4人の刑事、4つの時代、1体の遺体…、それぞれの時代に刑事が事件解決に挑むサスペンス・ミステリー。どういう展開になるのか、まったく予測不可能の見応えのある作品に仕上がっています。本作のあらすじ・キャスト・感想・結末などを、ネタバレあり&なしで早速チェック!
『BODIES/ボディーズ』概要
配信日:2023年10月19日
原題:BODIES
ジャンル:犯罪、ミステリー、サスペンス、ヒューマンドラマ
製作国:イギリス
制作:ポール・トマリン
対象年齢:16歳以上
話数:全8話 1話約50分
日本語吹き替え:なし
『BODIES/ボディーズ』あらすじ(ネタバレなし)
2023年のロンドン、警察官のハサンはデモ中に拳銃を持った少年を見つけ追いかける途中、ロングハーベスト通りで全裸の男性の遺体を発見する。
ハサンは遺体について調べるうちに、全く同じ遺体が1890年、1941年にも発見されていたことを知り、2054年の未来でも同じ遺体が見つかる。
2053年、ハサンはチャペル・ハララスという組織のリーダーとなり、世界を操るマニックス指揮官と対立していた。なぜ4つの時代に同じ遺体が発見されたのか、謎が次第に解き明かされていく…。
『BODIES/ボディーズ』感想&海外評価(ネタバレなし)
IMDb:7.1(10点中)
おすすめ度:★★★★☆
ストーリー:★★★★★
エンタメ性:★★★☆☆
感動:★★★☆☆
4つの時代に同じ1体の遺体が見つかり、4人の刑事が謎を追っていくSFサスペンス・ミステリー。4つの時間軸が交差する複雑なストーリーで、しっかり見ていないと多少混乱してしまうかもしれません。
それでも異なる4つの時代を舞台にそれぞれの登場人物と独自のストーリーが描かれているため、時間軸が飛ぶ割には分かりやすくまとまっていると思います。
どうして4つの時代に同じ遺体が現れるのか?謎が謎を呼ぶ設定と、各時代の主人公たちのストーリーも見応えがあり、トータルでクオリティの高いSFサスペンスに仕上がっています。
細かい付線が次第につながり、一本の線となっていく過程がおもしろく、パズルのピースを当てはめていくような間隔にハマってしまうはず。
それにしても堂々巡りのタイムループは、何が最初の始まりなのか?いうのが正直むずかしい。
実に巧みなプロットでよくこんな複雑なストーリーを考えるなと、本作の脚本を書いた人はすごいと素直に感心します。見応えのある骨太なサスペンスや、SFドラマが好きな方はぜひ!
『BODIES/ボディーズ』キャスト
2023年
シャハラ・ハサン(アマカ・オカフォー)
ロングハーべスト通りで男性の遺体を発見してから、謎の事件に巻き込まれていく。
ジャック・バーバー(マイケル・ジブソン)
ハサンの上司。ハサンと共に謎の男性の遺体について調べる。
エライアス・マニックス(Gabriel Howell)
ロングハーべスト通りの遺体と関わっていると思われる少年。施設育ちで、モーリー夫妻の養子となる。
1890年
エドモンド・ヒリングヘッド(カイル・ソーラー)
ロングハーベスト通りで見つかった遺体の捜査をする警部補。妻と娘と3人暮らし。
ジュリアン・ハーカー(スティーヴン・グラハム)
ロンドン一の大富豪で、謎が多い人物。
ポーリー・ヒリングヘッド(シノーヴ・カールセン)
ヒリングヘッドの娘で、ピアノの演奏が得意。
ヘンリー・アッシュ(ジョージ・パーカー)
ヒリングヘッドと共に、ロングハーヴェスト通りの遺体の捜査をする新聞記者。
1941年
チャーリー・ホワイトマン(ジェイコブ・フォーチュン=ロイド)
お金のために裏稼業をしている刑事。ユダヤ人のため、同僚から虐げられている。
エスター(クロエ・ラファエル)
チャーリーと知り合うユダヤ人の少女。
2054年
アイリス・メープルウッド(シーラ・ハース)
ロングハーべスト通りで、男性が倒れているのを発見するKYALという組織の捜査官。マニックス指揮官の信頼を得ている。
ガブリエル・デフォー(トム・マザーズデール)
スロートという装置を開発した、量子重力理論の教授。
マニックス指揮官(スティーヴン・グラハム)
世界的な影響力を持つ権力者。チャペル・ハララスに狙われている。
『BODIES/ボディーズ』全あらすじ・ラスト結末(ネタバレあり)
2023年
現在のロンドン、警察官のハサンは拳銃を持った少年を見つけ追いかける途中、ロングハーベスト通りで全裸の男性の遺体を発見する。遺体は左目を撃たれ、腕に3本線の刺青のようなマークがあった。捜査するうちに、エライアス・マニックスという少年が関わっていることが分かる。遺体の身元はガブリエル・デフォーと判明し、ハサンはエライアスの養父母のモーリー夫妻が雇っているハーカー法律事務所に注目する。
ハサンは遺体の発見場所にヒリングヘッドという文字を見つけ、調べてみると1890年に実在した刑事だと分かる。昔の資料を調べると、1890年と1941年にハサンが見つけたのと全く同じ遺体が発見されていた事実を知る。エライアスはハーカー一族の血を引いており、1890年のハーカーの指紋とエライアスの指紋が一致し、二人が同一人物だと判明する。
ハーカーは1941年に99歳でベッドで射殺されて死んだ。ハサンがハーカー銀行へ行くと、1941年からハサンの名義の貸金庫があり、開けると爆弾が起動しはじめる。エライアスは実母に会いに行くが拒絶され、起爆装置のパスコードを押して爆弾が爆発する。
1941年
刑事のチャーリー・ホワイトマンは、死体の運び屋などの裏稼業をしていた。電話で女性から死体を運ぶように指示され、指定された場所へ行くと左目のない男性の遺体が横たわっていた。死体を運ぶ途中ドイツ軍の空爆に合い任務に失敗し、チャーリーが死体を運ぶのを目撃した少女エスターを殺害するよう命じられたができなかった。
ドイツ軍の空爆から逃れ地下道へ隠れたチャーリーとエスターだったが、チャーリーのいない間にエスターは電話の女に殺されてしまう。その女の名はポーリーで、1890年にジュリアン・ハーカーと結婚し、ロングハーベストで遺体を発見したヒリングヘッドの娘だった。チャーリーは復讐のためポーリーの居場所を突き止め、ポーリーとジュリアンを殺害し絞首刑となる。
1890年
エドモンド・ヒリングヘッドは、ロングハーベスト通りに左目のない遺体を発見し、現場で新聞記者のヘンリーと知り合う。ヘンリーの撮影した写真に男性が写っており、大富豪のジュリアン・ハーカーだと分かる。ハーカーが殺人に関わっているとみて捜査するが、ヒリングヘッドは捜査をするうちヘンリーと肉体関係を持ち、その事実をハーカーに知られてしまう。
ヒリングヘッドは遺体の発見場所に自分の名前を彫る。ヒリングウッドはヘンリーを左目を撃たれtた男の殺人犯に仕立てろとハーカーに言われるが、自分が犯人だと自供してハーカーの部下に殺害される。
2053年
アイリス・メープルウッド刑事はロングハーベスト通りで、男性が倒れているのを見つける。2023年の爆発についてのニュースが流れ、30年前に大きな爆発があり大勢が亡くなったのだった。アイリスはエグゼクティブのマニックス指揮官から、チャペル・ぺララスと関わっているデフォー教授について調べるように指示される。
デフォーに話を聞きに行ったアイリスは、チャペル・ぺララスのハサンと出会う。ハサンはエライアスが2023年に爆弾で数十万人に死者を出し、その後マニックス指揮官となったと説明する。マニックスはデフォーが発明したタイムマシンで1890年にタイムスリップし、秘密結社を作りカルトのリーダーとなって権力を握ったのだった。
デフォーはスロートに入りタイムスリップする直前にアイリスに撃たれ、そのまま死体となって1890年、1941年、2023年に到着した。デフォーとハサンのマニックス阻止計画に賛同したアイリスは、人類を爆弾から救うため1890年にタイムスリップする。ロングハーベスト通りに現れたアイリスは、ヒリングウッドが掘った名前の隣に自分の名を掘る。
アイリスのタイムスリップ後
アイリスが1890年にタイムスリップした後、ヒリングウッドと会い、彼の娘ポーリーがハーカーと結婚し彼の未来の家族が爆弾で大勢を殺すと話す。ヒリングウッドはハーカーに、お前はエライアス・マニックスだと言って驚かすが、部下に殺される。
1941年、ハーカーはポーリーを追ってやってきたチャーリーに、自分の声明を録音したレコードをサハラ刑事に渡せと頼む。チャーリーは途中で撃たれ、ロングハーベスト通りに自分の名とサハラの名とメッセージを彫る。
チャーリーはレコードを隠した後、酒場で襲われ命を落とす。ハサンはロングハーベスト通りのレンガに自分宛てのメッセージを見つけ、チャーリーのメッセージ通り酒場へ行くと、ヒリングへッドが写った写真の額に三本線のマークを見つける。額縁を外すとハーカーに託されたレコードがあり、ハサンはエライアスに聞かせる。エライアスは爆弾を起爆せず、世界は爆弾の危機から逃れた。
『BODIES/ボディーズ』見どころ・解説・考察(ネタバレあり)
4つの時代と4人の刑事
物語は4つの時代を舞台に、4人の刑事と1人の遺体が関わっていきます。どうして同じ遺体が4つの違う時代に現れるのか?身元不明の遺体を捜査する4人の刑事のドラマを絡めながら、事件の真相に迫っていく過程が実にスリリング。
なかなか真相が見えてこず、これは一体どういうストーリーなのかと興味を抱かずにいられません。4人の刑事の独自の物語も見応えがあり、ヒューマン・ドラマとしての魅力もたっぷり。
謎が謎を呼ぶ展開に最初は全く見当がつきませんが、第2話のラスト辺りから徐々に付線がつながっていきます。各時代のストーリが絶妙にリンクしていき、まるでパズルのピースを当てはめていくような感覚がおもしろい。
時間軸があちこち飛んで多少難解で複雑ではありますが、全く異なる時代設定と主人公のため、混乱することなく意外にすんなりと頭の中に入っていきます。よくこんな緻密なストーリーを考えるなと、思わず拍手を送りたくなる脚本が素晴らしい。
エライアスの正体
物語の大きなポイントになるのが、エライアス・マニックスという少年。施設育ちで素行が悪いにも関わらず、元警官のモーリー夫妻の養子となります。
エライアスは2023年に膨大な被害をもたらした爆弾事件を引き起こし、2053年には世の中を操るエグゼクティブの指揮官に…。
エライアスは2053年にデフォーが開発したタイムマシンで1890年にタイムスリップし、ジュリアン・ハーカーと偽り大富豪となって秘密結社を作ります。
エライアスの養母は長年ハーカー家に仕えてきた人物で、ハサンの上司のバーバーはハーカーのひ孫で、エライアスの父親だったというのが驚き。
2053年にアイリスが属しているマニックスの組織がKYALで、Know you are lovedの頭文字。どの時代でもエライアスの組織は、「愛される」「愛されている」というのを合言葉にしています。
エライアスは薬中の母親に捨てられ、本当の父親のことも知らないまま施設で愛を知らずに育ちました。そのためエライアスは、人から愛されることを強く望んでいたと思われます。
タイムスリップしたのも人が愛される世界を作るという面目でしたが、愛を知らず承認欲求の強いエライアスは間違った方へと世界を導いていったのかもしれません。
タイムスリップの結果
最終話は実に見応えたっぷりで、アイリスがタイムスリップすることでどう世界が変わるかが描かれタイムトラベルの醍醐味をたっぷり味わえます。
アイリスが1890年にタイムスリップし、ヒリングへッドにハーカーの正体を話したことで、事態が大きく変化していくことになります。
ハーカーはなぜヒリングヘッドがすべてを知っているのかも分からず、それ以上に彼の頭に疑念の種を植え付けることに…。彼の計画は本当に未来のロンドンを浄化するのか、本当に人々が「愛される」世界にできるのかと思うようになります。
ハーカーはロンドン爆撃の指示ではなく物事を正すようにレコードを録音し直し、1941年にチャーリーに殺される前にレコードを託します。
このレコードが運命を大きく動かし、2023年にエライアスが引き起こす爆弾事件を食い止めることに成功。
その後それぞれの物語が新たに新しいループになり、ロングハーベスト通りで、ハサンは爆発で死んだリックの隣にいて、チャーリーはエスターと言葉を交わし、ヒリングヘッドはヘンリーと通りで視線を交わします。
それにしてもタイムループはやっぱりややこしい…。2053年のエライアスは家系図ではハーカーの玄孫に当たりますが、1890年にタイムスリップしてハーカーと名乗るため同一人物。いろいろ考えていると、混乱してきてしまします(笑)。
ロングハーベスト通り
Baru cobain 2 eps pertama BODIES di Netflix, langsung mind-blown. 4 detektif dari 4 timeline berbeda (1890, 1941, 2023, 2053) mengusut kasus pembunuhan yg sama dari mayat yg sama. Kok bisa?
Storytelling & investigasinya jelas kompleks, tapi bikin nagih. pic.twitter.com/yYQC8e1ROG
— Habis Nonton Film (@HabisNontonFilm) October 21, 2023
全ての事の発端はロングハーベスト通りで始まり、おもしろいのがロングハーベスト通りに残した各自の名前を掘った跡。ハサンは通りのレンガにヒリングウッドの名前を見つけたことから、同じ遺体が他の二つの時代にも存在したことを発見します。
1890年にタイムスリップしたアイリスの無事も、ハサンとデフォーがレンガの名前の跡で確認。1941年にチャーリーは未来のハサンへのメッセージとして、レコードの隠し場所をレンガに残します。
細かい付線が活かされた設定が実に見事で、ロングハーベスト通りの名前の跡が4つの時代をうまく結びつける小道具になっているのがおもしろい。
『BODIES/ボディーズ』のネット上での評判は?
Netflix「#BODIES/ボディーズ」
ぶっ刺さりすぎて飯も食わずに8話一気見してしまった…。1890年、1941年、2023年、2053年、それぞれの時代の刑事が同じ場所で同じ変死体を発見し4世代が交わり繋がる良質SFミステリー。同じくネトフリのDARKが好きだった人は絶対刺さるやつ! pic.twitter.com/IFCOAaF7yj— けーぴー (@K_Parrrrr) October 19, 2023
やばい超面白いこれ。1893年、1943年、2023年ともう一つの4つの時代に同じ通りで同じ死体を発見した刑事がそれぞれの時代で捜査する…という
「Bodies/ボディーズ」をNetflixで今すぐチェックhttps://t.co/u1bCNbtzWL
— ARATa (@borgsphere2001) October 21, 2023
『BODIES/ボディーズ』まとめ
多少複雑な印象はあるものの、4つの時代と4人の主人公で描くストーリーが絶妙でおもしろかったです。タイムトラベル物やSFをベースにしたサスペンス・ミステリーが好きな方におすすめで、Netflixに加入している方はぜひチェックしてみてください♪
『BODIES/ボディーズ』が好きな方におすすめのドラマレビュー記事↓