資家と会い銀行のローン申請までこぎつける。
ヴィヴィアンは身重の体をおして取材に奔走し、アンナの真実を暴いていく…。
『令嬢アンナの真実』感想&評価
IMDb:6.8(10点中)
おすすめ度:★★★★☆
ストーリー:★★★☆☆
エンタメ性:★★★★☆
感動:★★☆☆☆
想像以上におもしろかったです!アンナ・デルヴェイの詐欺事件は、どちらか忘れましたが『世界仰天ニュース』か『アンビリーバボー』で実録再現ドラマで扱っているのを見たことがあったので知っていました。
Netflixがドラマ化すると知り、しかも主演がジュリア・ガーナーと聞いて楽しみにしていました。リミテッド・シリーズなので全9話と短いですが、1話が1時間~1時間20分と長いのでかなりのボリューム。
見事な構成力とテンポのよさで、視聴者をグイグイと物語に引き込みまったく長さを感じさせません。筆者は週末にイッキ見してしまい、すごくおもしろくてかなりの満足感。
ジュリア・ガーナーの演技も素晴らしかったし、無一文のアンナが上流階級の人たちを次々とカモにしていく姿は爽快ですらありましたが…。
後半は正直アンナの人間性が恐ろしくなり、かなりドン引きしましたがこういう人が世の中にいるんだな、とまさに「真実は小説より奇なり」のドラマでした。
アンナという人物と人生、それを取り巻く人々との関係と記者ヴィヴィアンの物語を描き、クオリティの高いヒューマン・ドラマに仕上がっています。
リアリティのあるおもしろいドラマを観たい、という方におすすめです!
『令嬢アンナの真実』キャスト
アンナ・デルヴェイ(ジュリア・ガーナー)
自称ドイツ出身で、7ヶ国語を操り画像記憶能力のある聡明な女性。有名になり煌びやかな世界で活躍することを夢見ている。口が上手く人々を騙しながら、ニューヨークの上流階級に入り込んでいく。
ヴィヴィアン(アンナ・クラムスキー)
アンナを取材する記者で、出産を控えている。かつて記事のことで仲間に裏切られた過去がトラウマになっていて、アンナの記事を成功させて信頼を取り戻そうと取材に奔走する。
トッド(アリアン・モーイエド)
アンナの弁護士で、アンナの弁護をするために膨大な資料と格闘することになる。身勝手なアンナの行動に振り回されることになり、苛立ちを隠せない。
レイチェル(ケイティ・ロウズ)
アンナの友人で、ヴァニティ・フェア誌に勤めている。アンナと一緒に行ったモロッコ旅行でとんでもない目に合うも、アンナのことを信じている。
ネフ(アレクシス・フロイド)
アンナが滞在していたホテルのコンシェルジュ。仕事ぶりがアンナに認められ、プライベートでも仲良くなる。アンナの逮捕後も、友人としてサポートする切実な人柄。
チェイス(Saamer Usmani)
アンナの恋人で新しいアプリ「ウェイク」を立ち上げ、投資を募っている事業家。アンナと数年交際し、ヨーロッパで豪遊して派手な生活を送る。
『令嬢アンナの真実』の見どころ
アンナという人物
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本作の一番の見どころはアンナ・デルヴェイという人物。口が上手く聡明さと機転の速さを武器に、無一文にも関わらずニューヨークの上流階級に入り込んでいく手腕と行動力がスゴイ!
計算高さと策士ぶりは舌を巻くほどで、普通の人ではまず真似できないその度胸がある意味称賛に値するかも…。
ただドラマの前半はまだ可愛げがあるのですが、後半になるにつれアンナの人間性が怖くなっていきます。
人間的に壊れているとも言える言動や行動が恐ろしく、裁判ではスタイリストをつけて裁判でのファッションにもこだわるという無茶ぶりを発揮。
有名になって注目を集めたい「Wannabe(有名人になりたい人)」で終わらない、本物のセレブになろうともがく姿が少し痛々しい。
人を騙すということ
アンナが騙すのはニューヨークの上流階級の人達で、みな教養があり立派な肩書の人物ばかり。アンナの聡明さと身なりやセンスにすっかり騙され、人々がアンナの周りに集まっていきます。
アンナのカモになった人たちは完全な被害者ですが、人がいかに簡単にその人の見た目や肩書に騙されるかというのがよく分ります。
ネットで知らない人と簡単に知り合える現代だからこそ、その人の言っていることが全てではないと頭に置いてしっかりと見極めなくては…、と考えさせられます。
見ごたえたっぷりのヒューマン・ドラマ
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実話がベースなのでリアリティがあるのはもちろん、アンナ自身、記者のヴィヴィアン、アンナの友達、弁護士のトッドなどそれぞれの視点から描いたエピソード構成になっているのにも注目です。
アンナの起こした詐欺事件の全貌だけでなく、登場人物それぞれに焦点を当てた物語が興味深い。
記者のヴィヴィアンのトラウマや出産をひかえていること、アンナの友人レイチェル、レフ、ケイシーのそれぞれのアンナの関係と友情、弁護士トッドの視点など、異なるアングルからストーリーを切り取る構成になっています。
アンナに対する人々の感じ方が、それぞれ違うのもおもしろい。アンナの人生だけでなくアンナに関わる人たちのドラマもしっかりと描き、見ごたえたっぷりのヒューマン・ドラマに仕上がっています。
ジュリア・ガーナーに注目!
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本作で主役のアンナを演じているのがジュリア・ガーナー。Netflixドラマ『オザークへようこそ』の演技で高い評価を受け、エミー賞助演女優賞を受賞するなど若手注目ナンバーワンの女優です。
『オザークへようこそ』では南部訛りとFワードを連発する勝気な女性を演じ、本作では複雑な人物像のアンナを鬼気迫る演技で演じ切って本当に素晴らしい!
筆者の今一番お気に入りの女優で、将来アカデミー賞を獲得する可能性があるのでは?と思うほど才能に溢れています。
ニューヨークの上流階級が舞台なので、ジュリアの着こなすファッションもおしゃれで女性はファッションも楽しめるはず。
Netflixがアンナに支払った金額は?
Netflixは『令嬢アンナの真実』をドラマ化するにあたり、物語の権利を確保するために32万ドル(約3700万円)を支払ったと伝えられています。
アンナの声明によるとこのお金の半分以上を、賠償金と州の罰金の支払いに充てたそうです。
『令嬢アンナの真実』のネット上の評判は?
Netflix『令嬢アンナの真実』
詐欺師アンナ・デルヴェイの才能に興味を持った出産間近の雑誌記者ヴィヴィアン・ケントは取材と調査に奔走する。
ブランドを着た無一文とキャリアを失った記者。“無”の状態から人を惹き付けながら前進する2人とそれに巻き込まれた人々のストーリーがとても面白かった。 pic.twitter.com/8WZTi7w8OV— Natalie🧁 (@natalieogawa1) February 14, 2022
『令嬢アンナの真実』
1話見たけどめちゃくちゃ面白い…
続きが気になる🤔
そして字幕ズレも気になるけど、英語聞き取りの練習になるという副産物も😂
Julia Garnerが本当に何考えてるかわからなくてミステリアス🪄 pic.twitter.com/YDeRqhZ5yg— ユウト/reading account (@sputnikslover) February 11, 2022
『令嬢アンナの真実』まとめ
見応えがあってものすごくおもしろかったです!つい最近の事件なのでインスタグラムをふんだんに使い、実際に起きた犯罪を元にしたドラマにしてはすごくポップでおしゃれな仕上がり。
アンナが着こなすファッションや、煌びやかなニューヨークの上流階級の雰囲気も楽しめます。「真実は小説より奇なり」という言葉をそのままドラマにしたようで、見た後いろいろなことを考えさせられました。
アンナはこれからどんな人生を送っていくんだろう…?とアンナのその後も気になってしまいます。実話を元にしたおすすめドラマはないかな?と思っている方にイチオシです!